株式市場の振り返り-買い一巡後に軟調となり小幅続落、売買もやや低調に終わる

2016年7月25日(月)の東京株式市場は小幅続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.0%の下落、TOPIXも▲0.2%の下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.5%上昇する反発となりました。

日経平均株価は、前日比+28円高で寄り付いた後、前場の半ばには+151円高まで上げ幅を拡大しました。しかし、買い一巡後は上値が重くなり、後場は先週末終値付近の攻防となり、大引けに掛けてマイナス転換して一時は▲14円安まで下落しました。結局、大引けは▲6円安の16,620円で終わっています。僅かながらの下落とは言え、続落となりました。

東証1部で上昇したのは1,166銘柄、値下がり697銘柄、変わらず105銘柄でした。株価が下落した割には、上昇銘柄が多かったのが特徴です。なお、東証1部の出来高は16億8,540万株、売買代金は2兆314億円(概算)となっています。

セクター動向と主要銘柄の動き-任天堂が急落してストップ安、日本電産は大幅上昇に

東証1部で上昇したのは19業種、下落したのは14業種でした。上昇率上位には、内需関連セクターが多く見られましたが、下落業種にも内需関連は多かったようです。全体的に大きな特徴はなかったようですが、輸出関連業種は小動きに終わっています。

個別銘柄では、連結業績予想の修正を行わないと発表した任天堂(7974)が急落してストップ安で引けました。日本マクドナルドホールディングス(2702)も急落しており、ポケモノミクス相場の終焉を示唆しています。また、ソフトバンクグループ(9984)が大幅下落となり、東京エレクトロン(8035)やオリンパス(7733)も値を下げました。一方、先週末にQ1決算を発表した日本電産(6594)が大幅高となり、年初来高値を更新しました。また、ファーストリティリング(9983)、ファナック(6954)、武田薬品工業(4502)などの主力株が値を上げています。

東証マザーズ市場の動き-深刻な薄商いが続く中、総合指数は辛うじて小幅反発

東証マザーズ総合指数は、寄り付き後は前日比マイナスとなりましたが、その後はプラスに浮上し、堅調に推移しました。大引けに掛けて弱含んだものの、反発となっています。ただ、出来高は前日より大きく減少して4,591万株、売買代金も小幅減少の790億円の低水準に止まっています。なお、値上がりが104銘柄、値下がりは122銘柄、変わらず8銘柄でした。閑散相場を打破するような物色テーマの登場が待たれます。

個別銘柄では、ミクシィ(2121)が堅調に値を上げましたが、そーせいグループ(4565)とCYBERDYNE(7779)は小幅高に終わりました。一方、先週は大幅高が続いたHamee(3134)が大きく値を下げ、グリーンペプタイド(4594)やサンバイオ(4592)などの医療バイオ関連銘柄も下落したものが多かったようです。他方、先週末に値を上げたGunosy(6047)は大幅続伸となったのが目立ちました。しかし、それ以外で特に大きく動いた銘柄は少なく、新興市場らしからぬ展開が続いた相場となりました。

本日(7月26日)の注目点-業績相場に向かう出発点となるか、電機セクターに注目

任天堂が▲17%超の急落となり、ストップ安を付けたことで、ポケモノミクス相場は終焉を迎えた可能性が高いと言えます。もちろん、まだ物色テーマとしては残りますが、先週までのような“フィーバー”は沈静化したと考えていいでしょう。それでも、今回のポケモノミクス相場は、今後も長く語り継がれると思われます。また、様々な意味で、任天堂という企業が再評価されたことも事実です。

ポケモノミクス相場が沈静化して、金融相場、あるいは、業績相場に向かい始めました。先週末に決算発表を行った日本電産が大幅上昇となったことから、先ずは業績相場への動きに注目です。26日(火)は、好業績銘柄の物色が強まる展開が予想されます。日本電産の先行例から、目先は電機セクターに目を向けることが重要となりそうです。

25日の新興市場は小幅反発になりましたが、引き続き様子見スタンスが望ましいと言えそうです。週末に掛けては、大型株の方に大きなイベントが控えており、投資資金が新興市場に流れてくる気配が見られません。今は辛抱の時と言えそうです。

青山 諭志