JR東海の4-6月期は堅調な滑り出し。引き続きリニア動向注目

東海旅客鉄道(9022)の2017年3月期第1四半期の決算が発表されました(東海旅客鉄道は以下、JR東海)。会社の連結業績予想に対して特に上期に関しては順調な滑り出しといえます。また会社の業績予想に変更はありませんでした。当社の収益の中心は当然ながら新幹線になりますが、輸送人キロ、運輸収入ともに堅調です。

2017年3月期第1四半期動向について

営業収益(売上高)は対前年同期比+2%増の4,232億円、営業利益は同+5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同+9%増となりました。会社の上期の連結業績予想が売上高、営業利益ともにほぼ横ばいで見ている中で、まずまずの滑り出しといえます。

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特に新幹線に関しては、輸送人キロが対前年同期比+1.8%増に対して、運輸収入が同+2.1%増ということで、需要に合わせた柔軟な列車設定が効果を生んだと見ています。

一方、流通業に関して事業トレンドは弱く映ります。流通業の売上高は対前年同期比▲1.3%減の575億円、営業利益は同▲19.4%減の15億円となっています。ジェイアール名古屋タカシマヤの売上高推移を見ますと、4月は対前年同月比プラスで推移したものの、5、6月はマイナス成長となっています。

リニア動向について

今決算では、山梨リニア実験線の減価償却費が減少したというような内容のみで特段新しいニュースはありません。

ただ、これまでに中間駅は奈良駅であるとか、大阪までの全線開業を前倒しするために政府が財政投融資の仕組みを活用することで建設資金を支援する仕組みを説明したなどの報道が出ており、引き続きリニア動向には注目です。

まとめ

JR東海は、新幹線を中心として堅調な運輸収入を背景に利益的に成長をしていますが、一方でリニア中央新幹線の工事に伴う多額の設備投資と減価償却費に直面することになります。現在話題に出ている財政投融資を通じて長期でより低金利の資金調達が可能になればメリットといえます。リニア事業は最終的にはキャッシュフローで議論をされるべきですが、その内容について詳細に議論をするに至るまではもう少し時間を必要としそうです。

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。