日経平均は日銀の追加緩和を受け、短時間で500円以上の値動き

2016年7月29日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より92円43銭高の16,569円27銭となりました。

日銀は、29日まで開いた金融政策決定会合で株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れ額を増やすとともに、マイナス金利は現状を維持すると決定しました。大規模な追加金融緩和への期待から、日経平均は午後には一時200円以上値上がりしました。しかし、追加緩和がETF増額のみと伝わると、失望感から300円以上の安値となりました。

ただ、マイナス金利は現状維持だったため、銀行の業績悪化の懸念がやわらぎ、最終的にはプラスに転じました。

為替相場では失望感から一時、102円70銭台まで円が買われドルが売られる動きとなりました。

ドル売り一巡後は103円台後半にまで値を戻す動きもありましたが、日本時間の夜に発表された第2四半期の米国内総生産(GDP)統計が予想より弱く、年内の利上げ観測が後退したことから、再びドルが売られる展開となりました。ニューヨーク外国為替市場では一時、1ドル=101円台まで円高が進み、102円20銭付近で終えています。

今後の展開はどうなるでしょうか。英国の欧州連合(EU)離脱の影響は小さく、世界の株式市場は一様に上昇してきました。7月26日、27日開かれた米国のFOMC声明では、「短期的なリスクは弱まった」とされ、年内の利上げに含みを持たせています。

国内では、8月2日にまとめられる経済対策について、安倍首相は「事業規模で28兆円を上回る総合的かつ大胆な経済対策をとりまとめたい」と表明しました。29日の東証1部の売買代金は概算で3兆2,967億円と、英国がEU離脱を決めた6月24日以来の高水準となっています。

来週は4-6月期の決算(第1四半期決算)が多くの企業で発表されます。直近の円高傾向がどのような影響を及ぼすのか気になるところです。

8月5日には、米7月雇用統計も発表されます。結果次第ではさらに円高が進むこともあり、注意が必要です。

上昇一服し調整局面だが、弱さは感じない

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先週から今週にかけては、上昇一服といった印象があります。

直近の安値である7月8日の15,106円から直近の高値である7月21日の16,938円まで、わずかの期間で1,800円以上上昇しています。このため、26日には若干の押しが入りましたが、75日移動平均線付近でサポートされ反発しています。

29日の日銀の追加緩和を受け、一時は300円以上の安値となりましたが、これも長い下ひげを付けて75日移動平均線付近まで戻しています。力強さを感じるところです。

75日移動平均線でサポートされれば、さらに一段上へ

来週の動きはどうなるでしょうか。現状はさらに一段上への展開を期待させます。今週、2度にわたり75日移動平均線にサポートされています。また、4月25日の高値(17,613円)と5月31日の高値(17,251円)を結ぶ下降トレンドラインにも下支えされています。

上値めどとしては、7月21日の高値である16,938円目および、目先の節目である17,000円となるでしょう。ここを抜けると、5月31日の高値(17,251円)、さらに、4月25日の高値(17,613円)あたりも視野に入ってきます。

ただし、週末に円高傾向に振れたことから、週初に調整が入ることも考えられます。75日移動平均線付近では前述した下降トレンドとも重なることから押し目を狙っていきたいところですが、ここを割り込むようであれば、25日移動平均線とも重なる16,000円付近が下値めどとなります。

下原 一晃