景気は悪化する? 6月の毎月勤労統計調査を読み解くポイント

8月5日(金)9:00発表

この記事の読みどころ

  • 8月5日(金)9:00に6月の毎月勤労統計調査が発表されます。
  • 所定外労働時間(残業時間)は徐々に減少し始めています。
  • 6月の毎月勤労統計調査の市場予想は+0.4%(前年同月比)となっています。
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8月5日(金)9:00に6月の毎月勤労統計調査が発表

今週は、8月5日(金)9:00に、6月の毎月勤労統計調査(マイキン統計)が発表されます。

毎月勤労統計調査を見る際は、1人当たりの現金給与総額(基本給+残業代等の合計額)に加え、所定外労働時間(残業時間)を重点的に確認することをおすすめします。

なぜなら、景気が回復し仕事量の増加が見られると、経営者は労働時間の増加で対応を試み、それでも仕事量の増加に追い付かなくなると、ようやくパート、正社員の順に雇用を増やす傾向にあるためです。

市場予想が公表される1人当たりの現金給与総額と同時に、所定外労働時間もチェックするようにしましょう。

徐々に減少し始めた所定外労働時間

前回、5月の毎月勤労統計調査では、1人当たりの現金給与総額は、26万7,933円と-0.2%(前年同月比)となり、昨年6月以来、11か月ぶりに減少しました。

ただし、物価の影響を考慮した実質賃金は+0.2%(前年同月比)と4か月連続でプラスを維持していることから、現在の日本では、給与の下げ幅より物価の下落率の方が大きいことが分かります。

所定外労働時間を見ると、-1.8%(前年同月比)と徐々に残業時間が減少してきています。

実質賃金指数・労働時間指数(季節調整済)

出所:SPEEDAをもとに筆者作成

6月の毎月勤労統計調査の市場予想は+0.4%(前年同月比)

今回、6月毎月勤労統計調査の1人当たりの現金給与総額の市場予想は、+0.4%(前年同月比)と、プラスに回復すると市場関係者は予想しています。

1人当たりの現金給与総額が市場予想を上回るかを確認すると同時に、所定外労働時間の減少が続くかも必ずチェックし、国内景気の悪化見通しから株価の上値が重くなるかどうか、ご自分の景気判断に役立てていきましょう。

【参考情報】毎月勤労統計調査の基礎知識

そもそも毎月勤労統計調査とは

毎月勤労統計調査は、全国の事務所の雇用・給与・労働時間等について毎月調査したものを、厚生労働省が翌々月上旬に速報を、翌々月末に確報を公表します。母集団は、従業員5人以上の約190万事業所が対象となり、サンプル数は約33,000事業所となります。

現金給与総額とは、労働の対価として支払う全てのものが対象となります。具体的には、賃金、給与、手当て、賞与などが挙げられます。総実労働時間は、就業規則等で定められた所定労働時間と、所定外労働時間(超過労働時間・残業代)が計上されます。

これらの基礎データをもとに、現金給与総額、所定内給与、所定外給与、総実労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間等が公表されます。また、各統計は指数化もされ、実質賃金指数や、労働時間指数等も公表されます。

報道ベースでは、単月の数字のみ報道されますが、指数化されたデータをグラフにして確認した方が、景気の先行き見通しを立てる際に役立つかと思いますので、時間のある方は、ぜひ活用してみてください。

※元データの確認は、厚生労働省のウェブサイトをご参照ください。

岡野 辰太郎

1976年生。大学在学中、マイクロソフトのインターンシップへ参加。
横浜国立大学大学院卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の投資ストラテジストとして、リサーチ業務に従事。
同社退社後、Webサービスの開発・運営を行う株式会社アーブを設立。モノづくりのクラウドファンディング「SpotLight(スポットライト)」を運営中。