株式市場の振り返り-前場にやや粗い値動きの中、3日ぶりの反発で終える

2016年8月19日(金)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+0.4%の上昇、TOPIXも+0.4%の上昇で引けています。ともに3日ぶりの反発でした。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も+0.4%上昇して3日ぶりの反発となりました。

日経平均株価は、前日比+72円高で寄り付いた後、前場はやや粗い値動きになりました。前場の半ばには+127円高まで上昇するものの、その直後から売りが優勢となり、前場の引け前には一時▲33円安となる場面がありました。後場はやや盛り返して16,550円を挟んだ攻防となり、大引けは+59円高の16,545円で終わっています。

東証1部で上昇したのは982銘柄、値下がり826銘柄、変わらず165銘柄でした。東証1部の出来高は17億5,299万株、売買代金は2兆1億円(概算)となっています。売買代金は辛うじて2兆円を維持しましたが、盛り上がりに欠けた商いとなりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中19業種が上昇、原油価格関連セクターへ買い

東証1部で上昇したのは19業種、下落したのは14業種でした。上昇率の上位には、鉱業など原油価格上昇に関連した業種、資源関連業種などが目立ちました。他方、下落した業種には、内需関連やディフェンシブ業種が多くなっています。

個別銘柄では、ホンダ(7267)やトヨタ自動車(7203)などの自動車株が大幅上昇となり、オークマ(6103)やDMG森精機(6141)などの機械株も大きく値を上げたものが目立ちました。電機株では、富士通(6702)が値を飛ばし、アドバンテスト(6857)も大幅上昇となりました。一方、任天堂(7974)が大きく値を下げ、ファミリーマート(8028)やニトリホールディングス(9843)などの小売株も大幅下落しています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は3日ぶりの反発、材料不足だが出来高は徐々に増加

東証マザーズ総合指数も、日経平均株価と同じような動きになりました。取引時間中に前日比マイナスに転じる場面がありましたが、最後は小幅上昇で終わり、3日ぶりの反発となっています。出来高は7,982万株、売買代金は657億円でした。いずれも前日をやや下回る結果でしたが、出来高は8月前半に続いた3,500万株前後の水準からはかなり回復してきました。今後の資金流入の潮目になるかどうか、大いに注目できましょう。なお、騰落状況は、値上がり107銘柄、値下がりは93銘柄、変わらず21銘柄でした。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)は小幅高となりましたが、その他の医療バイオ関連銘柄は高安まちまちとなり、大きな動きはなかったと見られます。また、米国投資情報会社の売り推奨レポートが公表されて以降、株価下落が続くCYBERDYNE(7779)はまだ下げ止まる気配が見られず、終値は4日続落となっています。全体的には、極端に大きく上げた銘柄もなく、また、大きく下げた銘柄もない、新興市場らしからぬ静かな値動きに終始したと言えましょう。

本日(8月22日)の注目点-名実ともにお盆休み明け、週末イベントを睨んだ動きも加速

19日は材料不足の中でも、前場はそれなりに粗い値動きが見られました。短期筋は、材料不足の時だからこそ、揺さ振りを掛けてきます。名実ともにお盆休みが終わる22日(月)も、週末26日に行われるジャクソンホール会議を睨んだ粗い値動きが起きる可能性があります。相場が急騰したり急落したりしても、すぐに追い駆けることなく、腰を据えて様子見するスタンスが望まれます。

もう一つ相場の攪乱要因になるのが、日銀のETF買い増しへの思惑です。日銀がETF購入額を6兆円に引き上げることは公表済みですが、その購入タイミングに対する思惑で、後場に入ってから株価が大きく動くケースが散見されます。特に、大型株にその傾向が見られます。こちらも引き続き要注意ですが、極端な下落が続くようならコツコツと拾うのも選択肢です。

新興株式市場は、少し潮目を迎えつつあるかもしれません。依然として低水準とはいえ、出来高は徐々に増加しており、市場にエネルギーは蓄えられつつあります。しかし、本格的な資金流入の動きが見えるまでは、大胆な行動をとる必要は全くないと考えられます。

青山 諭志