感動に包まれたリオ五輪が閉幕

感動のリオデジャネイロ夏季五輪大会(リオ五輪)が閉幕しました。思い返せば、リオ五輪は2016年に入ってからも開催が危ぶまれていました。その背景には、ブラジルの深刻な経済悪化に伴う財政難により、建設工事など準備が遅れたことが挙げられます。五輪開催が近年にない危機となったのは事実だと思いますが、最後は何とか開催されたというのが実情です。

こうした開催までの経緯はともかく、リオ五輪は多くの人々の記憶に永遠に残るでしょう。次回、2020年の東京五輪も、リオ五輪以上に人々の記憶に残る大会になってほしいと願うばかりです。

2020年は東京大会。さて、その次の開催地は?

ところで、東京五輪の次、2024年の開催地をご存知でしょうか? まだ決定していないので、知らなくて当然です。2024年夏季五輪大会の開催地は、2017年9月のIOC総会で決定される予定になっています。

現在、最終候補都市に残っているのは、パリ(フランス)、ローマ(イタリア)、ブダペスト(ハンガリー)、ロサンゼルス(米国)の4都市です。既に始まっている招致合戦は、これから1年間、熾烈を極めるものと予想されます。まさしく、2012~2013年に日本が行ったのと同じように、国を挙げての招致合戦となるでしょう。

重要選考基準である地域性は、既に2巡目、3巡目に入っている

五輪開催地の選定基準で重視されるのは、地域性と開催能力と言われています。まず、地域性で見ると、2016年のリオ(南米)、2020年の東京(アジア)の次になりますから、欧州と北米は選考基準をクリアします。特に、北米では1996年を最後に開催されていません。

“またロサンゼルス? 3回目でしょう!”という意見が出るかもしれませんが、2012年のロンドン大会は3回目でしたので、特に大きな障害にはならないと考えられます。ちなみに、パリも既に2回開催しており、ローマも1960年に開催しています。そうすると、“新鮮さ”という観点ではブダペストが有利と言えそうです。

五輪の開催能力が最大の選考基準に

しかし、近年は開催能力がより重要視される傾向にあります。五輪開催は大きな経済効果をもたらす一方で、莫大な準備費用・運営コストがかかるのも事実です。また、昨今の治安情勢悪化に鑑み、安全性も非常に重視されています。つまり、その国の財政状況と治安管理能力が大きな選考基準になると見られます。

こうした様々な点、とりわけ、財政状況を考慮すると、ブタペストは不利と考えられます。IOCも、今回のリオ五輪開催が危ぶまれたことで、新興国での開催は二の足を踏む可能性があります。また、財政問題から2020年大会の立候補を断念した経緯のあるローマも、銀行経営の懸念が顕在化する中では、不利と言えるでしょう。

パリの懸案事項は相次ぐテロ事件による治安悪化であり、今現在も非常事態宣言が敷かれているのはご承知の通りです。また、イタリアほどではないにせよ、フランスも財政問題を抱えています。

消去法では3回目のロサンゼルスか?

こうして消去法で考えていくと、実はロサンゼルスが有力ではないかと報じられています。もちろん、米国も財政問題を抱えていますし、昨今はテロ事件も起きていますから、圧倒的に有利と言える状況ではありません。筆者の予想では、ロサンゼルスが一歩リードした形で、これから各国の招致合戦がヒートアップしていくのではないでしょうか。

最高のスポーツの祭典である五輪のもう一つの顔

さて、この2024年の開催地決定には、日本の産業界も熱い視線を注いでいます。オリンピックは、世界最高のスポーツの祭典であるのと同時に、世界中へ新技術や新たなコンセプトを披露できる格好のコンベンションの場でもあるのです。その裏では、各国の産業界もまた、熾烈なアピール競争を展開しています。

筆者の勝手な推測ですが、日本の産業界はロサンゼルスを望んでいるのではないでしょうか。特に、米国西海岸で事業基盤のある自動車や機械などの資本財産業は、その意向が強いかもしれません。

仮に、パリなどの欧州都市で開催する場合、広告1つ取るにしても、欧米企業のみならず、中国など新興国企業との激しい競争が待ち受けています。しかし、日本企業が、欧州企業や新興国企業よりもその高いプレゼンスで一歩リードしている米国ならば、有利な点は少なくないと考えられます。

1年後に出される結論を、こうした視点から見てみることも、興味を増幅させると言えましょう。開催地決定が楽しみです。

 

LIMO編集部