イエレンFRB議長が年内利上げに意欲表明。日経平均は一段上を目指すか

【株式テクニカル分析】2016年8月27日

イエレン議長の講演を受け、ドルが急騰

2016年8月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より195円24銭安の16,360円71銭となりました。前日、欧米の主要株式相場で株価が下落した流れを受けて、幅広い銘柄が売られる展開となりました。

また、米国連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が26日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれているカンザスシティー地区連銀で講演を行う予定になっていたことから、その内容を見極めたいという投資家が多く、全般的に小動きな1週間でした。

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その講演でイエレン議長は、「米国の経済情勢が改善していることから、追加利上げの条件が整ってきた」と発言しました。具体的な時期については言及しなかったものの、早ければ9月20・21日に開かれる次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げを行う可能性も出てきました。フィッシャーFRB副議長も、9月を含む年2回の利上げの可能性を肯定しています。

これらの発言を受けて、ニューヨーク外国為替市場では主要な通貨に対してドルが買われる動きとなりました。円に対しても、講演直前には1ドル=100円10銭~20銭台でしたが、講演後には一時、1ドル=101円90銭台まで上昇、101円60銭台で引けました。

今後の展開はどうなるでしょうか。為替相場については、急速に円売り・ドル買いが進んだことから、ひとまず100円割れの可能性は遠のきました。企業業績の下振れ懸念が後退し、輸出関連株の買い戻しなどが期待されます。

日本の株式市場が米国の利上げ観測やそれにともなう為替相場に左右される動きが続いています。9月2日には、8月分の米雇用統計が発表されます。ここで強い数字が示されれば、年内の追加利上げの可能性がさらに高まるため、注目したいところです。

ただし、その結果が出るのは日本市場の大引け後の夜です。また、翌週初の5日は、米国はレイバー・デーで祝日です。商いが薄くなり、急な値動きが生じることもあるので注意が必要です。

小幅な下落ながら、75日移動平均線にサポートされる

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。全般的に小幅な値動きとなりました。

26日には陰線となりましたが、これは、イエレン議長の講演を控えた手じまいと考えられます。値下げ幅も前日比195円程度です。

また、下値は75日移動平均線でサポートされています。また、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上へ抜けるゴールデンクロスは維持されたままです。

円安傾向を背景に、日経平均は一段上に向かう動きか

来週の動きはどうなるでしょうか。チャートの動きは引き続き堅調と言えます。7月8日の安値(15,106円)と8月4日の安値(15,921円)を結ぶトレンドラインが形成され、75日移動平均線と重なっています。

今週末の円安傾向を背景に、一段上に向かう動きになりそうです。反発後の上値めどとしては、目先の節目となる17,000円、5月31日の高値(17,251円)、4月25日の高値(17,613円)などになります。

週足の動きを見ると、すでに2015年12月1日の高値(20,012円)と4月22日の高値(17,572円)を結ぶ直近の下降トレンドラインを上抜けています。さらに、2015年6月24日の高値(20,952円)と12月1日の高値(20,012円)を結ぶ大きな下降トレンドラインを上抜けるようであれば、本格的なトレンド転換になるでしょう。そのためにまずは、4月25日の高値(17,613円)を超えることが目標になります。

逆に、週足では16,000円付近で直近のトレンドラインと重なることから、ここを下回ると目線は下になりますが、1ドル=100円を割るような展開が続かない限り、当面、下値は堅いと考えていいのではないでしょうか。

下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。