シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「松屋」他を運営する松屋フーズHD(9887)の2020年9月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。

直近の月次実績

2020年10月1日に更新された、松屋フーズHDの速報ベースの2020年9月既存店売上高は、対前年同月比85.1%。内訳は客数79.3%、客単価107.3%であり、客数のマイナスを客単価のプラスでカバーできずにマイナス成長となりました。

また全店売上高も86.9%であり、既存店・全店ともに80%台半ばのマイナス成長となりました。

今期の既存店売上高の振り返り

では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は3月決算)。

既存店売上高について、前期は新型コロナウイルス問題が本格化した3月(94.8%)を除き全ての月でプラス成長を果たしました。

しかし今期は対前年同月比で4月77.8%、5月77.8%、6月83.3%、7月88.4%、8月87.6%、9月85.1%と推移。新型コロナウイルス問題の影響を受けマイナス成長が継続中です。7月までは着実にマイナス幅は縮小していましたが、8月と9月は若干ながらマイナス幅が拡大しています。

また全店売上高も前期は3月(95.9%)以外は全ての月がプラス成長となった後、今期は4月78.5%、5月78.8%、6月84.8%、7月90.1%、8月89.2%、9月86.9%と、既存店同様の推移を見せています。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向を見ていきましょう。

同社の株価は2019年7月から上昇が続き、2020年1月には5,130円の高値に到達しました。しかし反落し2月後半からの世界的な株価下落を背景に、3月13日には3,025円の安値を付けています。その後は反発し、5月に4,000円台を回復したものの再び下落に転じ、現在は3,500~3,600円前後での取引が継続中です。

緊急事態宣言の全面解除後はマイナス成長の改善が続いたものの、既存店・全店売上高ともに7月が改善のピークとなり、8月以降はマイナス幅が若干拡大しています。今後、売上高の改善を進めることができるのか注目されます。

松屋フーズホールディングスの過去1年の株価推移

参考資料:月次報告2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)

LIMO編集部