2020年10月7日に行われた、イオンフィナンシャルサービス株式会社2021年2月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:イオンフィナンシャルサービス株式会社 取締役 鈴木一嘉 氏

連結・セグメント業績

鈴木一嘉氏:本日はお忙しい中、弊社2021年2月期第2四半期決算電話説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。経営企画担当の鈴木でございます。何卒よろしくお願いいたします。

本日は私から決算概要についてご説明します。はじめに連結・セグメント業績、次いで連結・エリア別の業容、最後に今期の主な取組み内容についてお伝えします。 それでは3ページ目のスライドの連結・セグメント業績をご覧ください。業績概要は図表上段のとおりです。

国内事業では、カードショッピング収益やキャッシング収益が減少した一方で、今期連結子会社化したイオン・アリアンツ生命保険の収益を、当第4四半期より損益計算書に取り込んだ影響があります。さらに売上好調なイオングループの食品スーパーを中心に、「WAON」の取扱高が拡大化したことによる手数料収益の増加から、営業収益はわずかながら増収となりました。

なお、販売促進費の抑制や、昨年下期よりWeb明細に移行したイオンカードのご請求明細書の郵送費、および印刷費の削減などコストコントロールに努めた一方、先日の保険会社連結化にともなう費用影響や、債権流動化益の減少、貸倒関連費用の増加などにより、営業利益は前年同期比で49パーセントとなりました。

国際事業では、人件費や販売促進費などの費用圧縮を行いましたが、各エリアにおいてトップラインが弱含んだことに加えて、返済猶予債権も含む、将来的なリスクに備えた保守的な引当対応により、貸倒関連費用が増加しました。この結果、営業利益は前年同期比で9パーセントとなっています。

連結・セグメント業績ー会社計画に対する業績進捗

4ページ目のスライドです。このスライドは、当社が表明している業績予想に付随する計画に対して、上期の業績がどこまで進捗しているのかについてのご説明です。

スライド左側は、当社の業績予想におけるベースシナリオとリスクシナリオの前提および、その前提に対する上期の実績ですが、その解離要因を記載しています。

上期の外部環境を振り返ると、展開各国での活動制限は一部の国を除き、当社の想定より早期に緩和されたほか、各国政府からは企業や個人に対する給付金の支給など、支援策が打ち出されました。

これにより、経済活動の再開にともなう取扱高の回復や、返済猶予債権を含む既存債権の回収状況が想定よりも良好に推移したことで、右側のグラフのとおり上期業績はベースシナリオを上回る着地となっています。

下期については、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化や支援策の終了など景気の悪化懸念が拭えない中、外部環境の動向に目を配り、慎重にリスクコントロールをしながら、トップラインの回復に努めていきます。

また、コスト構造の改善を進め、利益を上向ける取組みを進めていきます。

連結・セグメント業績ー国内・国際事業の四半期業績比較

5ページ目のスライドは、国内事業と国際事業、連結の各業績を第1四半期と第2四半期で比較したものです。

国内事業の第2四半期は、第1四半期に比べて期間全般にわたり新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、保険会社の連結影響を除くと、クレジットカードなどの取扱高、残高の減少にともなう減収に加え、将来リスクに備えた貸倒費用の追加繰入によって、営業利益は減益となりました。

国際事業の第2四半期は、第1四半期比で営業減収となりましたが、返済猶予債権の回収が進んだことや、既存債権の延滞および貸倒の発生が想定よりも低位に推移したことで、貸倒関連費用が大幅に抑制され、営業利益を押し下げる結果となりました。

連結・エリア別業績ー返済猶予措置の状況(国際)

6ページ目のスライドでは、国際実績における返済猶予措置の状況についてご説明します。ページ左側に記載のとおり、展開各国においては当局要請や自主対応による返済猶予措置を取っています。

中国やラオスのように、新型コロナウイルス感染症の影響が早期に終息した地域もある一方で、フィリピンではいったん終了した返済猶予措置が再開されるなど、終息時期がいまだに見通せない地域もあります。

ページ右側では返済猶予債権の回収状況を記載していますが、返済猶予債権の件数では展開国の中でも事業規模が大きく、返済猶予措置が自動適用となったマレーシアの件数が突出していました。

6月の請求再開以降は営業部門などから回収部門への応援人員も加わり、お客さまの返済交渉に注力した結果、8月末時点においては返済猶予件数のうち92パーセントが全額返済、もしくは再分割契約締結による完済見通しとなっており、9月末時点での比率は92パーセントまで拡大しています。

なお、タイにおいてはお客さまの救済措置の一環として、8月1日よりクレジットカードやパーソナルローンなどの上限金利が引き下げられたほか、月収3万バーツの方を対象に期間限定での与信枠の引き上げ措置が開始されています。

タイ現地法人においては、支払い余力のある方に対する与信枠の拡大対応を行うなど、取扱高の拡大に取組んでいます。

連結・セグメント業績ー営業債権内容の推移(国際)

7ページ目のスライドでは、国際事業のエリア別における営業債権残高と債権支出の推移についてご説明します。

中華圏ではコロナ禍以前より、米中貿易摩擦や反政府デモ等などの影響により、経済環境の悪化が続く香港において、審査の厳格化と将来予測に基づく貸倒引当金繰入の前倒しの実施を行っており、目立った変化はありません。

一方で、メコン圏およびマレー圏については、第1四半期においてコロナ禍における将来の貸倒リスクを考慮した引当金の繰入対応によって、営業債権残高に対する貸倒費用率が大きく上昇しました。

しかしながら、返済猶予債権の回収が進んだこともあり、第2四半期における追加的な引当金の繰入額が限定的となったことで、前年度以前の水準にまで戻ってきています。

連結・セグメント業績ー連結貸借対照表

8ページ目のスライドは、連結の貸借対照表です。当第2四半期では、国内外においてカードキャッシングや個人ローンの取扱高減少の影響を受けて、営業貸付金が減少した一方で、国内で住宅ローン取扱高が好調に推移したことにより、銀行業における貸出金が2,891億円増加しました。

また貸倒引当金は期首比223億円増加したほか、イオン・アリアンツ生命保険株式会社の連結子会社化にともない、保険業における有価証券が1,000億円増加しています。この結果、資産合計は6兆272億円、期首差2,458億円増となりました。

負債においては、国内にてクレジットカードやデビットカード一体型などの決済用資金としての普通預金や、運用目的の外貨預金など銀行業における預金残高が1,480億円増加しています。

また、先ほど申しました保険子会社に関連して、保険契約準備金が1,158億円増加するなど、負債合計は5兆5,771億円、期首差2,548億円増となりました。これらの結果、純資産は4,501億円、期首差89億円減となりました。

連結・エリア別業容

9ページ目のスライドでは、連結およびエリア別業容についてご説明します。国内、国際ともに新型コロナウイルス感染症による行動制限や営業自粛などの影響により、各種商品の取扱高前年同期比や債券残高期首増減は軒並み減少しました。

一方で第2四半期以降からの経済活動の再開にともない、カードショッピングや個品割賦などの物販系商品の取扱高が回復傾向で推移しています。国内においては、特に住宅ローンの取扱高が好調であり、こちらは後ほどもご説明したいと思います。

なお国内事業に関しては、前期における決算期変更にともない前年同期が4月から9月となり、今期と1ヶ月ほどの差異が生じているため、比較のために前年の3月から8月の6ヶ月間と比較した前年同期間比を提示しています。

連結・エリア別業容ー国内クレジットカード取扱高動向

10ページ目のスライドでは、国内のクレジットカード取扱高の状況をお伝えします。グラフはカードショッピングとキャッシング取扱高の前年同月比での増減率を示したものです。

ショッピングについては5月後半から4月前半にかけて、外出自粛の緩和によって取扱高の復調が見られました。しかしその後、感染再拡大を受けた東京を中心とする一部エリアでの外出自粛や前年度における消費増税駆込み需要に合わせて実施した当社の販促施策の効果によって、前年度が強い伸び率であったこともあり、前年同月比を下回って推移しました。

キャッシングについては、巣篭もり、外出自粛による消費の収縮に加えて、政府の特別定額給付金支給の影響などによる借入需要の減少を受けて、取扱高は減少しています。

連結・エリア別業容ーイオン銀行住宅ローンの取扱い状況

11ページ目のスライドは、イオン銀行住宅ローンの取扱い状況です。イオン銀行の住宅ローンは3月度に月間取扱高としては過去最高額を記録したあと、一部店舗の休業影響のあった4月度の申込件数の減少から、5月度の取扱高は前年同月度を下回りましたが、そのあとは順調に伸び率が拡大しています。

相談、申込み受付状況の特徴としては、店舗休業や外出自粛の影響が強かった4月から5月を含む第1四半期においては、事前審査受付件数は前年並みとなるも、Webでの申込比率は10ポイント増加しています。

第2四半期に入り外出自粛が緩和されると、事前審査承認後の相談や正式審査申込のためのライセンスが増加したことで、リアルとネットとの両チャネルで、お客さまの相談、申込需要を取り込めています。

好調の背景としては、コロナ禍の外出自粛を受けて、住宅購入やローンの借り換えを検討する時間が持てたことや、テレワークの普及が進んだことによる借り換えニーズが考えられます。

また下期においては、 住宅ローン債権に紐付く合同運用指定金銭信託商品の取扱いを開始する予定であり、お客さまの借入ニーズと、一方で運用ニーズのマッチングを図っていきたいと思っています。

主な取組み内容ーコンサルティング営業の強化(国内事業)

今年度における主な取組み内容についてご説明します。13ページをご覧ください。国内事業においては、コロナ禍におけるソーシャルディスタンス、あるいは非対面、非接触のニーズの高まりに対応し、お客さまのご相談、お申し込みに対応できるチャネルを整備しました。

店頭窓口ではお客さまの安全確保を最優先し、安心安全にサービスをご利用いただけるよう防疫対策を行っています。

イオン銀行では、お客さまが事前にご来店の予約が可能なオンライン予約システムを活用したほか、テレビ窓口の設置台数を2019年8月末の50台から本年8月には倍近くの97台にまで増設しました。

イオン保険サービスにおいても8月より「イオンのオンラインほけん相談」を開始し、お客さまにはご自宅などから保険相談をしていただくことが可能となりました。

主な取組み内容ー国内事業

14ページ目のスライドです。本年2月に発行を開始した「住友不動産ショッピングシティイオンカード」はWebを中心に会員募集をしていましたが、6月中旬から商業施設の本格営業が開始されたことにともない、店頭においても会員獲得数を伸ばしており、首都圏における顧客基盤の拡大につながっています。

またイオングループが一丸となって取組んでいるタッチ決済は、当社発行カードのうち、8月末時点で678万枚にVISAタッチレス決済機能が付帯され、全国のイオングループ店舗の10万台のレジでご利用できます。

また今月よりマスターカードならびにJCBブランドについてもタッチレス決済機能搭載カードの発行を開始しています。新規、更新合わせて今年度中にもタッチレス決済機能付カードの1,000万枚発行を目指しています。

次に下期の取組みです。イオン銀行においては「オンライン相談サービス」を全店で開始しています。住宅ローンや各種ローン、資産形成サービスなどお客さまが時間や場所にとらわれずご相談いただけることで、より一層気軽で身近な相談となるべく取組みを進化させていきます。

また昨今、スマホ決済など多様な決済サービスの展開が相次いでいますが、利便性やセキュリティー面においてクレジットカードの優位性が見直されているところです。

新しい生活様式、デジタル化が進む中においても、お客さまの生活を応援するカードとして、当社グループはイオンカードをより一層進化させていきたいと考えています。

この一環として、本年イオンカードの発行開始から20周年を迎えますが、これを記念したキャンペーンを予定しています。詳細は今後のリリースにてお知らせしますが、サブスクリプションサービスとの連携などを計画しています。こうした取組みを通じて、より一層のイオンカード取扱高の拡大を図っていきます。

加えてイオン銀行が総務省によるマイナポイント事業に7月より参画しています。本件を契機として、イオンカード、イオン銀行キャッシュ+デビットの新規会員獲得ならびにマイナカードとの紐付けによるカード利用を促進し、キャッシュレス決済の浸透に努めていきます。

主な取組み内容ー国際事業(タイ)

15ページ目のスライドでは、国際事業の取組みについてお伝えします。国際事業においても新型コロナウイルス感染症を機に、さらに非接触や非対面のニーズが高まっています。

タイにおいては、以前から提携カードを発行している現地有力小売業グループBig Cグループと、7月より月収3万バーツ以上の収入が高めの顧客層を対象とした新たなプラチナカードを発行しました。

同小売グループのECサイトでの割引特典が付帯されており、市場が拡大しているEC需要に対応するとともに、新たなオンラインの顧客層が図れています。

同カードの発行により、Big Cグループの提携をさらに強化していきます。下期には、これらのお客さま層を対象としたデジタル個人ローンのサービス提供など、デジタル化を進めるとともに高架鉄道グループBTSとの提携を強化するなど、外部の有力企業との取組みを進めていきます。

主な取組み内容ー国際事業(マレーシア)

16ページ目のスライドです。マレーシアにおいては、電子マネー即時発行サービスを導入するなど、マレーシア版のイオンウォレットアプリの機能を拡充し、さらなる利便性の向上を図りました。

また従来より現地大手銀行が企画していたイオングループ小売業、マレーシア店舗におけるアクワイアリング業務の受託を開始するなど、イオングループ内のキャッシュレス対応を強化しました。

下期は引き続き経済環境の変化や市場のニーズに合わせた商品、サービスの提供に努めるとともに、e-KYC導入により本人確認を自動化するなど、審査の自動化と電子化を進めていきます。

2020年度の業績予想ー連結業績

最後に17ページ目のスライドで、2020年度の連結業績および配当予想についてご説明します。2021年2月期の連結業績予想について、新型コロナウイルス感染症の影響による業績見通しは不透明であることから、業績予想は電子形式にて開示しています。

本第2四半期において、営業利益は公表予算100億円から200億円に対し途中経過として77億円と順調な進捗を見せていますが、親会社株主に帰属する当期純利益は公表予算50億円から100億円に対し14億円と、やや厳しい状況にあります。

下期の業績回復に全力を尽くすとともに、従来配当水準を早期に回復するべく業績改善に取組んでいきます。

今後とも当社は非対面や非接触による安心安全な金融サービスをお客さまに提供できる体制を確立するとともに、グループを挙げて徹底したデジタル化の取組みを推進し、ビジネスモデルの変革やリモートワークによる働き方改革、人時生産性の改善など、事業の効率化や新たな収益機会の創出に向けたさまざまな課題に取組んでいきます。

引き続き、みなさまのご支援のほどよろしくお願い申し上げます。以上、ご清聴ありがとうございました。

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