マクドナルドの復活はホンモノか? 売上高の気になる点

当面回復感が続きそうだが、正念場は2017年から

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既存店売上は2桁の回復が続く

日本マクドナルドホールディングス(2702)の月次売上トレンドが回復を続けています。

2016年8月単月の全店売上高は対前年同月比+12.1%増、既存店売上高は同+15.9%増と2桁の伸びを示しています。ちなみに、既存店売上高は2016年1-3月期が対前年同期比+26.9%増、4-6月期が同+19.7%増、7月単月は対前年同月比+26.6%増でした。

2014年夏のチキン商品の賞味期限問題と、それに続いた異物混入問題などで急激な客離れに見舞われた同社は、2014年12月期、2015年12月期と2期連続の最終赤字に転落しました。しかし、今年に入ってから回復傾向が続いています。2016年1-6月期は親会社株主に帰属する四半期純利益が約2億円の黒字になり、業績も落ち着き始めています。

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ポケモンGOとオリンピック関連限定商品の相乗効果

8月の回復の背景を考えてみましょう。

筆者も同社の店舗を時々利用していますが、確かにこの夏のマックは以前に比べて混んでいました。ポケモンGO効果で子供や親子連れが大勢いたことが第1の理由です。筆者が住むエリアでは8月中旬以降残暑が厳しく、平日の昼間は子供たちのたまり場のようでした。

ただ、客単価の上昇も年初来継続して寄与しています。特にオリンピック関連の限定セットである「必勝バーガー」は筆者にはおいしく感じられ、行くたびにオーダーしていました。商品戦略も奏功していると言えそうです。

3期ぶりの通期営業黒字が視野に入ってきた

2016年8月9日に発表された2016年12月期の通期業績予想では、3期ぶりの営業黒字(33億円)を予定しています。すでに1-6月期で営業黒字を4,700万円計上していること、7-8月の売上トレンドも好調であることから、通期営業黒字化へ視界が開けてきたと予想されます。

この間、店舗改装、バリューメニューの提供、限定商品の投入、スイーツ強化などを手掛けてきました。筆者もそうした努力を店舗で感じています。消費者からの支持も回復してきたと言えるのではないでしょうか。

既存店売上はどこまで戻っているのか

同社の業績の回復感は、堅調な既存店売上高によって醸成されています。

しかし、気になる点もあります。実は同社の売上高は2014年7月以降2015年7月までの13か月連続で対前年同月比2桁減でした。2016年の1-7月の既存店売上高が2桁増だったとはいえ、実は3年前と比べると回復道半ばというのが実態です(2016年8月も3年前との比較では回復途中です)。

2015年9-12月の売上は対前年同期比でおおむね横ばいでしたので、2016年9-12月の既存店売上高はプラス成長が出やすいと考えられますが、伸び率はひょっとすると減速するかもしれません。

マクドナルドはそろそろ次のブースターが必要です。株式市場も今後は対前年比ではなく、3年前に比べて店舗の実力が回復してくるのか注目をしていくことでしょう。今後の経営手腕に注目したいと思います。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。