株式市場の振り返り-小幅続落となるも、一部の値嵩株に買いが集まる

2016年9月8日(木)の東京株式市場は続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.3%の下落、TOPIXも▲0.3%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲0.4%下落し、9日ぶりの反落となりました。

日経平均株価は、前日比▲28円安で寄り付いた後、前場は狭い価格レンジ内での静かな値動きとなりました。しかし、後場に入って暫くすると様相が一転、一時▲175円安まで急落します。その後は再び切り返しますが、大引けは▲53円安の16,958円で終わりました。4日ぶりに終値で17,000円を割り込んでいます。

東証1部で上昇したのは860銘柄、値下がり923銘柄、変わらず190銘柄でした。東証1部の出来高は16億7,242万株、売買代金は2兆1,925億円(概算)となっています。出来高は前日を大きく下回る低水準でしたが、値嵩株の売買が増えた結果、売買代金は逆に前日を上回る結果となりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-またしても任天堂株が急騰、金融セクターは引き続き弱い

東証1部で上昇したのは12業種、下落したのは21業種でした。上昇率の上位には、その他製造を除くと、輸出関連業種が目立ちました。他方、下落率の大きい業種には、ディフェンシブ業種、素材関連業種が多く見られます。また、前日に続いて金融関連セクターの多くも安く終わりました。

個別銘柄では、何と言っても任天堂(7974)の急騰が最大のトピックでした。一時は+18%超の爆騰となり、終値でも+13%超の上昇となりましたが、日経平均株価の採用銘柄でないことが惜しまれます。また、任天堂と提携するディー・エヌ・エー(2432)も+10%超の急となりました。その他では、コマツ(6301)や日立建機(6305)などの建設機械株の上昇が目立ちました。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの金融株、及び、しまむら(8227)などの小売専門店株が下落しました。さらに、富士重工(7270)など自動車株の一角や、三菱電機(6503)なども値を下げています。

東証マザーズ市場の動き-先週来の上昇疲れが出た総合指数は9日ぶりの反落

東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後は小高く推移しましたが、その後はマイナス圏に沈み、大きな見せ場もなく終わりました。上昇疲れもあったのでしょうか、9日ぶりの反落です。ただ、出来高は4,847万株、売買代金は812億円となり、いずれも前日から大幅減となりました。特に、売買高は厳しい低水準です。なお、騰落状況は、値上がりが111銘柄、値下がりは103銘柄、変わらず9銘柄でした。何となく、新興株式市場のピークが過ぎつつある印象です。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)を始めとする医療バイオ関連銘柄は総崩れとなり、小幅ながら値を下げたものが目立ちました。また、時価総額の大きいCYBERDYNE(7779)とミクシィ(2121)もともに値を下げています。一方、アクセルマーク(3624)が値を飛ばし、ロックオン(3694)も大幅上昇となりました。その他、セレス(3696)やフィンテック グローバル(8789)などが上昇して終わっています。

本日(9月9日)の注目点-まさかまさかのポケモノミクス相場が再来の可能性も

8日の後場は、久しぶりに揺さ振りと見られる仕掛け的な動きが見られました。9日(金)のメジャーSQ通過後も、月後半の金融政策会合を睨んで、同じような粗い値動きが出る可能性があります。引き続き、そうした急激な値動きに付いて行かないように注意して欲しいと思います。

一方で、8日は任天堂が急騰し、同社の売買代金だけで東証1部全体の約17%を占める活況でした。また、これに伴い、一部の値嵩株にも資金がシフトしている兆候が見られます。そうです、7月のポケモノミクス相場の再来を思わせる様相です。まだ7月のようなフィーバーはありませんが、来週開催される東京ゲームショーを控えて、ポケモノミクス相場の第2弾となる可能性は十分あります。引き続きゲーム関連銘柄、任天堂関連銘柄、電子部品など電機セクターに注目したいところです。

逆に、新興市場にとっては逆風が強まる可能性があります。7月のように、大型株全体へ資金が向かうとなれば、当面は苦戦が必至と言えます。1ヶ月もすると「あの8連騰は何だったのか?」ということになり兼ねません。決算発表が近い銘柄も少なくないため、慌てて買い急ぐ必要はないと考えていいでしょう。

青山 諭志