キュレーターから読者に伝えたいポイント

早いもので、2017年3月期も半分が経過し、中間期末まで残りわずかになってきました。日本の上場企業では、上期と期末に年2回の配当を行う企業が多いため、この時期になると新聞の株式市況欄では「権利付き最終日」「権利落ち日」「権利確定日」といった、投資初心者の方にとっては普段あまり馴染みのない言葉が多く見られると思います。

今回は、こうした用語のポイントと株主優待における注意点を、以下の記事からおさらいしてみたいと思います。

2017年3月期決算・中間配当の権利付き最終日は2016年9月30日の金曜日

株の配当を得るためには、権利確定日(通常は決算日と同一日)に株主名簿に登録されている必要があります。また、銀行の場合は預金している期間によって受け取る利息は変動しますが、株の配当金の場合は、権利確定日に株主名簿に登録されていればよいわけで、保有期間は問われません。

つまり、”1日だけの株主”でも配当を得ることができるというわけです。なお、以下に述べるように、株主優待については保有期間について一定の条件が設定されている場合があるため注意が必要です。

次に覚えておきたいことは、株を購入してから株主名簿に登録されるまでには3営業日が必要であるということです。このため、2017年3月期決算企業で中間配当を行う企業であれば、権利確定日である2016年9月30日(金曜日)の3営業日前に当たる9月27日(火曜日)(これを権利付き最終日と呼びます)までに株を買っておく必要があります。

ちなみに、権利確定日の9年30日(金曜日)に株を買っても、株主名簿に載るのはその3営業日後の10月5日(水曜日)になってしまい、中間配当は受け取れませんので、十分に注意しましょう。

以上が中間配当を受け取るための基礎知識です。なお、権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」と言いますが(上記の場合は9月28日、水曜日)、その時の株価がどうなるのかなど、配当に関してより詳しく知りたい場合は、以下の記事を読んで勉強してみてください。

出所:いまさら聞けない! 期末の配当取り、権利落ち後の株価はどうなるのか(投信1)

株主優待の場合はどうなる?

では、株主優待の場合はどうなるのでしょうか。基本的には配当と同じで、権利確定日までに株主名簿に載るために、3営業日前までに株式を購入する必要があります。

たとえば、「柿の種」「ハッピーターン」で有名な亀田製菓(2220)は9月30日を権利確定日とし、100株以上1,000株未満の株主には1,000円相当のお菓子詰め合わせが送られてきます(配送は12月中旬頃)。繰り返しになりますが、9月30日時点で株主名簿に載る必要があるため、実際には3営業日前の9月27日までに株を購入しておかなければいけないことに注意しましょう。

一方、ビスケット、米菓、チョコレートで有名なブルボン(2208)の場合は、もう少し複雑です。同社の優待の権利確定月は9月30日ですが、9月末日に6か月以上継続して株を保有していることが条件となっています。つまり、3月末日および9月末日現在の株主名簿に、両方とも同じ株主番号で2回以上連続して記載されている必要があります。

このため、現時点で株主でない方が9月27日までに同社の株式を購入しても株主優待を受け取ることはできないのです。同社の優待が受け取りたい場合は、来年の3月末までに株主となり、その後、来年の9月末まで継続して保有する必要があります。

ちなみに、同社の優待は、100株以上1,000株未満の株主には1,000円相当の自社商品詰合せ(菓子・飲料等)、1,000株以上5,000株未満の株主には2,500円相当の自社商品詰合せ(菓子・飲料等)、5,000株以上の株主には自社商品詰合せ(菓子・飲料等)および新潟県産コシヒカリ5キロ(計5,000円相当)となっています。

今回は、米どころ新潟で株主優待を実施している2社をご紹介しましたが、身近な企業で、“おいしい”株主優待を行っている企業は結構たくさんあるものです。狙いを定めたら、会社のホームページを覗いて企業研究を行うとともに、株主優待の条件を確認することをお勧めします。

【投信1レポ】コンビニ・スーパーを支える新潟の食品企業は株主優待も“おいしい”

 

LIMO編集部