着実に普及へ向かう自動運転車の関連銘柄は買いか?

NHKスペシャル『自動運転革命』で再認識した自動運転の定義

NHKスペシャル「自動運転革命」が放映される

先週の土曜日(9月17日)に放送されたNHKスペシャル「自動運転革命」をご覧になった方も多いかもしれません。ようやくNHKも取り上げた自動運転は、ここ3~4年、もっと具体的に言うと、2020年の東京五輪開催が決定して以降、株式市場では大きなテーマとして注目されてきました。ただ、昨今は注目度が低下した感が否めません。

既に自動運転は夢物語ではない

前述のNHKスペシャルを見た人の中には、“自動運転の時代はすぐそこまで来ている!”と驚いた方も多かったのではないでしょうか。一方で、“自動運転の実用化にはまだ相当な時間を要するな”と慎重な見方をした人も少なくなかったと思われます。感じ方は人それぞれですが、少なくとも、自動運転が夢物語や空想話ではなくなってきていることは確かだと言えそうです。

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自動運転はその定義を理解することが重要

NHKスペシャルの内容の良し悪しについては触れませんが、あの番組を見て再認識させられたことの1つは自動運転の定義です。一般の人が「自動運転」という言葉を聞くと、運転手は何もせずに鼻歌を歌いながら座っているだけで、クルマが全てを操縦するイメージを持つと思われます。まさしく、SF映画やアニメに登場するようなシーンです。

しかし、実際には、自動運転はその技術水準により、「レベル1」から「レベル4」まで4段階に区分されています。

「レベル1」は加速(アクセル)・操舵(ハンドリング)・制動(ブレーキ)のいずれかをシステムが自動的に行う状態で、「レベル2」はそのうち2つが自動化された状態です。「レベル3」は、3つ全てが自動化されていますが、運転手(ドライバー)が乗車して常時監視する必要がある状態。そして、「レベル4」はドライバーが全く関与しない完全自動化の状態です。

普及が進む自動ブレーキ装着のクルマも広義の自動運転車

現在、急速に普及が進んでいる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が装着されたクルマは「レベル1」に該当します。また、最近市販された自動車線変更機能付きのクルマは「レベル2」になります。多くの人が想像するSF映画やアニメに登場するようなシーンは「レベル3」や「レベル4」の段階ですから、夢の世界が現実に近づいているのも確かなようです。

「レベル2」から「レベル3」へのステップが課題

しかし、この「レベル2」から「レベル3」への進化には、まだ相当な時間を要する見込みです。番組を見た多くの人も、“レベル3の壁は高い”と感じたのではないでしょうか。一方で、米国のIT企業であるグーグル社が「レベル4」の試験走行車を市街地でテストしているシーンも放映されており、実現はすぐそこまで来ていると感じた人も少なくないかもしれません。

なお、自動運転車の市場規模の予測には様々な見方があるようですが、20年後の2035年には全世界で3,000万台、つまり、4台に1台が自動運転車になるという見方が紹介されています。おそらく、「レベル3」以上のクルマを指していると思いますが、果たしてどうなるでしょうか。「レベル3」の自動運転車の普及には、税金の問題、保険の問題(事故時の補償等)などクリアしなければならない課題が多いことも事実のようです。

ご参考までに、このNHKスペシャル「自動運転革命」は、9月24日(土)の午前0時10分(23日の深夜)から再放送されます。また、オンデマンド放送でも見ることができます。自動運転の現状を知る良い機会かと思われますので、ご興味がある方は番組を見てみてください。

関連銘柄の多くは高値から半値近くに下落

さて、最後に、株式市場での評価を見ておきましょう。クラリオン(6796)やアイサンテクノロジー(4667)など、いわゆる“自動運転関連銘柄”の多くは、東京モーターショー開催後の2015年末前後に株価が高騰して高値を付けました。

しかし、その後は投資テーマの対象外となったのか、現時点ではその高値の50~60%の水準にある銘柄が多いようです。中には半値以下に下落したものもあります。ただ、自動運転は決して夢物語でない可能性は高いと考えられます。こうした自動運転関連銘柄に投資する場合は、コツコツと少しずつ買っていく方法がベストと言えそうです。

クラリオンの過去2年間の株価推移

アイサンテクノロジーの過去2年間の株価推移

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。