【投資戦略】円高ニューノーマルで魅力的な投資テーマとは

日本銀行や米国FRBにおけるFOMCでの金融政策の発表を受け、2016年9月23日の株式市場の動きはどうだったのでしょうか。日銀による発表内容が理解しにくい!という声もある中、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)の編集委員長である泉田良輔氏とLongineで化学セクターアナリストである石原耕一氏とともに投信1編集部が株式市場の反応を見ながら今後の投資戦略について考えます。

日米金融政策発表後の株式市場の反応

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―――9月23日の日本の株式市場の振り返りをお願いします。

泉田良輔Longine編集委員長(以下、泉田):23日は銀行、証券といった金融株、また不動産株が売られる展開となりました。また、円高を嫌気して電機や自動車といった輸出関連株も売られています。日銀の発表からわずか1日ですが、為替レートの変動も含めて株式市場へのインパクトは希薄だったといえます。

―――株式市場で特徴的な動きはありますか。

泉田:一部の鉄道や通信株といった内需関連株へのセクターアロケーションが見られます。1ドル100円といった為替水準が今後も継続する、もしくはさらに円高になるというシナリオをもつ投資家であれば内需関連株へシフトしたいといったところでしょうか。10月にはJR九州の上場も予定されています(※)。しばらくは内需関連株をポートフォリオの中でどのような位置づけにしておくべきかというのを多くの投資家が検討することになるのでしょう。

※投信1編集部より:JR九州のIPO・株主優待制度についてさらに詳しく知りたい方は以下をご参照ください。

>>JR九州が上場!IPO株を入手して株主優待でお得に旅行する方法

>>JR九州が上場(IPO)決定!-株価、事業、幹事証券まで徹底解説

―――さらに円高が進むのでしょうか。

泉田:必ずしもそうとは言えません。今後米国が(これまで利上げをにおわせるだけにとどまっていますが)実際に利上げに踏み切ればあらためて円安に振れる可能性もあります。米国が利上げを迫られている状況には変わりがないので、米国利上げ後の世界を想像しておく必要は必ずあります。

―――米国株式市場の反応はいかがでしょうか。

泉田:米国株式市場も落ち着いたものでした。米国もセクターごとに見ると、小売り、ヘルスケア、通信株といった内需関連株が好感された展開となりました。日本株と似たような動きをした点は興味深いです。ただし、好感されたといっても値動きは静かなものです。

―――今後の相場展開やその中での戦略についてはどのように考えればよいでしょうか。

泉田:日米両国の中央銀行の金融政策発表後、ここまで述べたようにあらためて内需関連に資金がシフトしている印象があります。投資家が一様に同じ流れに行っているときほど後々危険です。足元の状況を見て、米国が利上げフェーズに入ってきた際に、円安恩恵銘柄や景気敏感銘柄をどのタイミングで買えるのかを事前にシミュレーションしておくべきかなと考えています。コマツ(6301)の株価を見るとやはりそうしたシナリオも気になってきます。

円高ニューノーマル下の投資テーマ

―――円高ニューノーマル下で考えた際に当面はどのようなことに気を付ければよいでしょうか。

石原耕一アナリスト(以下、石原):10月末から11月中旬にかけて発表される第2四半期(7~9月)の決算発表では、円高による業績悪化が改めて認識されるリスクがあります。短期的には決算イベントには注意をしたいところです。

―――どういった銘柄が投資妙味があるのでしょうか。

石原:(1)原油は急激には上昇しない、(2)1ドル100円前後が続く、という2つの前提にもとづけば、化学セクターでいえば、国内の化学企業という選択肢は検討してみる価値があるでしょう。私は内需を取り込める銘柄に注目しています。

―――他には注目すべきテーマはいかがでしょうか。

石原:リチウムイオン電池関連の銘柄には注目しています。ただし、先ほども述べたように円高の影響は避けられないので、業績悪化が織り込むのを待っても投資タイミングとしては遅くはないと思います。

―――本日はありがとうございました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。円高ニューノーマルをメインシナリオに置きつつも、米国利上げ後の円安、景気敏感銘柄で魅力的な銘柄も選択肢に入れて資産運用をしていきたいものです。

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。