日銀のTOPIX連動型ETF買入れ拡大-知っておきたい「指数」の話

日経平均、TOPIX、JPX日経インデックス400ってどう違うの?

日銀が10月からTOPIX連動型ETFの買い入れを拡大

日銀は2016年9月21日に行われた金融政策決定会合で、「ETFの銘柄別の買入限度にかかる見直しについて」として、上場投資信託(ETF)の買い入れ方法を10月から変更すると発表しました。

従来は日経平均株価に連動するETFを全体のほぼ半分買い入れていました。今後は、年間買い入れ額5.7兆円のうち3兆円については従来どおり3指数(日経平均型、TOPIX型、JPX日経400型)に連動するETFの時価総額におおむね比例するよう買い入れながら、残りの2.7兆円についてはTOPIXに連動するETFを対象に買い入れることを決めました。TOPIX型の買い入れが全体の3分の2程度に拡大することになります。

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見直しの背景には、日経平均型への偏りを是正する狙いがあると思われます。後ほど説明しますが、日経平均は「日経225」とも呼ばれるように、構成銘柄数は225銘柄です。一方、TOPIXの構成銘柄数は1982銘柄(10月7日時点)です。

日経平均に採用される銘柄はいわゆる大型株が多いことから、日経平均をTOPIXで除したNT倍率も高くなっており、市場の実情と懸け離れているとの指摘もありました。

日経平均は「株価」、TOPIXは「時価総額」に着目する指数

ところで、今回の見直しにあたり「日経平均」、「TOPIX」、「JPX日経インデックス400」の3つの指数について知っておきたいところです。ここでおさらいしておきましょう。

まず「日経平均(日経平均株価)」は、東京証券取引所第一部に上場する225銘柄を選定し、その株価を使って算出する株価平均型の指数です。銘柄数が225であることから「日経225(Nikkei 225)」とも呼ばれます。

日経平均はその名のとおり、日本経済新聞社が算出しています。算出方法は、大まかに言えば、225銘柄の株価の合計を225で割ればいいわけですが、実際には、かつての額面の違いや株式分割による影響などを考慮した「みなし額面」や特別な「除数」を用いて計算します。

「TOPIX(東証株価指数)」は、東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数です。1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものです。東京証券取引所が算出します。

つまり、日経平均とTOPIXの大きな違いはまず銘柄数、さらに、日経平均が「株価」を算出のベースにしていることに対して、TOPIXが「時価総額」を算出のベースにしていることです。

「投資家にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄に選ぶJPX日経インデックス400

日経平均、TOPIXの名前は聞いたことがあっても、「JPX日経インデックス400」を初めて知ったという人がいるかもしれません。

実はJPX日経インデックス400の算出が始まったのは2014年1月です。日経平均(1950年9月から算出を開始)、TOPIX(同1969年7月から)と比べると歴史は浅いですね。

ただし、JPX日経インデックス400は日経平均やTOPIXとは異なる、「投資家にとって投資魅力の高い会社」で構成するという独自の銘柄選定の観点が注目されています。

JPX日経インデックス400の対象銘柄は、東証上場銘柄のすべて(市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ)です。指数を構成する銘柄は400銘柄で、選定にあたっては、上場後3年未満や過去3期の債務超過・赤字の企業は除くといったスクリーニング、3年間の平均株主資本利益率(ROE)や累積営業利益などの定量的なスコアリング、さらには独立した社外取締役の選任やIFRS(国際財務報告基準)の採用といったガバナンスなどまで基準にしています。

ROEやガバナンスなど、海外投資家が重視する内容を銘柄選定基準とすることで、海外投資家のニーズにも応えるものと言えます。

なお、JPX日経インデックス400は、東京証券取引所、日本経済新聞社が共同で開発したものです。いわばライバル同士の両社が手を組んでいるのも特色です。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もベンチマーク(運用指標)の一つとして、JPX日経インデックス400を採用しています。JPX日経インデックス400を投資対象やベンチマークとする金融商品も残高を伸ばしているなど、注目に値する指数の一つと言えます。

 

下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。