思い込みで損をする? 人はなぜ短期利益を狙ってしまうのか

今、新興国市場への長期投資を考えるべき理由

今すぐの10万円と1年後の12万円、どっちを取る?

突然ですが次の問題を考えてみてください。

  • 今、無条件で10万円もらえます。しかし、1年待てば12万円もらえます。今10万円もらいますか?それとも1年待って12万円もらいますか?

「今10万円欲しい、1年なんて待てないよ」と思う方も多いのではないでしょうか?

でも少し考えてみてください。今の日本では、銀行の普通預金の金利は0.001%~0.1%程度。つまり、1年待っても10万円の預金にはたった1円~100円の利子しかつかないのです。一方、上の例では、1年待てば2万円の利子が付くことになるので、驚くほど利回りの高い商品ということになります。

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それなのに、我々はどうしても「今、手元に10万円欲しい!」と思ってしまう。これは「Present Bias(現在志向)」とも呼ばれる心理的傾向(バイアス)※です。一般的に、人は現在もしくは近日中に得られる利益を過大評価してしまい、将来の利益を過小評価して傾向がある、というわけです。

※こうした心理的傾向には、以前ご紹介した「損失回避」や「現状維持」といったものもあります。ご興味があれば、『「思い込み」で損していませんか? 新興国市場への投資』をご参照ください。

なぜ短期的な利益を狙ってしまうのか

ただし、今、10万円がどうしても必要な事情がある場合は別です。すぐに10万円手に入れないと、食べるものも食べられないという状況では、当然、今すぐにもらうべきでしょう。また、ビジネスや投資に絶対の自信があり、今10万円手元にあれば1年後には必ず12万円以上に増やせるのに、今その元手の10万円がない、という状況であれば、やはり今10万円もらって投資するのが合理的です。

しかし、多くの人は、上記のような特別な理由がなくても「今10万円欲しい!」と思ってしまうものです。たとえ、それが損であったとしてもです。たとえば上述のように、今10万円もらってしまうことは、1年後にノーリスクで2万円リターンを得られる機会をみすみす逃してしまっているので、相対的に「損」です。

これは投資に関しても言えることです。どうしても早くリターンが欲しいと思うと、短期的な株価変動や為替変動によるキャピタルゲイン(保有している株式や債券を売買することによって得られる売買差益)を狙った短期的な取引に魅力を感じてしまいます。

しかし、これは一種の「賭け」です。それは、誰も特定の株式の短期的な値動きを正確に予測することはできないからです。そのため、キャピタルゲインを狙った短期的な売買では、早く利益を享受できる可能性もありますが、大きなリスクも取ることになります。

新興国への長期投資で得られるリターンは?

一方、長期的な視野を持っていれば、着実に経済成長している国への投資、融資をすることで、短期的な相場の浮き沈みに惑わされずにインカムゲイン(利息や配当金から得られる現金収入)によって資産を増やすことが期待できます。

たとえば、ペルーやカメルーンといった成長市場への投資では、インカムゲインが年利10%を超える商品も出てきています。ペルーやカメルーンは年4%前後の経済成長率を継続的に維持しており、長い目で見ると力強い成長が期待できる国々です。

先進国のようなほぼゼロ成長の国で、短期的な株価変動によるキャピタルゲインを狙うよりも、このような長期にわたって成長が期待できる国に腰を据えて投資することで、少しずつでも着実に、長期間にわたってリターンを得られる可能性が増すと考えられます。

また、世界中の市場に分散投資することで、信用リスクも軽減することができます。もし短期的な利益に目を奪われて、より良い長期的な投資機会を見逃しているのであれば、すこし考え直してみるのも一手かもしれません。

以上、投資型クラウドファンディングを通じて世界のお金の流れを変えるクラウドクレジットでした。

参考文献:
Kahneman, D. (2011). Thinking, fast and slow. New York: Farrar, Straus and Giroux.
International Monetary Fund, World Economic Outlook Databases

 

クラウドクレジット

世界の資金需要者と個人投資家をつなぐ金融プラットフォームをつくるフィンテック企業として2013年1月に設立。
2014年6月から投資型クラウドファンディング・サービス「クラウドクレジット」を提供。当初はラテンアメリカのペルーに投資を行うファンドを提供し、2015年からはフィンランドやスペインをはじめとする欧州諸国の個人向けローンに投資を行う。
2016年はアジア、アフリカ諸国での投融資を開始し、2017年に五大陸で投融資を行うプラットフォームになる予定。