フジテレビ、視聴率低迷なのに親会社の営業利益が2.7倍!?

フジ・メディア・ホールディングス好業績の謎を解く

営業利益+171%増の好業績

フジテレビを傘下に抱えるフジ・メディア・ホールディングスの業績が好調です。

2016年10月31日に発表した決算によると、Q2(4-9月期)累計の売上高は対前年同期比+5%増、営業利益は同+171%増、経常利益は同+117%増となりました。営業利益額は133億円で、水準としても悪くない数値です。

この秋の上場企業決算では、厳しい決算が続いています。そんな中で同社の業績の水準と変化率は誇るべき実績と言えそうです。

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フジテレビの視聴率は苦戦

「フジテレビは視聴率で苦戦していなかったか?」、そうお考えの方も多いでしょう。

確かに視聴率は苦戦をしており、かつての勢いはなくなりました。全日の視聴率は5.7%で対前年同期比▲0.5ポイント低下、ゴールデンでは7.8%で同▲1.2ポイント低下、プライムでは7.8%で同▲1.2ポイント低下となっており(2016年4月4日~10月2日のデータ)、NHKを含めた順位ではいずれの時間帯も5位と低迷しています。

では、なぜ大幅増益が達成できているのか、確認してみましょう。

フジ・メディア・ホールディングスは不動産会社?

2016年4-9月期の営業利益は、前年同期比で+84億円増加し133億円になりました。このうち、放送事業は同+31億円増益していますので、視聴率苦戦の中、大健闘していることがわかります。放送収入は大変厳しい状況でしたが、原価の抑制を強力に進めたことと、放送事業ではない催物事業(トーテム、お台場みんなの夢大陸2016など)を伸ばしたことが奏功しました。

しかし、増益に最大の貢献をしたのは、放送事業や制作事業ではなく都市開発事業の同+49億円の増益です。サンケイビルのビル事業が堅調で、さらに保有資産の売却が進んだことがこの背景にあります。

133億円の営業利益の構成を見ても、都市開発事業が80億円で最大の部門であり、放送事業は35億円、制作事業は10億円を占めるにすぎません。そう、同社のメイン事業は不動産だと見なせるのです。

増益基調を維持できるか

2017年3月期の通期会社計画は売上高が前年比+4%増、営業利益が同+12%増、経常利益が同+6%増となっています。増益は好ましいですが、10-3月に限って考えると対前年同期比で大幅な減益を想定していることになります。

放送事業はマクロ的に見ても視聴者のテレビ離れ、広告主のネット重視などから難しい経営環境が続くと思われ、その中で視聴率をしっかり上げて稼ぐのはなかなか厳しい戦いになります。

一方、都市開発事業はどうしても市況に依存する面が否めません。都市開発事業が好調な時に、いち早く放送事業のてこ入れを進めることが求められます。高い増益率を達成した後こそ、同社の経営手腕が問われることになるでしょう。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。