多くの予想を覆す形で、新しい米国大統領として共和党のドナルド・トランプ氏が誕生しました。2016年11月9日の株式市場はその選挙動向に左右される形となり、トランプ大統領が誕生すれば日本経済にとってマイナスという懸念のもと、為替相場は円高に、株式相場は大幅安となりました。

今回は、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)編集部に、パニックに陥った日本の株式市場で長期投資に最適な銘柄を見つけ出すにはどのような方法が良いのかを聞きました。Longineでは米国を代表する著名投資家のウォーレン・バフェットの長期投資の視点を参考に、日本株をスクリーニングしています。

バフェットとは何者か

ウォーレン・バフェットは、世界的に有名な保険会社バークシャー・ハサウェイの経営者です。と同時に、その保険会社では上場企業をはじめとした企業に巨額の投資を行っています。

また、バフェットは自身の投資アプローチ、いわゆる「バークシャー基準」を同社の年次報告書で惜しげもなく公開しています。バフェットはその投資基準で世界有数の大富豪となったのです。トランプも大富豪ですが、投資の世界でさらに有名なのはバフェットと言えるでしょう。

そのバフェットの投資基準として掲げられているのが、ROEが高いこと、借入金比率が低いこと、利益規模がある程度あること、従業員数が少ないことなどです。

バフェットの投資基準を参考に日本株をスクリーニング

今回は、バフェットの目線を日本株に合うように調整した基準を参考にスクリーニングを実施しています。バフェットは利益の安定性や当期純利益の成長を重視し、以下の点を中心にスクリーニングを実施しています。

  • 時価総額で上位の銘柄をリスト
  • 過去10年間の当期純利益の年平均成長率で順位付け
  • バランスシートの健全性およびROEをチェック
  • 10年間で1回でも当期損失となった銘柄は除外
  • 10年間の実績がない銘柄は除外
  • 決算期を変更し、継続的なデータが取れない銘柄も除外

意外だが高パフォーマンスの銘柄が浮かび上がる

今回はTOPIX組み入れ銘柄の中から時価総額トップ100銘柄をユニバースにして、スクリーニングを実施しました。スクリーニング結果として浮かび上がってきたのは、意外な27銘柄です。海外でバリバリ成長している企業かと思えば、国内で内需をしっかり取り込んできた、かつ、多くの人がよく知る銘柄が多かったことです。

その中でも、2015年にも実施した結果と同様に通信事業者であるKDDIや生活用品のユニ・チャーム(8113)、ヘルスケア関連を扱うシスメックス(6869)といった企業が引き続きランキングに入っているというのは、なかなか想像できないことではないでしょうか。強い企業というのは継続的に強いということが言えます。さらに詳しく銘柄のリストを見てみたいという方は以下のリンクをご参照ください。

>>バフェット目線で探す! 株式市場が次に大暴落したら買い検討したい銘柄(2016年度版)-Longine(ロンジン)

まとめ

トランプ大統領の誕生により、今後は世界の資本市場が大きく動いていくことになりそうです。ただし、本当に強い企業のビジネスモデルは既に確立されているので、外部環境の変化にも強いということもあるでしょう。バフェットはそうしたことを見抜くのに過去の実績を重視します。今回のスクリーニングでもそうした企業がリストに入っています。長期での分析を大事にしたいものです。

LIMO編集部