1年前、全国の多くの小・中学校そして高校で臨時休校という異例の事態になり、3月から5月末までの3カ月間、子どもたちは自学自習をするしかありませんでした。

私立学校を中心に、オンライン形式で子どもたちの学習状況を把握したり、課題を出すなどの対応をする学校もありましたが、全体から見ればごくわずかです。

本来、2020年度は小学校での英語教科化やプログラミング教育など新学習指導要領が本格化し、新しい学校教育が注目されるはずでした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって出鼻をくじかれることに。

前例のない事態で仕方がない面はあるものの、大多数の親は教育改革の遅れを不安視しているようです。

教育改革の遅れを案じる親は多い

今年2月、株式会社イー・ラーニング研究所が「2021年 2020年度教育改革並びに新学年に関する調査」を実施(対象:20代~50代の子どものいる親、250人)。

そこで、「教育改革は新型コロナウイルスによって遅れを取っていると感じているか」と聞いたところ、87%の親が「はい」と答えています。

実際、3カ月間にもおよぶ休校措置は、戦後の公教育制度が始まって以来、初めてのこと。前例のない事態に、家庭や学校ではどう対応すればよいか混乱を極めました。

学校が再開された6月以降、様々な行事の中止や夏休み短縮などの対応が功を奏したのか、筆者の子どもたちが通う小学校では初冬の頃に授業の遅れを取り戻し、例年通りのカリキュラムに追いつきました。つまり、表面上は「全て年度内に学習内容を教えられた」ということになります。