【お得の経済学】株主優待と配当収入でお小遣い稼ぎを手軽にする方法

いよいよ年の瀬が近づいてきました。今回は株式投資で手にすることができる株主優待や配当収入でお小遣い稼ぎができるかについて考えてみたいと思います。株式投資に詳しい個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)編集部に、株式投資の基礎知識や日本の株主優待制度、配当について聞きました。

株主優待と配当を入手するには

――そもそも株式投資で手軽に株主優待や配当などは得られるのでしょうか。

Longine編集部(以下、Longine):株式を購入し、株主になることでそれらを受け取る権利を手にすることができます。ただし、株主優待も配当も「権利確定日」と呼ばれる特定の日に、株主として株主名簿に掲載されている必要があります。権利確定日は各企業の決算期などによって異なるため、投資をしたい企業が出てきた場合には都度確認が必要です。決算期と権利確定日を簡単に知りたい場合は、以下のリンクをご参照ください。

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>>【参考】権利確定日と権利付き最終売買日の一覧表(~2017年12月末まで)-株1(カブワン)

また、注意していただきたいのは、上場企業すべてが株主優待制度を実施しているわけではない点です。つまり、投資をしたら必ず株主優待が得られるわけではありません。これから投資をしようとしている企業が、どのような株主優待制度を提供しているのか、あるいはそもそも実施していないのかを調べる必要があります。これは、各企業の個人投資家向けサイトを見れば簡単に確認できます。

現在、株主優待制度を導入している企業は1,200社を超えており、上場企業が3,500社程度と考えればすでに30%近くの上場企業に株主優待制度があることになります。株主優待制度を導入する企業は年々増え続けていますので、今後自分の好みの株主優待制度を提供してくれる企業が出てくると、株式投資もより楽しくなりますね。

もう一点注意していただきたいのが、配当に関してもすべての上場企業が株主に対して支払いをしているわけではないことです。一般的には、成長企業は配当を出さずに成長投資に回すケースが多いです。また、赤字の企業は配当を支払えないこともあります。したがって、投資しようとする企業が配当を支払える状態にあるのかを吟味する必要があります。

株主優待と配当も銘柄選択が重要

――お話を伺っていると「お手軽」というわけにはいかなさそうですが、結局は個別の企業の精査が必要ということでしょうか。

Longine:つまるところ、そういうことになります。やはり気を付けておくべきは、投資にあたっては株価が下がりにくい銘柄を選ぶ必要がありますし、むしろ株価上昇を前提に投資をするということが本質かと思います。株主優待や配当を狙って投資しても、株価が下落するのでは本末転倒です。

したがって、投資先企業の業績の安定性や成長の可能性を吟味した上で、配当の継続性と増配の可能性、株主優待内容が魅力的かという順に検討するのが筋かと思います。株主優待内容や配当利回りだけで投資判断するのは危険です。日本の株主優待内容は世界で見ても独特で、メディアで取り上げられることが多いので、どうしてもそちらに目がいってしまいがちですが。

強固な事業モデルを持つ企業や割安な銘柄とは

――では、どのような銘柄に投資をするのが良いのでしょうか。

Longine:Longineでは企業のビジネスモデルの完成度の高さなどから、収益の継続性や今後の拡大余地などを検討します。また、業績動向の割に株価が安い企業などに注目しています。過去に注目した企業としては、ローランド ディー.ジー.、東日本旅客鉄道、IHIなどがありました。そうした中で、配当利回りや株主優待内容をチェックしています。もしご興味があれば、以下を参考にしてみてください。

>>【参考】Longine推奨銘柄の配当利回りと株主優待まとめ(2016年11月25日終値)-Longine

配当利回りに注目するのであれば、自動車セクターや化学セクターでしょう。このマイナス金利下で配当利回りが2~3%というのはうれしいですね。また、消費者として株主優待を楽しむのなら小売りセクターでしょうか。

株式投資を始めるプロセスはシンプル

――何だか込み入ってきたような気がします。株式投資初心者でもすぐに始められるのでしょうか。

Longine:お手軽と感じるかどうかは個人差があるかもしれませんが、大きな流れでいえば、(1)証券口座を開設する、(2)入金をする、(3)投資したい銘柄を決める、(4)発注する、(5)権利確定日を待つ、という流れです。投資をしたい銘柄さえ決まれば、それほど難しい作業はないはずです。証券口座については、将来にかけて株式や投資信託を売買することを考えればネット証券が経済的にメリットがあると言えます。

ネット証券のメリットとデメリット

――店舗のある証券会社ではなくネット証券に口座を開設するメリットは何でしょうか。ネット証券のデメリットはないのでしょうか。

Longine:ネット証券のメリットはやはり手数料の安さでしょう。売買を頻繁にするようになると手数料もかさんできます。投資信託もノーロードといって購入手数料が無料の商品も増えてきています。最近は品揃えが多いネット証券も増えてきているので、以前よりも格段に使いやすいと言えます。

また、一部のネット証券では、口座を開設すれば新聞などの有料情報を無料で読むことが可能です。一方、ネット証券のデメリットは、店舗のある証券会社と比べて、対面によるきめ細かなサービスがないことでしょうか。まあ、人によってはそちらの方が対話しないで済むので好きという人もいますが、これも好みの問題でしょうね。

>>【参考】日経新聞が無料で読み放題? ネット証券のお得な活用法-投信1(トウシンワン)

年間を通じて株主優待を楽しみたい

――株主優待で年間を通じていろいろ楽しみたいのですが、そのようなことは可能でしょうか。

Longine:上場企業の決算期を調べればわかることなのですが、毎月どこかの企業が決算をしています。つまり、毎月投資先の企業の権利確定日や株主優待の有無を確認して売買をすることで、1年を通して株主優待を得ることも可能と言えます。ただし、毎月売買するので、それに応じて売買手数料がかかることは念頭に入れておいてください。

――ありがとうございました。

 

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。