真珠湾とジョン・レノンー12月8日を風化させてはいけない

今日は「平和な社会」を考える極めて重要な日

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12月8日は「平和な社会」を考える重要な日

今年もまた12月8日がやってきました。年末の慌しさに紛れて忘れやすい印象が強いのですが、今年はぜひとも思い起こしていただきたいと思います。この12月8日は、読者の方々の世代によって多少の温度差はあるものの、いろいろな意味で「平和」や「平和な社会」を考える重要な日と言えましょう。

1941年12月8日、真珠湾攻撃で開戦に踏み切った日本

さて、12月8日は何の日でしょうか。そうです。今から75年前、当時の日本海軍が真珠湾攻撃を行って、日本が太平洋戦争に踏み切った日、つまり、米英との「開戦の日」になります。

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1941年12月8日未明、米国ハワイ州オアフ島の真珠湾(パール・ハーバー)にあった米国海軍太平洋艦隊の基地に、日本海軍が電撃的な奇襲攻撃を敢行しました。米国海軍は大打撃を受け壊滅状態となり、米国世論の怒りがその後の対日戦線布告につながりました。

実は終戦後、この真珠湾攻撃は米国に誘発されて起きた可能性が高いことなど、様々な事実が明るみに出ています。しかし、絶対的な事実関係としては、日本が真珠湾攻撃を行って開戦に踏み切ったということに間違いはありません。

「開戦の日」である12月8日に平和を祈念する行事は少ない

ご存知の通り、日本では「終戦の日」(8月15日)や、原爆が投下された日(8月6日と9日)、あるいは、東京大空襲の日(主に3月10日)には、毎年欠かさずに戦争を振り返って平和を祈念する行事が開催されています。政府主催の行事も多く見られます。

ところが、事実上の「開戦の日」に該当する12月8日には、大きな行事が開催される習慣がないように思われます。もし本当に、戦争で亡くなった方々を悼み、世界の平和を願うならば、12月8日にも不戦の誓いを新たにしないといけないでしょう。

最近の日本国内の状況を見ると、12月8日の真珠湾攻撃が徐々に風化しているような気になるのは、決して筆者だけではないと思われます。ちなみに、当然かもしれませんが、米国では奇襲攻撃を受けた12月8日(現地時間では12月7日)は、ハワイ州を中心に現在でも毎年欠かさず追悼行事が行われています。

安倍首相の真珠湾訪問を機に「開戦の日」に対する注目高まる?

ただ、今年はタイミング良くと言っていいのかわかりませんが、この12月8日を前にした5日、12月末に安倍首相が真珠湾を訪問することが正式発表されました。今回の首相による真珠湾訪問を機に、「開戦の日」に関しても「終戦の日」と同じように、平和への想いを強く巡らせるようになることを期待しましょう。

1980年12月8日はジョン・レノンが射殺された日

さて、12月8日はもう1つ重要な意味があります。今から36年前の1980年12月8日は(注:米国時間、日本では12月9日)、元ビートルズのジョン・レノンがニューヨークの自宅前で狂信的なファンに射殺された日でした。

ビートルズの音楽に興味がない方、あるいは知らないという方には他愛もない事件なのでしょうが、当時は世界的な大ニュースになりました。おそらく、現在50歳以上で戦争経験のない大勢の方にとっては、12月8日はジョン・レノンの命日という記憶の方が圧倒的に強いかもしれません。

ビートルズが世界の音楽史に残した功績は、もはや説明不要でしょう。その中心メンバーだったジョン・レノンは、ビートルズ解散後にベトナム反戦運動などに取り組み、音楽活動で平和追及をアピールしたことで知られています。ちなみに、夫人は日本人のヨーコ・オノ(小野洋子、敬称略)ですが、世界で最も知られている日本人の1人と言えましょう。

ジョン・レノン殺害で機運が高まった銃規制強化も風前の灯

実は、ジョン・レノンが突然射殺された時、簡単に銃を入手できる米国社会への批判が高まり、銃規制を強化する動きが盛り上がりました。“銃の無い平和な社会”を求める運動です。

しかし、その後も何度か銃規制を強化する機運が高まりながら、今もって米国は“銃社会”のままでいます。実際、銃の乱射などにより大勢の人々の命が奪われる事件が、毎年後を絶ちません。

戦争のない平和な社会、銃の無い平和な社会は無理なのか

日本と米国の時差により1日のズレがありますが、12月8日は真珠湾攻撃による「開戦の日」、そして、ジョン・レノンが射殺された日です。

確かに、この2つに直接的な関連はありません。しかし、未来への教訓という意味では大きな違いはないはずです。12月8日は“平和な社会”を考える重要な日にふさわしいと言えるのではないでしょうか。

 

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