大掃除は「ディフェンシブ銘柄」の製品力をチェックする好機

いよいよ年末です。年末といえば大掃除ですが、お歳暮や年賀状の習慣は廃れつつあっても、家庭でも職場でも大掃除は今でも日本中で行われ続けているようです。これは、1年の区切りを重視する日本人特有の“年末感”によるものかもしれません。

筆者が通う剣道道場でも、稽古納めが行われた先週の日曜日には全員で道場の大掃除を行いました。大掃除をすると、普段は気が付かなかった隠れた場所に汚れがあることに気づきます。また、そこをキレイに掃除することで来年も頑張ろうという気持ちになるものです。

忙しい年末ですが、大掃除をするのは世界的に見ても日本人だけなどと斜めに構えずに、前向きな気持ちで取り組みたいものです。

さて、年末の大掃除に限らず、普段から掃除用品は日常の必需品です。こうした日用品は景気が良くても悪くても一定の需要が見込まれるため、関連製品を扱う企業は食品、小売り、電力などと並んで、株式市場では「ディフェンシブ銘柄」(景気動向に左右されにくい安定的な業種)と呼ばれています。

ただし、「ディフェンシブ銘柄」が全て安定企業ということではありません。需要は安定していても、そこで継続的にシェアを確保することができなければ、その企業はいずれ衰退してしまいます。

よって、ディフェンシブ銘柄であっても、その企業が消費者のニーズに合った製品を開発する力を持っているかなどを確かめる必要があります。そうした意味でも、大掃除は製品力をチェックする絶好の機会です。

日用品が優待でもらえる厳選3社

製品力をチェックする一方で、投資をする際には株主優待も気になります。そこで今回は、掃除用品を扱う3社の株主優待をご紹介します。

なお、株主優待を受けるには権利確定日と呼ばれる特定の日に株主名簿に載っていることが条件となります。また、株主名簿に記載されるためには権利確定日の3営業日前までに株式を買っておくことが条件となります。詳しくは『権利確定日と権利付き最終売買日の一覧表(~2017年12月末まで)』を参考にしてください。

ライオン(4912):同社はハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品などの「一般消費財」を主力事業としています。業績は好調で、2016年12月期には12年ぶりに連結純利益が過去最高を更新する見通しです。

12月31日までに1,000株以上を保有する株主になると、同社の新製品を中心とした自社製品詰め合わせ(歯ブラシ、洗濯用洗剤、台所用洗剤、制汗剤など)をもらうことができます(権利確定月は12月)。

出所:ライオンの株主優待

小林製薬(4967):同社は、「"あったらいいな"をカタチにする」が企業スローガンの家庭用品メーカーです。「消臭元」「熱さまシート」などユニークな名前のヒット商品を持つことは日本のみならず海外でも有名で、インバウンド需要も同社の業績を牽引しています。

株主優待では、5,000円相当の自社製品詰め合わせセットや、同社の通信販売製品の10%割引特典などがもらえます。

なお、同社の決算期は2016年までは3月末でしたが、2017年からは12月末に変更になります。また、2016年12月期は9か月間の変則決算となっています。このため、今年から株主優待を受けるための権利確定月は、12月と6月の年2回となります。

出所:小林製薬の株主優待

アサヒペン(4623):同社は家庭用塗料の老舗ですが、DIY事業(補修材、インテリア用品、ハウスケア用品、ガーデニング製品)も展開しています。同社の株主になると、カビとりスプレー、キッチン重曹クリーナーなどのお掃除用品をもらうことができます(権利確定月は3月)。

出所:アサヒペンの株主優待 

株主優待をもらうには?

普段の生活に役立つ日用品も手にすることができる株主優待ですが、優待の権利を獲得するためには、証券会社に口座を開設する必要があります。口座開設の簡単さや投資する際の手数料の安さを追求するならば、ネット証券がおすすめです。

株主優待を始めるのに便利な証券会社を詳しく知りたいという方は、『株主優待生活におすすめの証券会社は?』をご参照ください。

また、ネット証券各社では口座開設のためのお得なキャンペーンを随時行っています。新しく口座を開設するなら、うまく利用したいところです。詳しくはネット証券会社の口座開設キャンペーン・キャッシュバックまとめを参考にしてください。

いかがでしたか? 今年もわずかですが、大掃除をしながら投資アイデアを探ってみるのも良いかもしれませんね。

LIMO編集部