【お得の経済学】配当利回りが比較的高い自動車株。2016年は意外な銘柄が健闘

好調だったいすゞとスズキの株価

Peter Gudella / Shutterstock.com

為替水準が大きく影響する自動車セクター

2016年は多くの個人投資家にとって波乱万丈な年になりました。年初の日銀のマイナス金利、英国国民投票によるEU離脱、そして年末にはダメ押しのトランプ次期米国大統領の誕生などで、為替相場の変動とともに株式市場も大きく動きました。

今回は、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)のアナリストレポートをもとに、為替水準が株価を大きく左右する自動車セクターの2016年の動向と今後の注目銘柄について見ていきます。

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株主優待よりも配当利回りを志向する投資家は注目すべし

自動車セクターは上場企業の中でも個人投資家比率が低い企業も多く、株主優待を充実させようとする企業よりも配当利回りで応えようとする企業が多く見られるのが特徴です。

それは、グローバルに活躍する企業も多く、外国人投資家の比率が高いからかもしれません。ちなみに、海外には日本のような株主優待制度はほとんど見あたりません。外国人投資家にとっては「株主優待って何?」という感覚でしょう。

自動車セクターには配当利回り2%台という水準の企業も多く、マイナス金利下での資産運用環境を考慮すると、株価上昇も期待できるような銘柄であれば、投資妙味もあると言えるでしょう。

自動車セクターと化学セクターは配当利回りが高い

配当利回りが高いセクターは自動車セクターの他に化学セクターも該当します。ただし、配当利回りだけに注目し過ぎて業績の評価をおろそかにすると、株価自体が大きく下落して思わぬ含み損を抱えてしまうリスクもありますのでチェックは欠かせません。

ご興味があれば、Longineの推奨銘柄も確認してみてください。自動車、化学、小売り、電機、その他セクターの推奨銘柄と配当利回り、株主優待をまとめています。

>>【参考】Longine推奨銘柄の配当利回りと株主優待まとめ(2016年12月22日終値)

2016年に株価が上昇したのは意外な銘柄

2015年12月終値と2016年12月22日終値で自動車関連株を比較してみました。そこからは意外な銘柄が浮かび上がってきます。

この1年間でTOPIXは概ね横ばい(若干のマイナス)でした。為替相場がトランプ次期米国大統領決定で大きく円安に振れた印象があるので、多くの自動車株もTOPIX並みに株価水準を戻したのかと思いましたが、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)の株価はいずれもTOPIXには及びませんでした。

その一方で、いすゞ自動車(7202)、スズキ(7269)は大きく株価が上昇しています。特にスズキはLongineアナリストも以下のようにレポートで指摘しています。

「スズキは5月に不適切な排出ガス・燃費試験という大きな不祥事を起こしたにも関わらず、その後に高いパフォーマンスを上げたことは特筆すべき点である」

両社は自動車株の中でも相対的に円高影響が小さかったことが功を奏したようです。為替水準の読みとともに、事業ポートフォリオの見極めも重要と言えるでしょう。

自動車株の分析には為替水準の予測も必要?

そうなると、自動車株への投資を検討されている方は為替水準も予測しないといけないことになります。これは結構ハードルが高いかと思います。ただ、プロの投資家でも為替水準を正確に予測することは不可能と言われています。

Longineアナリストも、ほとんどの市場関係者が2016年の為替水準を正確に予測できなかったと前置きをしたうえで、「業績や株価に大きな影響を与える為替レートの“大きな動き”をある程度予想することは、輸出株を分析する上で必要である」としており、自分なりのスタンスを明確にしておかなければ投資においても進歩がないと言えそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。自動車株は、為替水準が円安に振れると恩恵を受けそうな銘柄としてイメージが湧きやすいと思います。ところが、2016年はその株価パフォーマンスはまちまちだったというところは興味深いですね。

Longineアナリストの2016年の自動車セクターの振り返りをさらに知りたいという方は、Longineのレポートを参考にしてみてください。

>>【参考】2016年のアナリストによる反省(自動車セクター編)

今年1年ご愛読いただき、どうもありがとうございました。2017年も投信1をよろしくお願いいたします。

 

投信1編集部

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投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。