【広州・深圳紀行】中国はスマホ利用の「パームエコノミー」先進国。もう店には行かない!?

いきなり中国弾丸ツアー(4)

中国=パームエコノミー先進国

2016年は中国のスマホ普及が世界のスマホ市場を牽引したと言われます。確かに、街中のあらゆるところで人々がスマホを片手に思い思いに過ごしている姿が目撃されます。日本とまったく同じ光景です。

しかし、スマホを活用した経済サービスという意味では中国は先端を行っていると言えるのかもしれません。中国はPalm Economy(手のひら経済)先進国だと筆者は考えます。

ライドシェアが普及

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たとえば自転車のライドシェア。

これはOfoと呼ばれる自転車ライドシェアサービスです。この写真は利用者が写らないようにと広州市内で朝一番に撮影したのですが、日中になるとスマホを片手に若者から中年まで様々な人々が思い思いに利用しています。駐輪している自転車はほんの数台まで減っていきました。また、街中で黄色い自転車を乗りこなす人々とすれ違うことも何度かありました。

日本では時々NTTドコモのバイクシェア自転車が駐輪されているのを見かけますが、筆者はその利用者をそれほど見たことがありません。少なくとも東京よりも広州の方が自転車ライドシェアは進んでいるのではないかと感じました。

自動車のライドシェアも浸透しているようです。地元の中国人の方にお聞きすると、広州ではDidi Chuxingのライドシェアがかなり普及していて日常的に利用しているとのことでした。

広州などでは思った以上に地下鉄網が充実しているうえ、強烈な渋滞にはまることもなく過ごせました。タクシーもかなり流しています。その中でDidiが成功しているとすれば、やはりスマホで簡単に車を検索できることが効いているのでしょう。

オンラインショッピング、さらに伸びる

11月11日といえば、最近では中国の独身の日として認知されています。2016年のこの日、アリババの1日の売上は約1.89兆円(前年同日比+32%増)に上ったと報じられています。中国人の方によれば、この日のセールを楽しみにしているのは独身に限らないとのことでした。年間行事の1つとして定着したと言えるでしょう。

ここにきて、12月12日に行われるECサイトの特別セールも人気が出始めたと中国人の方に聞きました。中国でも商業的な観点からクリスマス商戦が浸透してきているようで、この12月12日も年々盛大になっていくのかもしれません。

このように頻繁にECサイトでセールが行われると、消費者はますますECサイトでのショッピングに依存していくのではないでしょうか。

食事や食材のデリバリーも普及

オフィス街などでは、スマホで近隣の飲食店を探し簡単にデリバリーをオーダーできるサービスが浸透しているとも聞きました。ランチタイムのデリバリーで多くの人が利用しているとのことです。

また、いわゆる食材のホームデリバリーも普及しているようです。スマホで発注すれば、遅くとも翌日には家まで届くとのことでした。輸送費もリーズナブルということです。品揃えも充実しており、ホームパーティのために少し特殊なエスニック食材をオーダーしても、きちんとパーティー当日に届くとのことでした。

このようなさまざまなスマホサービスの決済は、基本的にアリペイ、ウィーチャットペイで済ますことができるので、支払いで煩わされることはないということです。

店舗にはもう行く必要がない!?

中国人の方にいろいろお伺いしたあと、最後に聞いた言葉が忘れられません。

「もうショッピングセンターにはあまり行かなくなった」

当たり前のことかもしれませんが、スマホで隙間時間に何でもオーダーできてしまえば(そしてスマホ注文のコストが抑えられている限り)、リアルの店舗に出かけてそこで買い物をする必然性は薄れていくのでしょう。頭では理解できましたが、実際にそうなっている人の生の声を聞いて随分と考えさせられました。

日本も早晩スマホサービスが浸透し、パームエコノミーに変わるでしょう。筆者は、スマホ先進国として中国の消費動向をしっかり定期的にフォローする必要を強く感じました。

 

椎名 則夫

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椎名  則夫

早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。証券運用と法人融資に携わる。
シカゴ大学MBA取得。フィデリティ投信に入社、中小型株全般、医薬品・ヘルスケア、保険、通信、インターネットの企業調査に従事。その後モルガンスタンレー証券にて株・クレジットのリスク管理業務を行う。
日本証券アナリスト協会検定会員、CFA。