大発会が大幅上昇した年の日経平均は年間で上がる? 下がる?

過去17回の年間騰落率の実績をチェックしてみた

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2017年の日経平均は大幅上昇でスタート

2017年の取引初日である1月4日の日経平均株価は、前年末終値比479.79円高(+2.5%)という大幅高で、幸先のよいスタートになりました。

昨年来からのトランプ相場が継続しており、前日のニューヨーク市場における年初の取引も100ドル超の値上りであったことから、上昇に大きな違和感はありません。ただ、2016年の大発会は583円安、▲3%と厳しいスタートだったので、今年はほっと胸をなでおろしている個人投資家の方も多いのでないでしょうか。

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大発会と年間の騰落率をチェックしてみた

ところで、「大発会でその年の相場を占う」と言われることがありますが、実際はどうなのでしょうか。改めて過去の結果(2000年から2016年までの17回の実績)を振り返りたいと思います。

結果をまとめると以下のようになります。

1)過去17回の大発会で上昇は12回、下落は5回。

2)大発会がプラスになった12回のうち、年間がプラスとなったのは7回

3)大発会がプラスとなった12回のうち、年間がマイナスとなったのは5回

4)大発会がマイナスとなった5回のうち、年間がプラスとなったのは3回

5)大発会がマイナスとなった5回のうち、年間がマイナスとなったのは2回

注:2008年までの大発会は半日取引

大発会は上がりやすい

まず注目されるのは、1)の結果です。17回のうち12回、つまり約7割の確率で大発会は上昇しています。大発会は、お正月の直後で「ご祝儀相場」になりやすいことが一因かもしれませんが、上昇しやすい日であることが確認できます。

また、2)の結果も今年を占う上で心強い結果です。大発会がプラスになった12回のうち7回、つまり約6割の確率で年間もプラスとなっているからです。

大発会では上がったものの大暴落した年もある

ただし、2002年のように、大発会が+3.1%の上昇となったにもかかわらず、年間では▲18.6%の大幅下落で終わった年もあることには注意が必要です。また、大発会がプラスで引けたのは2013年以来4年ぶりとなりますが、大発会がマイナスとなった2014年から2016年にも年間ではプラスとなっていたことも留意すべきです。

言ってみれば、1年間の営業日は約250日あり、大発会はこの250分の1に過ぎないのです。また、市場関係者の中には、大発会は「プロ野球の開幕戦みたいなもので、開幕試合に勝つとまるで優勝したように騒ぐチームが見られるが、そういうチームは終わってみると最下位ということも珍しくない」という冷めた意見もあります。あまり気にし過ぎないことが大切です。

日経平均は6年連続の上昇となるのか

とはいえ、大発会が大幅上昇でのスタートとなると、年間でも上昇を期待したくなるものです。もし、今年もプラスとなると、6年連続での上昇ということになります。

ちなみに、1950年以降、日経平均が連続で上昇した最長期間は1978年から1989年の12年間です。これに次ぐ上昇期間が現在のアベノミクス相場なのです。また、2017年の大発会の終値は1万9,954円でしたが、1万9,000円台は2000年以来、実に18年ぶりということになります。

高値警戒感を持つべきなのか、あるいは日経平均は過去のレンジから離れた異次元領域に入ってきたのか、極めて判断が難しい局面にあります。ただ、はっきりしていることは、「申酉(さるとり)騒ぐ」という投資格言があるように、申年(2016年)に続き、酉年(2017年)も予測が難しい値動きの激しい1年になる可能性が高いことです。

大発会での大幅上昇に浮かれずに、気を引き締めて取り組みたいと思います。

 

和泉 美治

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和泉 美治

同志社大学文学部卒業後、エルコインターナショナル (現:京セラエルコ) に入社。英国バーミンガム大学にてMBA取得。
その後UBSフィリップスアンドドリュー証券 (現:UBS証券) に入社し、調査部にてエレクトロニクスセクターを担当。2002年より2013年までJ.P.モルガンにて産業用エレクトロニクス及び民生エレクトロニクスセクターを担当。
日本証券アナリスト協会検定会員。