【将来に備える】ライフプランニングとは「一生の計」の「見える化」

「一年の計」をその年限りのものにしてはもったいない

「一年の計は元旦にあり」と言いますが・・・

新年おめでとうございます。

新年と言えば、よく「一年の計は元旦にあり」と言います。その言葉の通り、1年の始まりのお正月に今年の目標を定め、「今年こそは」ということで何かを始めようと意気込まれる人も多いと思います。

ふと気になったので、この「一年の計は~」の言葉がいつ頃から言われるようになったのか、調べてみました。

諸説がありそうですが、明の時代(日本では安土桃山時代から江戸時代初期頃)に著された「月令広義(げつりょうこうぎ)」が原典というのが有力な説のようです。「月令広義」は中国の伝統的な年中行事やしきたりを解説した書籍で、七夕の時の「織姫と彦星」の話や「花咲か爺さん」の話の出典元とも言われています。

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「一年の計は~」は、「月令広義」の中の「四計」という項に書かれていて、4つの言葉で1セットとなっています。以下がその全文です。

一日の計は晨にあり
一年の計は春にあり
一生の計は勤にあり
一家の計は身にあり

「晨(あした)」は朝のこと、「春」は「迎春」という言葉がある通り、年のはじめや正月のことで、この2番目の言葉が「一年の計は元旦にあり」の元になっています。1番目と2番目は、時間の取り方の長短の違いはあるものの、「最初が肝心」という内容です。

「一年の計」は1年限りのものではない

3番目にある「勤」とは職業・仕事のことで、3番目の言葉は、どのような職業・仕事に就くかで人生が決まることを意味しています。そして、4番目の「一家の計は身にあり」は、その身の立て方によって、「一家=家族全体、または子孫」の繁栄が決まることを意味しています(このあたりは、あくまで筆者の解釈です)。

「四計」を1つのセットで考えると、正月に立てる目標や計画は、決してその1年限りのことではなく、人生全体や、さらには子や孫の世代にまでつながるものだと言っているように聞こえます。

ライフプランニングというアプローチ

話は変わりますが、世の中には、ファイナンシャルプランナー(FP)と呼ばれる職業の人たちがいます。私もその1人ですが、よく「FPは何をしてくれる人なの?」と聞かれることがあります。その時、私は次のように答えるようにしています。

FPとは、「ファミリーの将来の目標を叶えるために一緒に計画を立て、その実現のために、主に経済的な側面からアドバイスをする人」のことです。

将来の目標や夢の話をするわけですから、単年ではなく、人生全体にわたる長期的な視野に立つことになります。そのため、「ライフプランニング」という考え方でアプローチします。結婚、住宅の確保、出産・育児、子供の教育、親の介護、老後の生活等、人生における多くの重要なイベントに対して、いつ、何に、どれだけの資金が必要かを洗い出し、その資金をどのように手当てしていくかを具体的に考えていきます。

実際に考え、計画を立て、実行するのは、あくまで人生の主人公であるご本人です。もちろん、ご本人が独力でライフプランニングを行うことはできます。そうは言っても、何から手をつけて良いか分からないとか、1人では判断しづらい、といったこともあるでしょう。そのような時に、何が問題になりそうかを一緒に考え、課題をきちんと整理してくれる存在がFPです。

ライフプランニングで大事なのは将来起きうる問題を明らかにすること

ここで、ライフプランニングの大まかな流れをご紹介します。将来に向けた年表を作っていくようなイメージで捉えていただければと思います。

  1. 将来どのようなファミリーになっていたいかのイメージを明確にする。
  2. 今後起きうるライフイベントを、家族を構成するメンバー1人ごとに洗い出して並べる。
  3. 収入と支出、資産と負債といった現状を把握する。
  4. 2.で洗い出したライフイベントに対して、かかりそうな費用を見積もっていく。
  5. 年ごとに、収入と支出(生活費+ライフイベントのための費用)を計算していく。

この作業をやってみると、たいていの場合、困ることが見つかります。イメージしていたよりもお金がかかるライフイベントが存在する、資金繰りに困る年が発生する、病気や災害などの突発的なことが起きたら回らなくなりそうだ、といったようなものです。

それを明確にすることがライフプランニングの大きな目的の1つですから、次のステップとして、明確になった課題への対処法を考えていくことになります。

ライフプランニングをつくって「一生の計」を「見える化」しよう

ライフプランニングは最初のうちは大変な作業かもしれませんが、上の3.などは、「マネーフォワード」や「Zaim」などの家計簿アプリなどを使えば、以前より楽にできるようになりました。大ざっぱでもライフプランニングを一度やってみると、夢や目標に対する長期的な視野を持つことができます。「一年の計」どころか、「一生の計」が「見える化」してきます。

そうは言っても、1人でやるにしても、FPに相談するにしても、それなりの時間がかかるので、後回しになりがちです。火急の用ではないからです。そのような時は、せめて、「ライフプランニング」という考え方があると頭の片隅に置いておくことと、お金にまつわることをいつでも相談できる人を探しておくことの2つをお勧めいたします。

2017年が皆さまの「一生の計」の成就に繋がりますように。本年もよろしくお願いいたします。

 

藤野 敬太

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藤野 敬太

東京大学経済学部を卒業後、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント(現日本アイ・ビー・エム)等を経て、2001年から2013年まで、日興アセットマネジメントにて、アナリストおよびファンドマネージャーとして日本株ファンドの運用に従事。
現在は、オフィス・ラコルドの代表として、ファミリー向け・ファミリービジネス向けのコンサルティングおよびアドバイザー業務を展開する。
CFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、シニア・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定)。日本ファミリービジネスアドバイザー協会執行役員・フェロー