失敗しない新築・中古マンション購入の入門書は不動産株投資にも役立つ!?

『マンション格差』榊淳司 著

都心部マンションへの移住を失敗したくない

『マンション格差』(榊淳司 著)は、筆者が年末年始に親戚を訪ねた時に勧められたものです。その親戚は、現在東京駅から1時間の近郊の持ち家に住んでいますが、老後を考え都心近くに住む子供の近隣に生活の拠点を移す気持ちが日増しに強まっているのです。

これからのマンション購入は失敗できません。ご主人は元都市銀行員で不動産と金融には大変明るいのですが、今マンションを買うべきか、どんな点に注意を払うべきか、改めて研究中です。そこで最近のマンション入門書の良書を尋ねたところ、本書を紹介されました。

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マンション格差 (講談社現代新書)

都市部への人口流入は続く。その時不動産価格はどうなる?

この例のように、老後を控えて都心部に家を持ちたいと考える人は年々増えているのではないでしょうか。

その1つのポイントは運転免許の更新をいつやめるかだと思います。特に郊外は自動車移動が一般的ですが、今のところ自動運転が普及しているわけではありません。郊外在住の場合、ひとたび車がなくなると「買い物難民」「病院難民」になってしまいます。そうなる前に徒歩圏で生活が成立する場所へ人が集まるのは自然な流れと言えると思います。

一方、賃貸住宅の供給は止まることがありません。筆者は件の親戚より東京駅からもう少し近い場所に住んでいます。周りを見ると、高齢者2人世帯の戸建て住宅がまとめて集合住宅やマンションに変わっていく様子をあちこちで見ることができます。

このような需給が続くのであれば、いずれさまざまな地域で「家あまり」状況がくることが想定されます。そのような認識のもとで、失敗しない、負けないマンション購入をするための視座を与えてくれるのが本書です。

資産価値を下げないマンションと下げるマンションの格差を生む基礎的な要因を、ずばりと掘り下げるのが本書の真骨頂だと思います。詳細はご一読いただくこととしますが、購入者の目線で、マンションの価値を考えるうえでの定石である立地・価格・管理などについて歯切れのよい説明がなされています。

途中、やや賛同しかねる部分もありますが、業界の構造が端的に記述されていて最後まで飽きさせません。

株式投資家必読。大手デベロッパー評は辛口かつ的確

本書はマンション購入予定者だけではなく、実は株式投資をする個人投資家にとっても、三井不動産を始めとしたさまざまなマンションデベロッパーの個性を知るうえで大変有益な情報が提供されています。もう少し実証データがほしいところではありますが、新書である以上、制約も大きいのでしょう。

参考:三井不動産(8801)の過去10年間の株価推移

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投信1編集部

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投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。