最悪期を脱したマクドナルド、活気は戻ったのか?

朝コーヒー無料配布など積極的な取り組みで株価堅調

マクドナルドの朝のホットコーヒーが期間限定で無料に

朝のコーヒーは欠かせないという人も多いでしょう。朝食と共に飲む人はもちろん、起きた時の眠気覚まし、仕事を始める時の気合入れ等々、そのシチュエーションは様々でしょうが、日本の社会に根付いたことは疑いのない事実です。多くのコーヒーショップが早朝から開店していることが、それを物語っています。

その“朝のコーヒー”で、マクドナルドが積極的なキャンペーンを行っています。主力商品であるプレミアムローストコーヒーを一新したのを機に、1月16日(月)~20日(金)の朝7時~朝10時に、ホットSサイズ(定価100円、税込み)を無料としています。

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さすがに1人1杯までとなっていますが、このSサイズの単品注文も可能です。期間限定の新商品キャンペーンとはいえ、“タダ”とはかなり斬新な取り組みです。今回一新したコーヒーに相当な自信を持っているものと推測されます。

ようやくマクドナルドに活気が戻ってきた

このホットコーヒー無料キャンペーンに限らず、マクドナルドに活気が戻ってきたように感じる人も多いのではないでしょうか。実際、話題になる新商品が多く見られています。

昨年(2016年)4月に販売を開始した『グランドビッグマック』は、食材の供給が追いつかなくなる久々の大ヒットとなりました。食材の増産が間に合わず、販売制限を実施したほどです。その後も、過去の人気商品を復刻させたり、毎年冬に期間限定販売を行っている『グラタンコロッケバーガー(通称:グラコロ)』を一新するなど、意欲的な商品投入が続いているようです。

“何だよ、所詮、ファストフードだろう”と皮肉な見方をする人もいるでしょうが、ファストフードだからこそ、消費者は変化に敏感なのではないでしょうか。

チキンナゲット問題などで大苦戦が続いてきた

思い返すと、ここ数年間マクドナルドは苦戦の連続でした。他の外食チェーン店との競争激化に加え、価格戦略の見直しが失敗し、売上が伸び悩みました。さらに、2014年夏に起きたチキンナゲットの賞味期限切れ問題、及び、同商品を含む異物混入問題が急激な客離れを決定的にします。

そして、2期連続の最終赤字というかつてない苦境に陥ったため、大量の店舗閉鎖という事実上のリストラを実施したわけですが、今振り返ると、そこが最悪期だったのかもしれません。

既存店の月次売上高は13か月連続でプラス

チキンナゲットの問題が深刻化した際、一時は既存店の月次売上高が対前年同月比▲40%近く落ち込みましたが、2015年12月から現在まで13か月連続で前年超えを継続中です。もちろん、まだ最盛期に比べると低い水準ではありますが、大底を脱して上昇基調にあることは確かなようです。

2016年12月期業績は3期ぶりの黒字転換が確実視

こうした状況を背景に、日本マクドナルドホールディングス(2702)の2016年12月期業績は、第3四半期の終了時(1~9月)で従来の会社予想を大幅に上方修正しました。前述したリストラ効果も大きな要因ですが、売上が堅調に推移したことも見逃せません。

空前の人気となったポケモンGOとのタイアップによる集客効果に加え、リオ五輪開催に合わせて発売した『必勝バーガー』の増販による客単価上昇もあったようです。

通期決算は2月に発表されますが、3期ぶりの営業黒字、最終黒字が確実視されています。この1年間の実績だけで「完全復活」と判断するのは時期尚早かもしれませんが、2017年12月期への期待が大きく高まってきたことは間違いありません。

株価も堅調に推移、2017年への期待高まる

株価も概ね堅調に推移しています。大幅な業績悪化を受けて2016年1月に2,215円まで下落した後、ポケモンGO相場で一時3,875円まで急騰しましたが、現在は3,000円前後の水準となっています。

なお、2017年に入ってから、親会社である米国マクドナルドによる保有株売却の観測ニュースが流れたため、需給悪化懸念などにより上値が重くなっています。この件に関しては正式発表を待つ必要がありますが、大株主が変わることで今までにない斬新な取り組みが期待できるかもしれません。

最悪期を脱して、斬新な取り組みを続けるマクドナルドに引き続き注目したいと思います。

日本マクドナルドホールディングスの過去2年間の株価推移

 

投信1編集部

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投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。