トランプ懸念のメキシコ、中長期的には妙味ある投資対象

短期的には不安定な動きを続ける可能性も

本記事は1月18日付のHSBC投信株式会社によるレポートを転載したものです。

この記事の読みどころ

  • 11月の米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利後、メキシコ市場は通貨、株式、債券のトリプル安となりました。
  • トランプ新政権の具体的政策が不透明な中、短期的にはメキシコ市場は不安定な動きを続ける可能性があります。
  • 中長期的には今回の下落で割安感が強まり、通貨・株式・債券とも妙味ある投資対象と見ています。
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米国トランプ新政権の政策がメキシコ経済に与える影響に懸念広がる

2016年11月8日の米国大統領選挙で、予想外に共和党トランプ氏が勝利したことを受け、11月以降のメキシコ市場ではトランプ新政権の政策が及ぼす影響を巡る懸念から、通貨・株式・債券のトリプル安となりました。

トランプ氏は、選挙運動期間中に、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しやメキシコ国境での壁の建設などについて発言しており、メキシコに対する厳しい姿勢が大きな不安要因となっています。

トランプ氏の選挙勝利後、メキシコ金融市場は不安定な展開

メキシコペソは、トランプ氏の勝利後に対米ドルで急落した後も、売り優勢の展開が続いています。こうした中、メキシコ銀行(中央銀行)は通貨防衛を目的に、為替市場への介入に加え、11月、12月には各々0.50%の利上げを実施し、政策金利を5.75%に引き上げました。

株式・債券市場は、選挙後に急落した後、債券市場は軟調な展開を続ける一方、株式市場は12月以降、やや値を戻しています。

当社の見方:短期的には不安定な相場続くも、中長期的には妙味ある投資対象

昨年11月の米国大統領選挙以降、トランプ新政権の政策、とりわけ通商政策(北米自由貿易協定(NAFTA)見直し等)及び移民政策を巡る不透明感から、メキシコへの影響について懸念が広がっています。加えて、トランプ新政権の積極的な財政政策が米国でインフレ圧力を高め、金利が上昇する可能性も、多くの投資家は警戒しています。

トランプ新政権の具体的政策が明らかになるまで、メキシコペソ及び株式・債券市場は不安定な相場展開を続ける可能性があります。

しかしながら、通貨ペソは現在、対米ドルで歴史的安値圏にあり、中長期的に見て、バリュエーションの観点から妙味があると当社では見ています。また、メキシコの中央銀行は通貨の安定を最優先しており、ペソが急落する局面では、再び利上げや市場介入により通貨防衛を図ることが見込まれます。

メキシコ株式市場についても、トランプ氏の勝利後の下落で割安感が増しています。当社では財務体質が良好で収益性が高く、かつ割安感の強い銘柄に注目しており、現在の不安定な相場展開は新たな投資機会をもたらしていると考えます。

また、メキシコ債券市場は主要先進国と比べ、妙味ある利回りを提供しています。相対的に高い利回りは、米国金利上昇によるメキシコ債券価格下落時の損失を補う役割を果たします。また最近の下落でメキシコ債券も割安感を増しています。

メキシコは新興国の中で相対的に経済ファンダメンタルズが良好であり、さらに通貨・株式・債券ともに割安感が増しています。中長期的には、引き続き妙味ある投資対象であると当社は考えます。

HSBC投信

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