【売れ筋投信】ひふみ投信、ひふみプラス、人気のヒミツを探る

アクティブ運用で過去実績も上々。運用コストにも目配り

レオスの「ひふみプラス」、ネット証券で着実な人気

独立系運用会社であるレオス・キャピタルワークスの日本株アクティブ投信「ひふみ投信」、「ひふみプラス」が投資家に着実に支持を得ているようです。

SBI証券の2016年12月の販売金額を見ると「ひふみプラス」は同社の販売する全ファンドで第7位、販売件数で第4位、積立設定金額で第7位、積立設定件数で第5位でした。同月の楽天証券では取扱全銘柄で買付金額トップ10には入りませんでしたが、買付件数で第10位、積立設定金額で第4位、積立設定件数で第5位に入っています。

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積立投信として、中長期の資産形成を目指そうという個人投資家に支持を集めている様子がうかがえます。

この「ひふみ投信」はレオス・キャピタルワークスが運用かつ直販する投信です。「ひふみプラス」は証券会社経由で販売されています。この2つの投信は共通のマザーファンドを保有するという形式で一元運用されています。マザーファンドの純資産総額は、2016年12月末で1,233億円となり1,000億円を超えていますので、この分野では有数のファンドになったと言って構わないでしょう。

筆者は以前からこの投信が気になっていました。そこで、今回はこの投信の魅力と課題を考えてみます。

人気のヒミツ(1)上々の運用成績

人気の理由の第1は運用成績でしょう。「ひふみプラス」の2016年12月末までの過去3年間の運用成績は+45.9%、同期間のTOPIX(配当込み)の+24.0%をしっかり上回っています。

過去1年間でも、同投信は+4.6%でTOPIX(配当込み)の+0.3%を上回りました(「ひふみ投信」もほぼ同様の成績でした)。この継続的な好成績が投資家に評価されていると思います。

人気のヒミツ(2)長期投資家に優しい手数料体系

日本株のアクティブ運用といえば、投資家が負担する費用が高めなのが常識でした。こうした事情を背景に、昨今ではインデックス運用の投信やETFが低い運用費用を武器に急速に普及しています。

この「ひふみ投信」「ひふみプラス」もアクティブ運用、つまり運用者が銘柄選択で勝負する投信ですが、投資家の費用にも目配りを行っています。

直販の「ひふみ投信」は買付、換金(解約)手数料がゼロで、信託報酬は年1.0584%(税込、以下同)となっています。また、5年ないし10年以上保有すると信託報酬の割引が受けられる制度が設けられています。

証券会社が販売する「ひふみプラス」では、まず買付、換金(解約)手数料が主要なネット証券会社でゼロになっています。さらに、信託報酬は純資産残高に応じて減少するようになっています。純資産総額500億円までが年1.0584%、500億円を超える部分が年0.9504%となります。

このようにしっかり成績を出しながらも、運用会社の収益を投資家に還元することで投資家の利益を守るという姿勢が評価されていると思います。

※初出時に信託報酬に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

人気のヒミツ(3)上位保有銘柄に見る独自性

次に、気になる保有銘柄を見てみましょう。2016年12月末付けのレポートによれば次のようになります。

ご覧の通り、中小型中心の構成です。上位10銘柄の組入比率の合計は約18%で、まずまずの集中度です。ボトムアップ調査をしている様子が伝わってくると思いますが、いかがでしょうか。

今後確認しておきたいポイント

以上、「ひふみ投信」「ひふみプラス」の特徴を見てきました。

今後この投信を見ていくうえで確認が必要なのは次の点だと思います。

1つは、資産残高が大きくなっても運用スタイルや運用成績が維持できるのか、変わっていくのかをよく見守る必要があります。

もう1つは(あまり問題ではないと思いますが)、運用の継続性です。チーム運用といっても、何といってもファンドの顔は社長の藤野英人さんですので、藤野さんの哲学をどれだけチームにビルトインできるかが大切です。

 

椎名 則夫

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椎名 則夫

早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。証券運用と法人融資に携わる。
シカゴ大学MBA取得。フィデリティ投信に入社、中小型株全般、医薬品・ヘルスケア、保険、通信、インターネットの企業調査に従事。その後モルガンスタンレー証券にて株・クレジットのリスク管理業務を行う。
日本証券アナリスト協会検定会員、CFA。