ルネサスエレクトロニクス(6723)は2016年12月期の第3四半期累計(2016年4-12月)決算を発表。2016年12月期決算は、9ヶ月間の変則決算である。

以下3つの理由から、株価には「ポジティブ」な印象だ。

  1. 第3四半期(2016年10-12月)実績については、会社予想に対して半導体売上高及び営業利益が上振れで着地したこと
  2. 2017年12月期の第1四半期(1-3月期)の会社予想営業利益が対前年同期比及び対前四半期比で増益になる見通しが示されたこと
  3. 自動車関連の新規商談が好調というコメントがあったこと

決算ハイライト

2016年12月期は9ヶ月間(4‐12月)の変則決算であったため、2016年1‐12月を2016年12月期として前年度と比較すると、減収・営業減益となった。売上減少は円高、地震、非注力製品からの撤退の影響によるものだが、売上減にも関わらず、Non-GAAPベース(注:作り貯めの損益への影響等を控除した数値)では売上総利益率は前年度と同レベルを確保。また、営業利益率も12%と2013年から取り組んできた「変革プラン」で目標としてきた2桁台を達成できている。

同社は年度ベースの予想は開示せず、翌四半期の予想のみを発表するが、2017年12月期第1四半期(1-3月期)の半導体売上高は、震災影響の一巡や自動車向けの好調な需要等により対前年同期比及び対前四半期比で増収となる見通しを示した。

ここに注目!

決算カンファレンスでは、米半導体メーカーであるインターシル社の買収は今月中に完了するというコメントがあった。今後、シナジーを生み出すための有効な施策が打ち出されるかについて注視していきたい。

LIMO編集部