この記事の読みどころ

  • 2016年12月に中国の生産者物価指数は2011年9月以来の高水準となりました。
  • 今秋に総選挙を控える中、ドイツ経済は拡大し続けています。
  • 米国の小売売上高は今後の動向を注視する必要がありそうです。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひチェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

2011年9月以来の高水準となった中国の生産者物価指数

2月14日(火)10:30に、中国の1月生産者物価指数(PPI、前年同月比)が発表されます。

同指数は、中国国家統計局が公表し、中国国内の生産者の出荷時点での価格変動を指数化したものであり、消費者物価指数(CPI)よりも早く国内の景気動向を反映する傾向にあります。

前回、12月の同指数は+5.5%(PPI、前年同月比)と、11月の+3.3%から加速し、2011年9月以来の高水準となりました。特に、石炭などの原材料価格の上昇が寄与しました。

今回、1月の同指数の市場予想は+6.6%(同)となっており、商品先物市場での投機的取引の拡大を危惧する声も出始めています。

今秋に総選挙を控える中、拡大し続けるドイツ経済

2月14日(火)19:00に、ドイツの2月ZEW景況感指数(期待指数)が発表されます。

同指数はドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が公表し、約半年先のドイツ国内の景気見通しを示すものです。

前回、1月の同指数は16.6(期待指数)と市場予想の18.4を下回ったものの、ドイツの国内経済は拡大しています。

今回、2月の同指数の市場予想は15.0(同)となっています。今秋に国内総選挙を控えていることもあり、今後の動向に注目が集まりそうです。

今後の動向を注視する必要がある米国の小売売上高

2月15日(水)22:30には、米国の1月小売売上高(除く自動車関連、前月比)が発表されます。

同指標は商務省センサス局が公表し、米国のGDPを筆頭に、雇用統計や消費者信頼感指数との間に高い相関があります。

前回、12月の同指数は+0.2%(前月比)と、市場予想の+0.4%(同)を下回りました。

今回、1月の同指指数の市場予想は+0.4%(同)となっており、今後の動向に注目が集まりそうです。

【参考情報】各経済指標の元データ

中国の生産者物価指数は中国国家統計局のウェブサイト(英語版)、ドイツのZEW景況感指数は欧州経済研究センターのウェブサイト(英語版)、米国の小売売上高は商務省センサス局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎