今までの論調を疑ってみる-相場の”オルタナ・ファクト”とは?

半導体や新興国市場の意外な活況、消費に関する日米比較の”ウソ”

トランプ政権発足以降、政治の世界では「オルタナティブ・ファクト」(以下、オルタナ・ファクト)という言葉をよく耳にします。日本語では「代替的事実」と言われ、米国メディアの一部では政権のウソを正当化するための道具であるという批判の対象になっています。

一方、投資の世界では、真実は一つだけと思い込むことは極めて危険です。むしろ、積極的に代替的な考え方を求める姿勢が大切です。そうした柔軟な見方を、ここでは”オルタナ・ファクト”と呼んで、以下の3つの記事に注目してみたいと思います。

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4年ぶりに先進国をアウトパフォームした新興国株式市場

昨年は、米国の利上げによる新興国からの資金引き上げなどにより、新興国株式市場は厳しいという見方が多く見られました。

しかし、この記事に示されているように「原油価格の回復や世界経済の底打ち・回復などにより、2016年の新興国株式市場は2012年以来4年ぶりに先進国株式市場を上回るパフォーマンス」でした。これも重要な”オルタナ・ファクト”と言えるでしょう。

また、2017年についても、穏やかな世界景気の回復や原油価格の安定が継続していることに加え、先進国と比較して相対的に割安な株価水準にあることが、サポート材料となる可能性があります。

もちろん、保護主義の高まりや、さらなる米国での金利上昇が新興国経済の回復の足を引っ張るリスクもありますが、新興国は良くないと固く思いこんで、”オルタナ・ファクト”を見過ごさないことが重要です。

出所:2016年、「勝ち組」だった!新興国株式市場(ピクテ投信投資顧問)

統計への思い込みにも気を付けたい

個人消費の対GDP比率が高い国のほうが消費は活発であるので米国は消費文化であるという見方や、米国では株式への投資比率が高く、所得効果が個人消費を押し上げているとの見方をよく新聞等で目にします。

ところが、この記事によると、米国の消費比率が高いのは医療費が高いせいであることや、米国と日本の株式への投資比率の違いは統計上の定義による違いが大きいという”オルタナ・ファクト”が示されています。

長期的な資産形成を目指す個人投資家は、ファクトとされているものが必ずしも真実ではないということを頭の片隅に入れながら、情報分析されることをお勧めしたいと思います。

出所:米国は消費好きで日本はリスク嫌い? 日米比較に潜む”ウソ”(投信1)

久々のブームを迎えた半導体業界

2017年2月15日に米国の半導体製造装置メーカーが発表した2017年10月期Q1(11-1月期)決算は、受注高が前年同期比+86%増、売上高が同+45%増、純利益が同2.5倍と非常に力強いものでした。

日本でも、最近の決算では、東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、SCREENホールディングス(7735)などの半導体装置関連株の好調が確認されており、以下の記事にあるように半導体業界は久々のブームを迎えています。

ここで、一度立ち止まって考えたいことは、今回のブームがかつてのパソコン、携帯電話、デジタル家電といった特定の製品に依存していないことです。かつてのようなスマホの高い成長が失われている中でも半導体業界が活況であるという事実を、どのように捉えればよいのでしょうか。

おそらく、その答えは、この記事でも示唆されているように、半導体が使われる分野のすそ野の広がりや、製品1台あたりの半導体の搭載量上昇にあると考えられます。大ヒットとなる製品が見当たらなくても半導体ブームが訪れている、という”オルタナ・ファクト”にも注目しましょう。

出所:半導体に18年ぶりのブームの兆し(楽天証券)

 

投信1編集部

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投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。