株高の背景に「世界同時景気回復」が垣間見える4つの理由

トランプ効果、高級ブランド消費、資源価格、中小型株が示唆するのは?

好調な“春相場”が続いています。その要因として、トランプ政権の経済対策に対する期待だけではなく、資源高を背景にした新興国市場の景気回復も見逃せません。

また、景気敏感銘柄が多い中小型株が大型株に対して世界的にアウトパフォームしていることから、現在の株高は「世界同時景気回復」に対する期待が背景にある可能性も否定できません。以下の4つの記事から、現状の株高について複眼的に考えてみましょう。

少し大人になったトランプ大統領をマーケットは好感

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日本時間の2017年3月1日午前11時から行われたトランプ大統領の議会演説を金融市場はポジティブに捉え、演説後、株高、円安が進みました。

演説内容は新味に欠けたものの、以下の記事で解説されているように、「言葉の使い方や演出が巧みで、米国民の団結、米国精神の復活、米国内の弱者への思いやり、夢や希望を感じさせる内容であったこと」が好感されたためと考えられます。

とりわけ印象的だったのは、共和党議員から大きな拍手が起きていたことです。トランプ氏の政策内容は伝統的な共和党の方針からやや逸脱する内容が多いため、ややもすると大統領は孤立してしまうのではないかという懸念がありましたが、今回の少し大人になったトランプ氏の演説は、そうした懸念を後退させるものとなったのです。

演説後、現地時間1日の米国市場も大幅高となり、続く2日の日本市場も続伸となっています。春の訪れとともに本格的な強気相場入りの予感すらしますが、これがどこまで持続していくのか気になるところです。そこで次に、”トランプ効果”以外の観点から株高の背景を考えてみたいと思います。

出所:米大統領演説はポジティブ 議会の熱気を好感(楽天証券)

中国で販売が回復しているプレミアムブランド企業の株価が堅調

強気相場の背景は、実態経済の中にも見出すことができます。

以下の記事にあるように、ルイ ヴィトンなどの高級ブランドを傘下に有するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(フランス)、中華圏で宝飾品の小売を展開する周大福珠宝集団(香港)、カルティエなどを傘下に有するフィナンシエール・リシュモン(スイス)、グッチなどを傘下に有するケリング(フランス)といったプレミアムブランド企業の中国での売上高には回復傾向が見られます。また、これらの企業の株価も年初から堅調に推移しています。

こうした高級品が売れ出している背景には、トランプ政権誕生後の株高による資産効果や中国経済の安定などがあると考えられ、今後は消費が回復することで生産も回復に向かう好循環につながる可能性も十分に考えられます。

現時点では「世界同時景気回復相場が訪れる」という論調は少数派ですが、今起きている世界的な株高はその可能性を示唆しているかもしれないことを頭の片隅に入れておきましょう。

出所:プレミアム・ブランド市場に回復の兆し(ピクテ投信投資顧問)

資源価格も大きく回復

消費の回復に加えて見逃せないのが商品市況や資源価格の回復です。原油価格は2016年2月につけた1バレル 26ドル台をボトムに、足元では約2倍の50ドル台前半で推移し安定化の兆しがみられます。また、鉄鉱石価格も過去1年間で約2倍に急騰しています。この背景にあるのは、中国での不動産開発や鉄道などインフラ投資の回復です。

また、この記事で指摘されているように、今後、米国のトランプ政権が公約に掲げるインフラ投資を拡大していけば、資源価格の上昇にはさらに弾みがつくことも考えられます。

こうなると、資源価格上昇の恩恵を受けられる新興国の景気回復も見込まれるでしょう。また、株高はアメリカや日本などの先進国だけではなく、新興国にも広がることが期待されることになります。

やはり、”世界同時景気回復相場”は目前にあると考えるべきなのかもしれません。

出所:「資源」の時代が来る!?(ピクテ投信投資顧問)

「世界同時景気回復相場」を示唆する中小型株ブーム

株式市場は、“世界的な景気回復を買っている”ということを示唆しているのが、日本を含む世界の株式市場で中小型株が大型株をアウトパフォームしている現象です。

中小型株には景気敏感業界に属している銘柄が多く、大型株(大企業)よりも業績が景気動向に左右されやすいことを考えると、株式市場は景気回復に対して大きな期待を持っているという見方もできます。

また、この記事によると「過去の米景気回復局面(金利上昇局面)を長期で振り返ると、ラッセル2000指数に象徴される中小型株が大型株より好パフォーマンスであった」とのことです。よって、現在の株高もそうした経験則からの説明が可能となりましょう。

いずれにせよ、中小型株の株価好調の背景には世界景気の回復に対する期待があることや、中小型株相場の後には出遅れていた大型株が物色される相場が続く可能性もあることを押さえながら、これからの春相場に向き合っていきたいと思います。

出所:中小型株ブームは世界市場のトレンドか(楽天証券)

投信1編集部

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。