投資のプロが本音ダダ漏れでお金の秘密を語った夜―「お金ナイトVol.1」

マーケットに神様はいる?いない??

2017年3月8日東京・渋谷でトークイベント「お金ナイトVol.1」が開催されました(主催:ニフティ・東京カルチャーカルチャー、協賛:楽天証券)。

登壇者も参加者もお酒を楽しみながら語りましょう、というこのイベントで、「やっぱりお金ないとね!」と目をギラギラさせながらやってきた参加者に、お酒の勢いに身を任せてプロのファンドマネージャーたちが語ったお金の本質とは?

資産形成で一足飛びは禁物!「守る」「増やす」の器を分けてみる

続きを読む

「お金を増やそう!」と思い立って、みなさんはまず何をどうしますか。お得そうだし、みんなやってるから、ふるさと納税や株主優待からやってみようか、なんて思っていませんか。

第一部「お金についてやさしく教わらナイト」に登場した楽天証券経済研究所の篠田尚子氏は、資産形成成功の秘訣は「資産形成のピラミッドを意識する」ことだと指摘。株主優待やふるさと納税は資産形成の土台、すなわち現金や預金(+株、債券、投資信託)の最上部に成り立つものであり、いきなりのジャンプアップは禁物だとズバリ。

資産形成のピラミッド

また、資産形成の実践にあたっては「守る器」と「増やす器」と分けて考えるのがコツだと伝授。増やす器では、節税メリットで話題のiDeCo(イデコ)やNISAを活用し、投資信託を積み立てていく手法がよいのではないかとやさしく教えてくれました。

楽天証券経済研究所の篠田尚子氏と司会を務めたニフティの河原あず氏

一発逆転必勝法なんてあるの?プロの本音トーク炸裂!

続いての第二部は「楽しみながらお金について考えナイト」。スパークス・アセット・マネジメントの清水孝章氏、大和住銀投信投資顧問の浅田善朗氏、楽天証券の東眞之氏、そしてLongine編集長の泉田良輔氏が登壇。いずれも運用会社や証券会社でファンドマネージャーやアナリスト経験を有する、そうそうたる面々です。

スーツにネクタイという姿に「まじめ!」というささやき声が漏れる一方、待ち時間に楽屋で飲んでいたのか、全員が登壇した時点でほろ酔いの様子。

「自分の親に勧められる商品とは?」――「利回りが高い株に投資するといいですよ」「俺に預けてくれたらいいのに」「自社の商品が一番」

「年収200万から一発逆転を狙う方法は?」――「富豪に頼むしかないんじゃ」「大化けするかもしれない株にリスクを取ってでも投資したら」

途中までは多少の冗談を交えながらも比較的穏やかに進行していたこのセッション。しかし「積立投資とタイミング投資」というテーマで放たれたあるキーワードが一気に場の空気をヒートアップさせたのです。

神々の遊びか?人間の知恵か?「フェアバリュー」大論争勃発!

ちなみに積立投資とは、たとえば「毎月1万円」など、一定のタイミング・一定金額で投資信託などの商品を買い付けていく手法であり、タイミング投資とはざっくりいうと「どーんと下がった時にどーんと買う」という手法です。

「タイミング投資の割合を多くとったほうが大きなリターンを得られる」「積立投資もタイミング投資の一つ。分割して買えば、いいものでも安い時にたくさん買える」などという意見が出るなかで「株価はフェアバリューに戻るから、安い時に買えばいい」というコメントが論争の引き金に。

X氏「寿司屋で『あわび』とか『うに』とか時価でしょう? あれにフェアバリューがありますか? 買いたい、ほしいから値段がつくんでしょ。マーケットは神で株価は神がつけたプライスですよ。なのにフェアバリューなんて! マーケットがつけた値段じゃない株価があるなんて、人間が神を超えるという思い上がりですよ」

Y氏「でも、結局市場は間違う。神は間違うときがあるんです。ちゃんと自分たちが正しいと思ったならば、期待が集まった価格が間違っている、神が間違っていると思うなら、その時に投資するべきです」

司会「この話、終わりませんね。次行きましょう」

そもそも、フェアバリューとは何でしょうか。直訳すれば「本源的な価値」、言い換えれば、「正しい株価」ともいえます。つまりフェアバリューが存在するならば、市場でどんな値がついていても、株価は「あるべきところ」に戻ってくるということになります。

学問的には当たり前のフェアバリューという考え方ですが、実はプロの間でも意見が分かれる“ブツ”だということが明らかになってしまったのでした。

みんな言うことが違う。これこそがマーケット?

気づけば登壇者全員が赤ワイン…。何杯目?という人も。

その後も、どの質問に対しても、どのテーマでも、同じ意見がない。そのバラバラ具合たるや「これこそがマーケットであり、この人たちと戦うにはどうしたらいいのかと考えるのが投資戦略だ」という泉田氏のコメントで、会場中が一体感に包まれるほど。

第二部では、市場参加者はそれぞれまったく異なる考え方、投資手法で市場に臨んでいるのだと実感せざるを得ませんでした。個人投資家としては、様々な考え方があるのだとまずは理解して、そのうえで自分に合った投資手法を見つけ出すことがポイントなのかもしれません。

ここまで本音を語ってしまっていいのかと心配になるほどの本音トークが炸裂した「お金ナイトVol.1」。参加者の反応も概ね良好だったようです。第1回と銘打ってあるだけに、次回の開催が楽しみになるイベントでした。

投信1編集部

PR

投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。