3月16日の注目イベントは波乱なく通過

2017年3月16日、この日は日米欧で注目経済イベントが“てんこ盛り”の1日でした。

まず、16日未明(米国時間15日)には米FOMCにより事前の予想通り利上げが発表されました。また、欧州ではオランダで下院選挙が行われ政権与党が勝利、さらに日本では日本銀行が金融政策決定会合での結果、金融政策の現状維持を発表しています。

加えて、米国では15日に政府債務の法定上限の適用停止期限を迎えており、16日からは議会が債務上限の引き上げを承認しないと新たな米国債の発行ができない状態となっています。

このように多くのイベントが集中しましたが、以下の記事にあるように、日本株にとっては米国の利上げ発表後に円高が進んだことはややネガティブではあるものの、NYダウが反発したことはポジティブであるため、全体としては中立と考えてよいと思われます。

実際、16日の日本の株式市場は小動きに留まり、とりあえず「波乱」は回避された状態となっています。

出所:米利上げ決定 材料出尽くしで円高に(楽天証券)

米国株はバブルではない

こうしたなかでまず気になるのは、世界最大の株式市場である米国の動向です。

今回の利上げはとりあえず無難に切り抜けたものの、NYダウが史上最高値圏にあるため「買われ過ぎではないか」という高値警戒感は残ります。仮に米国市場で今後大幅な水準訂正(下落)が行われた場合は、日本株もその動きからは無縁というわけにはいかないでしょう。

そこで興味深いのが、以下の記事で紹介されている”世界で最も有名な投資家”ウォーレン・バフェット氏の発言です。

2017年2月27日行われたメディアとのインタビューで、同氏は「米国株はバブルではありませんか」と問われた際、「米国株はバブルの領域にない。金利と比較すればまだ割安な方だ。長期金利が7-8%程度に上昇したらバブルを警戒すべきかもしれない」と述べています。

つまり、現在のように業績が拡大局面にあるときには、一方で金利水準との関係で株価水準を評価する必要があるということです。この記事では、金利調整後PERからは「米国株はバブルではない」ことが具体的なデータとともに示されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

出所:米国株はバブル?-世界市場の核心を再点検(楽天証券)

なお、上述のウォーレン・バフェット氏の投資手法についてご関心のある方は、こちらの記事『【世界で最も有名な投資家ウォーレン・バフェットが日本株に投資をするならどの企業か】』もご参照ください。

日経平均は2万円を超えるのか

昨年9月の記事『【米金利が上昇すると日本株はどうなる? 過去の例では・・・】』で述べたように、過去の米国での利上げ局面では日経平均は上昇していることが多く、その反対に、利下げ局面では日経平均は下がっているケースが多く見られます。

それは、米利上げは米景気が好調なときに実施されることが多いこと、また、米利上げは円安(ドル高)につながりやすく、結果として日本の企業業績の回復期待が高まることが背景として考えられるためです。現在も米国では利上げ局面が続いているので、この点を参考にしてみてください。

また、以下の記事では、テクニカル(チャート分析)から、3月中に日経平均が2万円を超える可能性が示唆されています。年初からの日経平均の動きは昨年の同時期に比べると安定はしていますが、なかなか2万円という心理的な節目を越えられずにいます。

とはいえ、3月16日の経済イベントのピークを無難に超えたことや、外部環境がそれほど悪いものではないことを考慮すると、いよいよその時期が近付いているのかもしれません。日本の株式市場にも春が訪れることに期待したいと思います。

出所:【日経平均株価】2カ月ぶり昨年来高値更新、月内2万円超えも視野に(投信1)

LIMO編集部