急落した日米の株式市場、高まる政治リスクとは?

桜開花宣言とともに起きた相場の変調にどう対処すべきか

トレンド転換?

2017年3月21日、気象庁は東京都心で桜(ソメイヨシノ)の開花宣言を発表しました。

その夜のアメリカ市場は、医療保険制度改革に関して与党・共和党内での意見対立が表面化し、トランプ政権の政策運営への懸念が広がったことを主因に今年最大の下げ幅を記録しました。また、その動きを受けた22日の日経平均株価も今年最大の下げとなりました。

前週に行われた3大イベント(FOMC、米債務上限引き上げ、オランダ下院選挙)が波乱なく通過した直後の急落であるため、今回の下げが年初来順調であった相場のトレンド転換を示唆するものなのか非常に気になるところです。

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ただ、以下の記事にあるように、政治リスクは残るものの世界景気が順調に拡大中であることには変わりないため、冷静な対処が求められるところです。

出所:世界景気は順調 トランプ・リスク警戒(楽天証券)

オバマケアの代替案は”痛しかゆし”

では、具体的にはどのような政治リスクが意識されてきたのでしょうか。以下の記事では、今週注目されたオバマケアの代替案を巡る争点について解説されています。

その要点をかいつまんで記すと、まず民主党は代替案が導入されると無保険者が2,400万も増えることに反発しています。また、オバマケア見直しで財政赤字が減るといっても、反面で無保険者が大きく増加することは受入れがたいと指摘しています。

対して、共和党内の保守強硬派は、無保険の低所得者に税額控除を提供して安価な保険に加入できる仕組みではオバマケアとの違いがないと不満を訴えています。

このように、オバマケアの代替案は、一方では無保険者が増えてしまう、もう一方では安価な保険に加入する人が増えてしまうといった、いわば”痛しかゆし”の内容です。そのため、民主党だけではなく共和党内でも反対の声が上がっていることが、トランプ大統領の今後の政権運営に対する懸念の背景になっています。

法案の採決は米国時間3月23日(日本時間24日)に行われる予定ですが、その行方は今後のトランプ政権の運営能力の試金石となるため、細心の注意を払いながら注目していきたいと思います。

出所:トランプ政権の経済政策の試金石、オバマケア見直しの行方(投信1)

アメリカ以外の政治リスク

このように、アメリカでの政治リスクが高まっていることは事実ですが、以下の記事にあるようにアメリカ以外にも懸念があることには注意が必要です。

まず、ドイツで3月18日に閉幕したG20 で、アメリカの圧力に押され「保護主義に対抗する」という文言を共同声明に明記できなかったことです。こうした動きに対して為替相場は敏感に反応し、ドル安円高が進みました。そのことも日本株下落の一因となっています。

また、日本でも「森友学園問題」による国会審議の停滞や内閣支持率の低下懸念がくすぶっています。

ただし、日本や米国の場合、当面は国政選挙の予定がないため、支持率の低下や議会の混乱に関しては政権側による新たな政策による巻き返しが十分に考えられることは留意しておきましょう。

いずれにせよ、政治問題にだけ気を取られるのではなく、経済の動向や企業業績から目を離さないように心掛けたいものです。

出所:今週は、政治リスク警戒もあり引き続きこう着状態(楽天証券)

投信1編集部

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