【上場廃止】日本コロムビアがフェイスの完全子会社に。栄光の歴史は途絶えるか?

フェイスにとって日本コロムビアは中核であり続ける

日本コロムビア、2017年7月に上場廃止に

2017年3月28日のプレスリリースで、日本コロムビア(6791)のフェイス(4295)による株式交換での完全子会社化が発表されました。両社の定時株主総会の決議を待って2017年7月27日に日本コロムビアは上場廃止になる予定です。

日本コロムビアは日本最古のレコード会社で、かつては美空ひばりを擁し、現在でも演歌・歌謡曲で高いシェアを持つと言われます。一方、フェイスは日本で初めてMIDIの商業配信を開始し、着メロサービスの草分けとなった企業です。

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フェイスは2010年に日本コロムビアと戦略提携し、2014年には50%超の株式を保有して連結子会社としています。すでに日本コロムビアの親会社はフェイスですので、今回の案件はこの延長線上にあると言えるでしょう。

日本の音楽文化を支えた日本コロムビアの栄光の歴史

日本コロムビアは、1910年(明治43年)にレコード・蓄音器の製造販売を目的に設立された由緒ある老舗企業です。日本初の国産蓄音機製造、日本初の国内プレスレコード発売、日本初のLPレコード発売、CDを世界に先駆けて発売など、数々の音楽文化を開拓してきました。

1963年(昭和38年)には日本電気音響を吸収合併し、DENON商標を使用開始しました。ここでも1972年に世界で初めてPCM録音機を実用化しています(なお、DENONは現在ディーアンドエムホールディングスの傘下に移っています)。

また、これまで先述の美空ひばりを始め、島倉千代子、都はるみ、藤山一郎、舟木一夫、ゴダイゴ、中村雅俊、榊原郁恵、松山千春、氷川きよしなど、おなじみのアーチストを擁していることからも同社の功績が感じられます。

業績面では1980年代前半が最盛期と見られ、毎年50億円前後の営業利益を出していました。当期純利益のピークはバブル期最後の1990年3月期で、37億円でした(SPEEDAによる)。

しかしその後、業績は一気に低迷し、13期連続当期純損失を計上してしまいます。リップルウッドに経営再建を託す局面もありましたが、最終的にはフェイスの傘下に入って近年は業績を安定させてきました。

日本コロムビアは上場廃止後も消えない

このように日本コロムビアは日本の音楽産業の栄枯盛衰を象徴する存在ですので、上場廃止は少しさびしい気がしてしまいます。

しかし日本コロムビアの重要性はフェイスの完全子会社化・上場廃止後もあまり変わらないと考えられます。

フェイスの営業利益の推移を見てみましょう。

  • 2015年3月期 ▲9億円(赤字)
  • 2016年3月期 15億円
  • 2017年3月期会社予想 16億円

次に日本コロムビアの営業利益の推移を見てみましょう。

  • 2015年3月期 ▲9億円(赤字)
  • 2016年3月期 12億円
  • 2017年3月期会社予想 17億円

いかがでしょうか。フェイスの利益に占める日本コロムビアの重みが大変大きいことがわかります。

今回の件で日本コロムビアは上場廃止になりますが、フェイスの最も重要な収益源であるため、その重要性が変わることはないでしょう。

特に音楽ソフトの販売や音楽配信市場が国内で伸び悩むなかで、コンサートなど成長余地の残された分野に基盤を持っていることが日本コロムビアの強みとして生きてくると考えることもできます。

創業100年を超えた日本コロムビアがどのような成功物語を紡ぐのか、今後も注目したいと思います。

投信1編集部

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