株式市場の振り返り-配当落ち分を吸収して日経平均株価は小幅続伸

2017年3月29日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 19,217円(+14円、+0.1%) 小幅続伸
  • TOPIX 1,542.0(▲2.7、▲0.2%)  反落
  • 東証マザーズ総合指数 1,072.3(+27.8、+2.7%)  大幅続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:716、値下がり銘柄数:1,158、変わらず:118
  • 値上がり業種数:13、値下がり業種数:20
  • 年初来高値更新銘柄数:90、年初来安値更新銘柄数:0

東証1部の出来高は17億5,140万株、売買代金は2兆1,595億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。実質的な新年度相場入りでしたが、円安進行やNY株式市場が9日ぶりに上昇したことなど好材料に対する反応は今一つで、基本的には模様眺めに徹したと見られます。

そのような中、日経平均株価は終日、前日終値に近い19,200円を挟んだ攻防となりました。取引時間中の値幅(高値と安値の差)は、約87円程度にとどまる狭いレンジでの推移となっています。

結局、小幅高の続伸となりましたが、配当落ちの約▲132円分を勘案すると、実質的には+150円近い上昇と見ることもできます。いずれにせよ、海外投資家の本格的な動きを待つしかないと言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、終値は小幅下落となりました。

東証マザーズ総合指数は大幅続伸、売買代金は連日で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は6,312万株、売買代金909億円となり、いずれも前日から減少しました。大型株市場と同じように模様眺め感が強く、売買代金は連日で1,000億円を割り込んでいます。なお、売買代金が連日で大台を割り込むのは、2月3日~10日の6日連続以来となります。

ただ、主力株の下値を拾う動きもあり、総合指数は久々の大幅上昇となりました。これにより、個人投資家の資金流入が本格化するかどうか注目です。

ソニーと東京エレクトロンが年初来高値を更新、一方でJR九州は6日続落

個別銘柄では、ファナック(6954)、ソフトバンクグループ(9984)、ダイキン工業(6367)が大きく値を上げ、東京エレクトロン(8035)も年初来高値を更新しました。

また、ハイテク株の主力銘柄に上昇が目立ち、パナソニック(6752)が大幅上昇となった他、急騰したソニー(6758)は年初来高値を付けています。

さらに、前日に決算発表を行ったニトリホールディングス(9843)が+6%超高の高騰となり、ライオン(4912)や資生堂(4911)なども大幅高となりました。

一方、武田薬品工業(4502)、日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)などが配当落ちの影響で大幅下落となり、JR九州(9142)も6日続落となりました。

また、三井住友フィナンシャルグループ(8316)や野村ホールディングス(8604)を始めとする金融株が軒並み下落し、三井不動産(8801)など不動産株も軟調に推移しています。

新興市場では、ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(3561)が反発となりましたが、同じ外食銘柄の串カツ田中(3547)は大幅上昇となり、串カツ人気復活を予感させています。また、そーせいグループ(4565)やGunosy(6047)も久々に大きく値を上げました。

全体的に上昇銘柄が目立ちましたが、新興市場らしいダイナミックな値動きは乏しく、静かな動きとなったようです。

青山 諭志