株価好調!強いソニー復活へ-20年ぶりの最高益更新は可能か

株価は4日連騰、その背景にある4つの理由

testing / Shutterstock.com

4日連騰となったソニーの株価

毎日のように「東芝問題」が大量に報道されるなかで、ソニーの株価が静かに上昇を続けています。

同社の株価は2017年3月31日まで4日連騰となり、連日年初来高値を更新しています。また、1年前と比べ+36%上昇と、TOPIXの+17%をアウトパフォームしています。では、なぜ今ソニーは注目されているのでしょうか。その理由について考えてみたいと思います。

ソニーが注目されている4つの理由

続きを読む

第1の理由としては、4月1日から始まる2018年3月期業績への期待が考えられます。

そのことを確認するために、現時点での市場コンセンサスを見ると、営業利益については2017年3月期予想2,565億円に対して、2018年3月期は5,114億円と、前年比倍増が見込まれています。

第2の理由は、2018年3月期の大幅増益予想の根拠が、「景気回復」といった”ぼんやりとした理由”ではなく、2016年4月に発生した熊本地震被災の影響や、映画分野で行った減損がなくなるなど、明確な改善要因があるためです。

なお、震災の影響については、主に半導体とデジカメで営業利益のマイナス影響がありましたが、既に両事業ともに完全に復旧しているため、新年度には大きな改善が期待できることになります。

また、映画分野についても、不振なのは映画製作部門に限られ、テレビ番組制作やメディアネットワークは堅調であるため、減損影響がなくなる来年度の利益は大きく改善することが期待できると思います。

第3の理由は、PS4やPS VRの販売好調を背景にしたゲーム事業の収益拡大への期待です。

PS4の累計販売数は今年1月時点で5,340万台を超え、歴代のPSシリーズのなかで最速の販売拡大が続いています。また、昨年秋に発売されたPS VR(拡張現実型のゲームを楽しむためのヘッドセット)の販売も順調です。

第4の理由は、円高への懸念がくすぶるなかで、ソニーの場合は対ドルでの円高の影響が比較的軽微であることです。

もちろん、ソニーも半導体事業やデジカメでは円高のマイナス影響を受けますが、ゲーム、スマホ、液晶テレビなどはドル建ての調達部品が多いため円高はむしろ増益要因となり、全社でも対ドルでの円高は増益要因となるのです。こうした他の輸出企業とは対照的な収益構造も注目された可能性が高いと考えられます。

今後の注目点

4月1日から始まる2018年3月期は、ソニーの「第二次中期計画」(2015年3月期~2018年3月期)の最終年度にあたります。また、ソニーは経営数値目標として、営業利益5,000億円以上というターゲットを掲げています。

ちなみに、ソニーの70年あまりの歴史のなかで、5,000億円以上の営業利益を計上できたのは20年前の1998年3月期(5,257億円)の一度だけであることを考慮すると、この目標値は容易なターゲットではないことになります。

とはいえ、上述のような改善理由を背景に、市場コンセンサス予想は最高益更新にはわずかに届かないものの5,000億円を超えてきています。また、ソニー自身も、この目標値はソニーが高収益企業に変容するための重要なマイルストーンとして捉え、強いこだわりを示しています。

このように、2018年3月期はソニーにとって極めて重要な1年となります。このため、まずは4月28日に予定されている2017年3月期決算において、どのような新年度の予想が開示されるか大いに注目したいと思います。

ソニーの過去10年間の株価推移

和泉 美治

PR

和泉 美治

同志社大学文学部卒業後、エルコインターナショナル (現:京セラエルコ) に入社。英国バーミンガム大学にてMBA取得。
その後UBSフィリップスアンドドリュー証券 (現:UBS証券) に入社し、調査部にてエレクトロニクスセクターを担当。2002年より2013年までJ.P.モルガンにて産業用エレクトロニクス及び民生エレクトロニクスセクターを担当。
日本証券アナリスト協会検定会員。