大きなイベントのない先週でしたが、為替市場は3月半ばからのトレンドに対し反転する流れとなりました。3月に入り下落が続いたドルインデックスが安値を更新したものの、その後は上昇に転じた影響が大きいようです。

4月最初の週の今週は4月7日(金)に米国の雇用統計という一大イベントが控えています。先週の為替市場を振り返りつつ、4月2日の週を概観します。

先週の為替動向振り返り

3月最終週の先週は、為替市場では大きなイベントはありませんでした。そんな中、3月半ばから下げ続けたドル円が3月27日夜に110円割れ目前で反転を開始しました。

30日に発表されたアメリカのGDP(確定値)が市場予想を上回るなど米国経済の好調さが再認識されると、ドル円は上昇が加速。最終的には31日の午前まで上昇を続け112円に到達しました。

その後、3月31日の仲値(銀行が顧客と通貨取引を行う際の基準レート)112.20円付近で折り返し、111.40円付近でドル円は取引を終えています。

このように、為替市場全体として3月中旬までのトレンドに反転した週となっています。ユーロドル市場もそれまでの上昇トレンドが一転し、ほぼ下げ続けた週となり、28日より4日連続で日足は陰線となりました。

原油価格とドルインデックスの動向

原油価格(WTI)は27日から上昇を開始しています。3月9日の下落以降、50ドル割れの状態が継続していましたが、30日には50ドル台を回復しました。

50ドルはアメリカのシェールガス採掘の損益分岐点と言われており、50ドルという節目の価格というだけでなく、シェールガス採掘増加のポイント地点として、非常に重要な意味を持っています。

北半球が春に入り、今後は暖房用途でのガソリン利用が減りますが、そのタイミングでの原油価格50ドル回復は非常に興味深いと言えます。

また、19日の週にサポート&レジスタンスの節目の価格に位置していたドルインデックスは、27日にいったん下落して下値を更新したものの、その後は一転4日続けて上昇。

下値を更新することにはなりましたが、ドルインデックスが崩れてドルが関連する通貨が大きく動く事態にまでは至りませんでした。

今週の為替動向見通し

4月最初の週となる4月2日の週は、7日にアメリカの雇用統計発表があります。アメリカ経済の好調さを示す指標発表が相次いでいますが、雇用統計においても同様に経済好調の確認がなされるかに注目が集まります。

今週は雇用統計に向けて先週の流れが続くのか、それとも新しい流れが始まり雇用統計に向けて相場が動いていくのかという観点で為替市場をウォッチしたいと思います。

まとめ

日本は今週から新年度入りとなります。27日に110円を割らずに上昇したドル円ですが、今後下落の場合は110円が明確に意識されることとなります。

ドルインデックスがサポート&レジスタンスをいったん割れたものの、その後の反転に助けられた形のドル円市場となっています。

雇用統計という一大イベントのある今週、ドル円は節目の110円を目指して円高方向に進むのか、それとも112円を超えて円安方向に向かっていくのかに注目したいと思います。

LIMO編集部