JALは株主優待で人気だが株価は年初来安値を更新

経営の自由度が増す2017年度からの事業展開に期待

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日本航空(9201)といえば、株主優待の人気銘柄として個人投資家の間で有名です。その一方、株価はこのところ下落が続き、年初来安値を更新しています。

一度経営破綻した日本航空(以下、JAL)ですが、同社の経営を縛っていた国土交通省による監視期限が2017年3月末に終了し、4月以降は経営の自由度が大幅にアップすると期待できます。JALにとって本格的な再出発となる2017年4月。今後のJALの株価のポイントを考察します。

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株主優待で個人投資家に人気のJAL株

JAL株は個人投資家に人気の銘柄の1つです。JAL株は100株につき年1枚(3月末株主)、国内路線運賃が割引となる株主割引券がもらえます。古くからJALやANAホールディングス(9202)は、株主割引券の存在から、航空機を利用する機会が多い方が好む銘柄として知られていました。

また、配当利回りも約2.7%(2017年4月7日時点)と比較的高く、個人投資家が株主割引券をもらいつつ、高い配当も得ることができる銘柄として今も人気があります。

経営破綻を経て2017年4月より経営の自由度アップへ

JALは2010年に経営破綻に至りましたが、その後再生に成功し2012年9月に東証1部への再上場を行っています。

ただ、公的資金で再生したJALは、2014年度から2016年度まで国土交通省の下で企業再生が適切かつ確実に行われるよう、経営状況の監視および指導助言を受けることとされていました(出所:国土交通省「日本航空の企業再生の対応について」)。

しかし、2016年度を最後に国土交通省の監視等が外れるため、2017年度からJALは新規路線開拓等の投資を自主判断で行うことが可能となり、経営の自由度がアップすると期待されます。

4月に入り年初来安値を更新

そのJALですが、株価はほとんど反応を見せていません。それどころか、3月半ばより株価は下落を開始し、4月に入ると遂に年初来安値を連日更新する状況になってしまいました。

JAL株の下落については原油価格の上昇等、様々な要因が語られていますが、2017年3月期決算予想が前期比で減収減益となっていることも背景にあると考えられます。

株価3,300円から3,400円付近が節目価格

2016年以降のJALの株価チャート(日足)を見ると、3,300~3,400円付近が節目の価格となっていることが分かります。2016年年初からの下落の際に、6~7月にかけて株価が反応を繰り返したのが3,300~3,400円付近であり、同じ価格帯で10月以降の株価上昇時に反応し、いったん押し目を入れています。

現在のJALの株価はちょうど3,300~3,400円付近に位置しています。ここから先、再度上昇することになるのか、さらに下落に加速がつくのか、またレンジ相場に入るのか、重要なポイントに位置しています。

日本航空の過去2年間の株価推移

まとめ

国土交通省の経営監視下から外れる2017年度は、JALにとって新たなスタートを切る年度となります。

足元で安値を更新しているJAL株ですが、今後経営の自由度が増すことで株価の上昇を期待したいところです。しかしながら「三つ子の魂百まで」ということわざの通り、人間も企業もそう簡単に性格は変えられないもの。再度経営が迷走する可能性もないとは言い切れません。

経営の自由度が増す2017年、JALはどのような事業展開を行い、株価はどのような推移をたどるのかに注目したいと思います。

投信1編集部

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