飛行機のファーストクラスはビジネスクラスとどう違う?

富裕層はどちらを選ぶのか

最近の大きな航空関連ニュースといえば、ユナイテッド航空で起きた「乗客強制排除事件」がありました。本来、飛行機に乗ることは、特に海外に行く場合、ワクワクする機会が多いはずです。筆者にも、先週ワクワクする出来事がありました。エミレーツ航空のファーストクラスに乗る機会があったことです。

なぜかファーストクラスにアップグレード

過去10年弱ぐらいの中で、ファーストクラスに乗ったことが今回を含め2回あります。前回も今回も、さすがに自らお金を払ってファーストクラスのチケットを買ったわけではありません。何がどうしてそうなるのか全くわかりませんが、経験談としてお話ししますと両方とも同じパターンでした。

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飛行機に搭乗するタイミングで、最後にボーディングパスを係員に渡して、搭乗ゲートを通過しますよね。その時です。自分のボーディングパスがゲートのセンサーに反応しないのです。「あれ?」と思っていると、それを見た係員が、すかさず「First」と書かれたチケットを突然渡してくれたのでした。

航空会社がなぜかビジネスからファーストにアップグレードしてくれたのです。前回はエミレーツではない別の航空会社でしたが、全く同じパターンでした。

筆者は、チタンやら何やらという「すごい」クレジットカードは持っていません。何かの特別な会員組織に所属しているわけではありません。さらに、エミレーツは生まれて初めて利用しました。でもなぜかアップグレードしてくれたのです。エミレーツとの接点といえば、ウェブサイトと空港カウンターだけです。

ちなみに、アップグレード客は私だけで、荷物のタグを見てわかりましたが他は正真正銘のファーストクラス客でした。

ゲートと搭乗便の間を移動する際のファーストクラス専用バス

トップ画像を含め、写真はすべて著者撮影

欧州への旅行でエミレーツ航空を利用することに

先週、プライベートでドイツを訪問する用事があり、訪問先がアレンジしてくれたのが、ドバイ経由のエミレーツ航空のフライトでした。

<行き>1)羽田→ドバイ(エコノミー) 2)ドバイ→ドイツ・ハンブルク(エコノミー)、<帰り>3)ドイツ・ハンブルク→ドバイ(ファースト) 4)ドバイ→羽田(ビジネス)、という内容で4回のフライトがありました。

一つの目的地の往復だけで、エコノミー、ビジネス、ファーストの3種類のクラスを経験するというのは滅多にない機会だと思います。アレンジしてくれた先方は、往復でビジネスを用意してくれようとしましたが、行きの分は満席でビジネスが取れなかったとのことです。

結論から言えるのは、エミレーツはどのクラスも素晴らしかったことです。私はスターアライアンスのユーザーとして通常はビジネスクラスを選んでいます。贅沢をするためにビジネスクラスを選択しているのではなく、よく「ラグビーとかやってた?」と勘違いされる身長180センチの体格を収めるには仕方がない選択肢だと考えていたからです。

エミレーツのエコノミーは十分なレッグスペースがあり、とても快適でした。前述のような体格であるため、「エコノミー席は自分には狭すぎる」という先入観が強く、海外フライトではエコノミーを避けていました。しかし、その思い込みが間違っていると気付きました。

3列席の窓側に座ってしまったので、トイレに立つ時には隣に座っている2人の方々に退いていただくのが大変申し訳なかったですが、座席には十分なスペースがあり、不快な思いはしませんでした。タッチパネル式の大きなスクリーンとエミレーツ自慢のエンターテイメントシステムiceはとても充実していました。

一方、機内食を一所懸命作ってくださっている会社があるのは理解しておりますが、正直な感想として、味はクラスごとの差がほとんどないと感じました。もちろん、素材感や盛り付けのビジュアル、食器やカトラリーのレベルは全く違います。

中でも一番大きな違いはドリンクの種類とクオリティです。「ワインリスト」のトップを飾っていたのは、ファーストではドンペリニョン、ビジネスではモエ・エ・シャンドンでした。当然ですが、エコノミーにはワインリストはありません。

全席がパーティションで通路と仕切られる自動ドア付きの個室

富裕層も意外とビジネスクラスを利用する

夜中の午前0時30分発に羽田を発つフライトは満員で出発しました。羽田の深夜便を利用することも初めてでしたが、非常に驚いたのは、夜11時を過ぎても免税店(もちろんブランドショップも)やレストランがオープンしていたことです。さらに、非常に多くの外国人観光客で賑わっていました。羽田空港はすごいことになっていると実感しました。

筆者が日頃仕事でお話しする富裕層の方々は、ほとんどがビジネスクラスを選択されています。ファーストクラスで得られる効用をビジネスクラスと比較した場合、金額ほどの違いがないという判断なのだと思われます。

プライベートジェットをチャーターして海外に行ったことがある方も何人か存じ上げていますが、ご自身でジェットを持っている方にはまだ会ったことがありません。

羽田空港の利便性が著しく向上していることや、深夜便も含めたフライトの選択肢が増えていることも考えると、莫大な維持管理費を抱えてまでプライベートジェットを保有する効用は従前より小さくなっているかもしれません。

これからも、ボーディングゲートでは到着地に思いを馳せ、さらに、まさかのアップグレードに遭遇するかもしれないどきどき感を持ちながら通過してみたいと思います。また旅行の楽しみが増えました。

ピクテ投信投資顧問株式会社 小田嶋 康博

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小田嶋 康博

金融系ベンチャー企業を経て、イギリス系大手ヘッジファンドであるマン・グループにて、東京、チューリッヒ、ロンドンで勤務後、ピクテに入社。
ピクテでは、従来型のディストリビューションモデルと異なる戦略立案及び営業活動を担当。 特に富裕層向けビジネスモデルの構築、並びにネットチャネル経由のビジネスモデル構築及び促進に向け販売会社とのコラボレーション施策の開発に従事。
慶應義塾大学入学後渡米し、ニューヨーク州立大学経営学士取得。