再IPO案件が時価総額トップ3。2017年第1四半期のIPOを振り返る

ファンド支援の再IPOが日本でも定着か?

2017年第1四半期のIPOについて、時価総額別にランキングを作成してみました。すると、ファンドの支援で非上場化した企業の再IPOが時価総額のトップ3を独占するという意外な結果となりました。

2017年第1四半期時価総額ランキング、トップ5

2017年第1四半期の時価総額ランキング、トップ5は以下の通りです。

1位 スシローグローバルHD(3563)時価総額:988億5,200万円
2位 マクロミル(3978)時価総額:753億1,300万円
3位 オークネット(3964)時価総額:288億9,600万円
4位 ティーケーピー(3479)時価総額:286億6,400万円
5位 グリーンズ(6547)時価総額:168億円
注:時価総額は公募価格ベース

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2017年第1四半期のIPOにおける時価総額の1位はスシローグローバルHD、2位はマクロミルでした。1位と2位の時価総額が抜きんでており、3位以下を大きく引き離す結果となりました。

両社ともにファンド傘下企業の再上場IPO案件であり、いずれも上場初値が公募価格を下回る公募割れでのIPOとなりました(スシローGHD:▲5%、マクロミル:▲4%)。

さらに、3位のオークネットも1、2位同様ファンド支援により非上場化した会社の再IPO案件。ファンドの株主シェアは1、2位ほどではないものの、株主シェアの約46%がファンドの持分となっています(スシローGHD:約94%、マクロミル:約92%)。

なお、こうした再IPO案件を除く、通常の未上場会社IPO案件の時価総額第1位は、貸し会議室を国内・海外に展開するティーケーピー、次いでホテルチェーン運営のグリーンズでした。

IPO件数が27件と活況を呈した2017年第1四半期のIPOですが、時価総額の観点から見ると、ファンド傘下企業の再上場案件が大きな割合を占めていたことが分かります。

「IPO=未上場会社の新規上場」というイメージが一般的ですが、日本においても上場会社がファンドの支援によりいったん非上場化し、その後に経営改善を行って再上場というケースが増え始めている姿が明らかになります。

時価総額のボリュームゾーン

2017年第1四半期にIPOした27社を時価総額別に分類すると、それぞれの件数は以下のようになります。

時価総額500億円以上:2社
時価総額100億円以上:7社
時価総額50億円以上:7社
時価総額20億円以上:8社
時価総額20億円未満:3社

このように、時価総額のボリュームゾーンは20億円以上500億円未満となっています。一方で、時価総額20億円未満の小型銘柄のIPOも3社存在するなど、2017年第1四半期は小型銘柄からファンド傘下企業の大型銘柄まで、幅広い銘柄がIPOを行っています。

小型銘柄のパフォーマンスは良好

時価総額が低い小型銘柄の場合、株式市場に放出される株数が必然的に少なくなるため、需給の観点から株価が上がりやすい傾向にあります。2017年第1四半期に時価総額20億円未満でIPOした3社の騰落率は次の通りです。

安江工務店(1439)時価総額:15億2,900万円、騰落率:4%
フュージョン(3977)時価総額:8億2,100万円、騰落率:151%
インターネットインフィニティー(6545)時価総額:16億1,800万円、騰落率:281%

安江工務店の騰落率は4%と振るわないものの、他2社はいずれも公募価格に対し初値が2倍以上になっており、小型株IPO案件の初値が上昇しやすい傾向は継続しています。

まとめ

時価総額という観点でIPO銘柄を調べると、IPO市場の思わぬ姿に気づくことがあります。2017年第1四半期も、時価総額ベスト3はいずれもファンド支援で非上場化を行った企業の再IPO案件という結果でした。

2017年のIPO市場は、5月から6月半ばにかけていったん小休止に入ります。2017年の第2四半期以降のIPO市場についても、引き続き時価総額の観点からも観測を続けたいと思います。

投信1編集部

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。