本当に不動産融資は厳しくなっているのか?

先日、世田谷の一棟アパートを購入しました。この物件は、13年前に私が今回の売主さんに相続対策としてコンサルティングをし、企画した物件ですので深いご縁を感じています。

今回の購入代金は、某地方銀行からフルローンで0%台の金利で融資を受けることができました。最近、不動産投資への融資が厳しくなってきたという声をよく耳にするなかで、私は融資を受けることができたのですが、本当に融資は厳しくなっているのでしょうか?

確かに、4年前のアベノミクスにより始まった金融緩和で不動産価格が高騰し、さらには、相続対策による土地活用のためにアパマンが大量供給され、アパマンの過剰供給に金融庁が銀行の監査を強化する、などと報道されるようになり、不動産投資への融資が厳しくなってきたと、業界内外のあちこちで耳にしています。

そこで、実際に、今回購入した物件に融資をしてくれた、某地方銀行の担当者に聞いてみました。すると、驚きの声が帰ってきたのです。

むしろガンガン融資したい

融資担当者いわく、「全く融資を絞ってはいません。むしろ、ガンガン融資しろと本部からハッパをかけられていますよ」と。

なんだ? 融資が厳しいなんていうのはガセネタじゃーん!(笑)

担当者いわく、普通の銀行ならどの銀行も、アパートローンに対する姿勢は同じで、依然積極的だといいます。というのも、アパートローンは、住宅ローンと同じで、安全債権に分類される貸付となっていて、いくら融資をしても、自己資本比率を圧迫する貸倒引当金の額は、少なくて済むのです。

「担保が確保でき、家賃によって返済が見込めるアパートへの融資は、むしろ銀行としては積極的に出して行きたい」とのこと。金融庁からは、過剰供給により「警戒」しているものの、銀行へ具体的な指導が来ている状況ではないのです。

借りられる人、借りられない人

つまり、借りられる人はこれからも借りられるし、借りられない人は、借りられないということ。さらに言うと、年収が高く、自己資金のある人は借りられるし、年収が低く、自己資金のない人は依然として借りられないのは、至極当たり前のことです。

これは、景気が悪くなっても同じこと。リーマンショック以降、日本での不動産融資事情もいったん厳しくなりましたが、その時に借りる実力のあった人が、いま不動産を増やせているわけです。

金持ち大家さんになりたければ必死こきなさい

つまり、融資環境がどうのよりも、不動産を買えるかどうかはあなた次第ということです。今回の私が購入した世田谷のような物件をあなたも買いたければ、

  1. 節約して自己資金を徹底的に備蓄する(いつでも買える準備をしておく)
  2. 負債ではなく、資産評価の高い物件を集める(売ったら売却益の出る物件を探す)
  3. 財務体質を強化する(自己資本比率を高める)
  4. とにかく満室経営を気合いで続ける(収入を途切れさせない)

ことが重要。お金を借り続けられる大家さんは、これらがすべてできているからこそ、銀行との優良な関係を築くことができるわけですね。

もちろん、最初からそんな状態にするのは無理。しかし、物件を買うことばかり考えていては、「融資が下りれば⇒物件を買う」という行動につながりやすく、さらに、「融資が下りたから⇒いい物件に違いない」と考えてしまいがちになり、どちらも投資の本質がおろそかになってしまうのです。

このように物件を買うことばかり考えている人は、融資が絞られたら一瞬で物件を買えなくなります。最初の物件をすぐに取得できても、すぐに債務超過状態になり、売ることも、買うこともできなくなって、早晩、手詰まりになってしまうのです。

不動産投資で早期リタイアは幻想

「1〜2年で、3億円の不動産を買って、リタイアしてやろう」なんて、虫が良すぎます。そんな簡単なものではありません。

必死こいて仕事をして勉強し、自己資金を貯め、必死こいて物件を探し、必死こいて指値をし(笑)、必死こいてリフォームして、必死こいて銀行に足を運び、必死こいて管理して、やっとデキる「金持ち大家さん」の仲間入りができるのです。

物件が高いと言われている今、先ほどあげた4つの項目を徹底的に見直してみましょう。今年は、少し物件価格が落ち着くと思いますが、不動産価格が高止まりしている時は、徹底して財務体質の改善に取り組むべき。必ず、また不動産価格が下がる時が来ます。

では、その時に、さっと良い物件を自信をもって買いに行けるようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?

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浦田 健