今年こそ投資を始めよう!と意気込みつつ4月が終わる、という人へ

友人・知人から「今年こそ投資を始めようと思っている」という声をよく聞く。理由を聞けば、皆異口同音に「え、だってもう給料増えそうにないし。出世? もしかするとあるかもしれないけど」と答える。今は、出世すれども給料は上がらず、責任だけが増していく世知辛いご時世だということか。

給料に右肩上がりの未来は見えない。ボーナスだって会社の業績や自分の評価次第ではどうなるかわからない。ならば自分でなんとかしたほうがまだ精神安定に良い、ということらしい。景気は「緩やかな拡大に転じつつある」らしいけれども本当なのか? と思ってしまうような話だ。

一方で「このままではいけないのはわかっている、でもなんとなく一歩が踏み出せない、ああもう4月も終わりか…」という人も多いのではないだろうか。長谷川伸一氏の著書「投資でお金を増やす人、減らす人」は、このように将来に不安を感じ、投資でお金を増やしたい、でもなかなか一歩が踏み出せないという初心者、なかでも株式投資を始めたい人のための入門書だ。

「お金を減らす人」と「お金を増やす人」の行動を話のきっかけにして、株式投資をするべき理由、銘柄選択や気持ちの持ち方まで、株式投資に関わるノウハウを具体的な銘柄名をあげながら丁寧に説明している。また、各項目の末尾には株に関する基礎知識を解説したコラム風の読み物もあり、投資初心者でも株式投資の全体像がつかみやすくわかりやすい筋立てだ。

お金を減らす人は投資をやみくもに怖がる?

サラリーマンや主婦が1日中株式投資に向き合うことは不可能だ。だが、知識もなく始めるのは怖い。まぐれあたりがあったとしても、それだけで株式投資に成功することは難しい。株式投資を嫌がる人の多くはそう考えている。

ただ、長谷川氏は「学びもせずに『株が怖い』というのは、相手のことを知りもせずに『あの人は悪者だ』と批判しているようなものだ」と説く。そして実際に「お金が増えない人」は一時の感情や出自のわからない情報に流されたり、惑わされたりしてしまう。そうならないために、正しい知識を持つこと、その知識をもって投資に臨むことが重要なのだ。

本書では、お金を増やす人がどのように情報収集をしているか、売買の判断をどういった材料をもとに行っているかという点にも言及しているが、その内容はとてもオーソドックスである。

また、本書は自分の性格や普段の行動と照らし合わせながら学んでいくこともできる。このゴールデンウイークにいよいよ株式投資の勉強を始めてみようという方もいるだろう。最初の1冊を本書にしてみるのもよさそうだ。

投資でお金を増やす人、減らす人 知識・資金ゼロからの投資超入門

著者:長谷川伸一
出版社:総合法令出版
単行本、 224ページ

LIMO編集部