【日本株需給】海外投資家が3週連続日本株現物を買い越しに

投信も買い越しに転換。 売り越し止まない個人はどうする?

海外投資家、3週連続で日本株買い越しに

日本取引所グループから、2017年4月21日の週までの日本株の投資主体別週間売買動向のデータが開示されました。前回、海外投資家が買い姿勢に転じつつあると述べましたが、海外投資家の買い越しは3週連続に伸びました。

引き続き注目すべきデータだと思いますので、少し詳しく見ていきましょう。

2017年4月17日-21日はリスクを取る動きが出はじめた

まず、最近の相場のおさらいをしておきましょう。

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日経平均は2017年3月2日に年初来高値19,668円1銭を付けましたが、3月16日に19,600円台を付けて以降下落に転じ、2017年4月14日は18,335円63銭まで下げて終わっています。この下落の要因は、米景気の減速の兆候、トランプ政権の経済政策に対する失望、円高の進行、朝鮮半島や中東での政治・軍事リスクの高まりなどです。

4月17日の週に入ると、17日こそ年初来安値の18,224円68銭を付けましたが、その後相場は徐々にじり高となり4月21日は18,620円75銭で終わりました。株式市場がじり高に転じた背景は、米国の税制改革骨子が4月26日に発表されると伝えられ、改めてトランプ政策への期待が回復してきたことが大きいと思います。

では、投資主体別の売買動向を確認してみましょう。

海外投資家の買い越し額が増えた

まず、海外投資家は3週連続で買い越しとなりました。1月から3月まで累計で1兆2千億円売り越してきた海外投資家は、4月に入り全体としては積極的な投資姿勢に転換したと見て差支えないでしょう。

ちなみに、週次の買越額は、4月第1週:+908億円、4月第2週:+1,027億円、4月第3週:+2,770億円となり、週を追うごとに増えています。

個人は2週連続で売り越し

これに対して個人投資家は、4月第2週:▲509億円、4月第3週:▲883億円と、2週連続で売り越しになりました。海外投資家の姿勢とは真逆の消極的な姿勢となっています。

個人の損益状況は回復へ

前回も述べましたが、これまで個人は「買い下がり、売り上がり」型、海外投資家は「買い上がり、売り下がり」型でした。しかし、今回のパターンはこれとは逆で、海外投資家は相場が下げてきたところを買い向かい、個人は売っています。

個人、は3月12日-4月7日の間に合計+5,193億円買い越していました。日経平均は19,000円台半ばでしたので、決して「下げたところを買い向う」ような投資行動ではありませんでした。その後、4月第2週、第3週に売り越しに転じたのは既に述べたとおりですが、この売りのなかにはリスクオフ色を嫌気した投げ売りもあったのではないでしょうか。

そうしたポジションがいったん整理され、改めて日経平均が19,000円台に回復してきましたので、個人投資家の損益は改善していると思われます。

投信は19週ぶりに買い越しに

今後の需給動向では、相場水準が回復しても海外投資家の買い越しが続くのか、個人は相場の回復でやれやれ売りをするのか、それとも買いに転じるのかが注目点です。

個人は先ほど述べた3月中旬から4月上旬の買い越しがまだ残っていますので、ここからやれやれ売りが出てきても不思議はありません。しかし、株価水準が回復しましたので、損益状況は改善しています。

したがって、仮に個人のやれやれ売りが進んでも、それはむしろ今後の個人の買い余力につながると見ることができるでしょう。次に相場が下落するときには、その余力を持って個人投資家はしっかり拾ってくると思われます。

さて、今週もう1つ注目のポイントがあります。それは投信が19週ぶりに買い越しに転じたことです。これまで日銀頼みだった日本株需給は、4月に入り海外投資家、投信が売り越しから買い越しに姿勢を変えており、筆者は相場の流れの変化と見ています。需給動向への注目を続けていただきたいと思います。

椎名 則夫

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椎名 則夫

早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。証券運用と法人融資に携わる。
シカゴ大学MBA取得。フィデリティ投信に入社、中小型株全般、医薬品・ヘルスケア、保険、通信、インターネットの企業調査に従事。その後モルガンスタンレー証券にて株・クレジットのリスク管理業務を行う。
日本証券アナリスト協会検定会員、CFA。