NYダウは+2%上昇、ダウ輸送株はわずかに下落

2017年4月28日のNYダウ工業株30種平均(以下NYダウ)は、前週末比+2%上昇で週を終えました。NYダウ輸送株20種平均はわずかに下落して終えています。

フランス大統領選挙の第1回投票の結果ルペン氏勝利の可能性が低下し、世界的に株高の1週間になりました。トランプ政権の目玉政策である税制改革案は、国境税の見送りを除けば公約に沿った内容でしたが、骨子の提示にとどまりNYダウの最高値更新はなりませんでした。しかし、決算はおおむねポジティブに受け止められ2万1千ドル目前で週を越えました。

上昇率トップは重機のキャタピラー

NYダウ30銘柄のなかで、前週末比上昇率のトップ5社は次の通りです。

キャタピラー(CAT)+8%
マクドナルド(MCD)+5%
ホーム・デポ(HD)+4%
シスコ・システムズ(CSCO)+4%
ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)+4%

下落率トップはベライゾン・コミュニケーションズ

前週末比下落率のトップ5社は次の通りです。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)▲3%
ゼネラル・エレクトリック(GE)▲2%
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)▲2%
ナイキ(NKE)▲1%
インテル(INTC)▲1%

キャタピラー急騰

個別銘柄の動きは、決算の内容によってメリハリがつきました。

今週の注目はキャタピラー(CAT)です。第1四半期のリストラ費用を除いた一株利益実績が市場予想を大幅に上回る増益となったこと、年間の売上高ガイダンスを引き上げたことが好感されました。

日本では日立建機(6305)が2018年3月期に強気の会社計画を出す一方、コマツ(6301)は買収費用の影響などでコンセンサスを下回る減益計画を発表しました。しかし、この2銘柄の株価がそろって堅調に推移しているのはキャタピラーの株価上昇と無縁ではなさそうです。

通信競争厳しく

もう1つの注目は、続落が続く通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)です。価格競争が進み防戦模様になっていることが嫌気され、52週安値を付けています。TモバイルUS(TMUS)とともに価格訴求を進めているソフトバンクグループ(9984)子会社のスプリント(S)の動向も気になります。

椎名 則夫