iDeCo(個人型確定拠出年金)の節税効果がすごい!iDeCo完全攻略ガイド

制度の特徴、メリット・デメリット、手数料から運用商品の選び方まで徹底解説!

2017年1月から、個人型確定拠出年金の制度が大幅に変更され、「iDeCo(イデコ)」という愛称で新たなスタートを切りました。今回の変更によって、iDeCoの対象者は大きく拡大し、公務員や専業主婦、すでに企業年金に加入している会社員など、従来は対象外だった人も含め、原則20歳以上60歳未満であればほぼすべての人が加入できるようになっています。

iDeCoの目的は、ずばり「老後に向けた資産形成」です。そのため、税制面で非常にお得な制度となっています。この記事ではiDeCoの概要を理解し、上手に活用するためのポイントを解説していきます。

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目次
1 iDeCoとは?
2 iDeCoのメリット
    2.1  iDeCoでは掛け金が全額所得控除になる
    2.2  iDeCoでは運用益も非課税になる
    2.3  iDeCoは受け取り時にも税制面で優遇がある
    2.4  iDeCoは勤務先の業績等に左右されない、転職先にも持ち運べる
3 iDeCoのデメリット
    3.1 運用する商品によっては元本割れも?
    3.2  iDeCo用の口座管理手数料が必要に
    3.3 積み立てたお金は60歳まで引き出し不可
4  iDeCo用の口座はどの金融機関で開設すればよいのか
    4.1 iDeCo口座の手数料、ポイントはどこに?
    4.2 投資初心者や少額からiDeCoをはじめたい人向けの楽天証券―その理由は?
    4.3 資産形成に意欲があり商品も自ら吟味したい人向けのSBI証券―その理由は?
5  iDeCoの運用商品の選び方
    5.1 iDeCoにおける元本確保型の商品―定期預金、保険
    5.2  iDeCoにおける元本変動型の商品-投資信託
        5.2.1  iDeCoで選ぶ投資信託の種類①-投資する「資産クラス」で考える
        5.2.2  iDeCoで選ぶ投資信託の種類②-「インデックス型」か「アクティブ型」か
        5.2.3 コスト面でiDeCoに向いている投信とは?
6 何歳までにiDeCoをはじめるべきか
    6.1  iDeCoの加入期間と受け取り開始可能な年齢
    6.2  iDeCoの加入者本人が亡くなったり、重い障害を負った場合は?
7  iDeCoとNISA、違いはある?どちらをすべき?
    7.1 iDeCoとNISA、最大の違いは税金面
    7.2 iDeCoとNISAでは選べる商品も違う
    7.3 iDeCoとNISA、現金化しやすいのはどっち?
8 ふるさと納税とiDeCoはどちらがお得?
    8.1 ふるさと納税の仕組みと現在の状況
    8.2 ふるさと納税でお金は貯まらない! 増えない!
9 iDeCoを学ぶ!おすすめの本
10 まとめ

1 個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

そもそも「確定拠出年金」という制度が日本でスタートしたのは2001年のことです。米国の401kという制度を参考に作られたため「日本版401k」とも言われます。ちなみにDC(Defined Contribution Plan)というのも同じ意味です。

確定拠出年金には、企業が社員のために掛け金を拠出する「企業型」(企業・社員の双方が掛け金を払うケースもあり)と、個人が加入して自分で掛け金を払う「個人型」があります。今回対象者が拡大し、iDeCoと呼ばれているのは、この「個人型」です。

2 iDeCoのメリット

それでは、iDeCoにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

2.1  iDeCoでは掛け金が全額所得控除になる

iDeCoでは、個人が拠出した掛け金が全額所得控除の対象となります(※1)。所得税・住民税は、所得から基礎控除や配偶者控除などの各種所得控除の額を差し引いた課税所得から計算されますから、所得控除によって課税所得が少なくなれば、納める税金は少なくなります。つまり、掛け金が全額所得控除の対象であるiDeCoは節税につながり、お得になるのです。

※1 確定拠出年金(企業型含む)において所得控除の対象となるのはiDeCoの掛け金と企業型確定拠出年金にマッチング拠出した本人掛け金。なお、企業が拠出した掛け金は会社の損金として全額非課税となります。

2.2  iDeCoでは運用益も非課税になる

通常、投資や運用で得た利益(運用益)には、約20%の課税がなされます。しかし、iDeCoでは、この運用益に対する税金がかかりません。課税による目減りがないうえ、60歳まで続けるうちに、複利効果でどんどん運用益を積み増せる可能性があります。

2.3  iDeCoは受け取り時にも税制面で優遇がある

一時金として受け取る場合、退職所得控除が適用され、勤続年数(確定拠出年金なら加入期間)に応じた金額が控除されます。企業にお勤めだった場合は、退職金と確定拠出年金の合計額で計算し、受け取る額が退職所得控除の枠内に収まればまるまる非課税になります。自営業の場合でも確定拠出年金は退職金と同等にみなされます。

年金として分割で受け取る場合は、5~20年の期間のなかで受け取ります。この場合、雑所得(公的年金等)扱いとなり、公的年金控除を受けられます。なお、65歳未満で受け取る額が年間70万円以下、65歳以上の場合受け取る額が年間120万円以下であれば、全額控除になります。

もし退職所得控除と公的年金控除の恩恵を無駄なく生かすことを考えるなら、一部を一時金として、残りを年金として受け取る併給も検討に値するでしょう。退職所得控除の枠内の金額は一時金としてもらい、それ以外は分割払いで受け取るというのが一般的なケースですが、複雑なケースもあるので、自分にとってメリットがあるかどうかはよく吟味する必要があります。

2.4  iDeCoは勤務先の業績等に左右されない、転職先にも持ち運べる

iDeCoでは自ら掛け金を払い、自分自身で商品を選んで運用します。そのため将来の年金額が勤務先の業績や年金運用の成果などに左右されません。また、仮に転職したとしてもそれまでに積み立てた掛け金は転職先に持ち運ぶことができます。

3 iDeCoのデメリット

iDeCoは税制面でお得が大きく、便利に感じられますね。逆に、デメリットはないのでしょうか。

3.1 運用する商品によっては元本割れも?

iDeCoは、自ら商品を選び、掛け金を拠出して運用します。そのため、運用する商品によって成果は変わってきてしまいます。たとえば投資信託で運用した場合は元本割れするリスクもあるということです。しかし、リスクがあるということは大きな成果を得るチャンスもある、ということです。

投資信託は投資のプロのファンドマネージャーに運用を任せることができ、少額からの分散投資も可能です。積極的に運用益を出すことをめざすなら、信託報酬などに注意して商品を選ぶとよいでしょう。また、すべての資産を投資信託で構成するのではなく、定期預金や保険などの元本確保型の商品を組み合わせればリスクを軽減することもできますし、元本確保型の商品だけで積み立てていくことも可能です。

3.2  iDeCo用の口座管理手数料が必要に

iDeCoを始める場合、金融機関にiDeCo用の口座を開設します。実はこの口座には、国民年金基金連合会や事務委託先の金融機関、口座を開設する金融機関に支払う運営管理手数料が毎月発生します。どれだけ手数料を安く抑えたとしても、年間2,004円は必ずかかってしまうのです(詳しくは4.1「iDeCo口座の手数料、ポイントはどこに?」で説明します)。

もしiDeCo口座の残高が10万円の場合、この手数料は約2%のコストになります。月々の掛け金が少ない人や、運用している総額が大きくない人にとっては比較的重い比率ですね。

ただ、積立が進んで残高が増えてくれば、必然的にこの手数料の割合は小さくなっていきます。残高が50万円になれば0.4%、200万円になれば0.1%です。

つまり、これはデメリットというよりも、iDeCoでうまくお金を増やしていくためには、金融機関を上手に選んで手数料を安く抑えることが非常に重要であることの表れなのです。

3.3 積み立てたお金は60歳まで引き出し不可

もし何かあった時にiDeCoのお金が引き出せなかったら大変だ」として、この仕組みをデメリットだとする考えもあります。もし節税のメリットや手数料の割合を考えるなら、限度額いっぱいまで掛け金を拠出するのが最も効果的なのは確かです。しかし、結婚や出産、転職、子育てなどライフステージごとに必要なお金まで拠出してしまって引き出せなくなっては元も子もありません。したがって基本は無理のない範囲で積み立てていくべきです。それができれば、むしろ60歳まで半強制的に積立と運用ができるこの制度はメリットのほうが多いとも考えられます。

万が一家計に余裕がなくなった場合などには、掛け金の金額変更ができます。掛け金の変更は、毎年4月から翌年3月の間で年1回可能です。また、完全に掛金の積立をやめてしまい、運用のみを行うこともできます。ただし、それまでに積み立てた資産の引き出しについては、特別な事情に該当しない限りは認められないことになっています。

4  iDeCo用の口座はどの金融機関で開設すればよいのか

iDeCoはどの金融機関で口座を開設しても税制面でのメリットは同じですが、金融機関によって大きく異なる点があります。それは「口座を開設した金融機関に支払う手数料」と「商品ラインナップ」です。

4.1 iDeCo口座の手数料、ポイントはどこに?

3.2でも説明した通り、iDeCo 口座を開設すると手数料がかかります。具体的には①国民年金基金連合会に支払う手数料(年間1,236円)、②事務委託先金融機関手数料(年間768円)③iDeCo口座を開設する金融機関に払う運営管理手数料、この3つです。

このうち、①と②はどの金融機関で口座を開設しても一定ですが、③の運営管理手数料は金融機関によって異なります。

2017年現在、③の運営管理手数料が最も安い金融機関には、ネット証券大手のSBI証券と楽天証券があげられます。この両社は、従来からiDeCo口座に一定額以上の残高を有する場合に運営管理手数料を無料としていましたが、2017年5月からは残高などの条件に関わらず運営管理手数料が無料になりました。また、商品ラインナップもこの両社ではそれぞれ独自の選定がなされています。

手数料と商品ラインナップをポイントに考えた場合、iDeCo口座を開設する金融機関選びは現在のところSBI証券と楽天証券の実質2択ともいえる状況なのです。

出所:
楽天証券2017年5月18日付プレスリリース「楽天証券、iDeCo管理手数料無料化のお知らせ
SBI証券2017年5月18日付プレスリリース「SBI証券、iDeCoの運営管理手数料の完全無料化のお知らせ

4.2 投資初心者だけどiDeCoをはじめたい人向けの楽天証券―その理由は?

楽天証券の商品ラインナップは28本(2017年3月28日現在)と決して多くはありませんが、定期預金等の元本確保型商品に加え、多様な資産タイプの投資信託がラインナップされています。また、ファンドの説明だけでなく「なぜこの商品を選定したのか」という簡単な解説も見やすくなっています。

楽天証券は、投資初心者でまずはプロが厳選したファンドから商品を選んではじめたいという方におすすめです。

4.3 資産形成に意欲があり商品も自ら吟味したい人向けのSBI証券―その理由は?

SBI証券は、ネット証券最大手の企業です。iDeCoについても10年を超える実績を有しています。

SBI証券の運用商品の品ぞろえは投資信託を中心に65本(2017年3月28日現在)と、非常に充実しています。投資対象・運用手法についても国内外の株式、債券、不動産、バランスファンド、金価格の値動きをめざすファンドなど幅広く取りそろえられています。また、信託報酬が低水準なインデックスファンドだけでなく、アクティブファンドも豊富です。

投資に対してある程度知識があり、自らの目でしっかり運用商品を見極めたいという方におすすめです。

5  iDeCoの運用商品の選び方

iDeCoは自らの運用成果が将来の受け取り額を左右するため「本当に自分にできるのだろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、iDeCoの運用や投資は決して義務ではありません。また、運用商品もリスクを伴う商品ばかりではありません。

はじめて運用商品を選ぶ方なら、まずはご自身のお金に対するスタンスを考えてみましょう。あなたは元本が減るリスクがあっても、大きく増やせるチャンスがあるならそちらを選択するタイプですか? それともリスクは取りたくない、損はしたくないとお考えでしょうか。元本をどう考えるか、それが第一の選択肢となります。

5.1 iDeCoにおける元本確保型の商品―定期預金、保険

iDeCoで選べる商品には元本確保型のものと、元本変動型のものがあります。元本確保型とは、決められた金利で運用され、満期時に元本と利息を受け取ることができる商品を指します。定期預金や保険がその代表的な商品です。

もし、リスクをとることを好まない、あるいは、運用益やその非課税メリットよりも掛け金拠出による所得控除のメリットを享受したいという方なら、定期預金でスタートするのはいかがでしょうか。iDeCoで定期預金を行い、満期を迎えると元本に当初約束されていた利息が付いて、新しい元本になり、再拠出されます。

銀行に預けていても、利息には20.315%の税金がかかりますから、拠出した掛け金が全額所得控除の対象になり、さらに利息も非課税になるiDeCOなら、たとえ定期預金の利率が低く、利息が少ないといっても、その中で最大限に運用の効果が得られるといえます。

とはいえ、iDeCo口座には運営管理手数料もかかりますので、その手数料を上回るパフォーマンスは定期預金の現在の利息では難しいといわざるを得ません。その点からは、投資信託と組み合わせた運用も検討したいところではあります。

5.2  iDeCoにおける元本変動型の商品-投資信託

iDeCoでは現物株式を運用先として指定できません。そのため、iDeCoで元本変動型の商品といえば、現状では投資信託になります。

投資信託(ファンド)とは、投資家から資金を集め、そのまとまった資金の運用を投資のプロに任せるものです。個人としての投資額が少なくても分散投資を実現できますし、新興国株式やデリバティブ金融商品など、個人ではアクセスしにくいものへも投資できることなどがメリットです。

投資信託は、どういった資産に投資するか、どういった運用をするかといった切り口でもカテゴリー分けをすることができます。また、商品ごとにコストにも違いがあります。

5.2.1  iDeCoで選ぶ投資信託の種類①-投資するアセットクラスで考える

アセットクラスとは「資産の種類」のことです。一般的には現預金、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)や、金などの商品(コモディティ)を指します。

投資信託には国内株式に投資するものや外国株式の中でも先進国株式に投資するものなど、アセットクラスごとに商品があります。また、複数のアセットクラスを組み入れて運用を行うバランス型もあります。

5.2.2  iDeCoで選ぶ投資信託の種類②-インデックス型かアクティブ型か

投資信託は、めざす運用の成果によって「インデックス型」と「アクティブ型」にも分けることができます。

インデックス型とは、運用の目標とする「ベンチマーク」に連動した運用成果をめざすタイプの投資信託です。ベンチマークには、日経平均株価やTOPIXがあります。インデックス運用は銘柄選定といった調査費用がほとんどかからず、機械的に運用できることから、多くの商品で信託報酬の水準が低く抑えられています。

これに対し、アクティブ型は積極的にベンチマークを上回る成果をめざしていくものです。その成果は管理・運用を担うファンドマネージャーの腕次第になってきます。なお、調査などに手間がかかるため、手数料はインデックス型に比べ高くなるのが一般的です。

5.2.3 コスト面でiDeCoに向いている投信とは?

投資信託を購入する場合、保有中だけでなく、購入時や売却時にもそれぞれコストがかかってくる場合があります。

商品購入時にあたっては、手数料がかかるファンドがある一方、購入手数料がかからないものもあり、これらを「ノーロード・ファンド」と言います。SBI証券や楽天証券のラインナップにはノーロードの商品が取り揃えられています。

保有中には、運用や管理に対する手数料である信託報酬がかかります。信託報酬は商品ごとに異なり、インデックス型かアクティブ型かによっても変わります。しかし、信託報酬以上のパフォーマンスがなければ資産は増えません。投資初心者で商品選びに自信がないという場合は、まずは信託報酬の安いインデックス型からはじめてみましょう。

このほか、保有中には監査を受けるための監査報酬や、運用する株や債券を売買する際の売買委託手数料がかかります。また、売却時に信託財産留保額というコストがかかる商品があります。

運用商品選びに迷いはつきものですが、時間を味方につけるという意味でもまずは始めることが大切です。iDeCoでは配分変更(毎月の掛け金で購入する商品の比率を変更すること)やスイッチング(運用している商品を売却し他の商品に買い替えること)も可能です。積み立てをしながら知識を蓄えていっても決して遅くはないはずです。

6 何歳までにiDeCoをはじめるべきか

6.1  iDeCoの加入期間と受け取り開始可能な年齢

iDeCoで積み立てたお金は60歳になると「老齢給付金」として受け取ることができるようになります。ただし、60歳になった時点で受け取ることができるのは、iDeCo加入期間が10年以上の人になります。

ですが、50代ではじめても遅すぎるということはありません。老齢給付金を受けとるための条件は(1)60歳以上(2)加入期間1ヶ月以上、となっています。たとえ数年でも掛け金を拠出すれば、掛け金は全額所得控除になりますし、運用益も非課税ですから、何もしないよりはメリットが大きいはずです。

ただし、加入期間の年数によって、受け取り開始年齢が最大65歳まで引き上げられます。50代から始める場合、受け取り開始年齢が何歳になるのかは確認しておきましょう。

【加入期間と受け取り開始可能な年齢】※いずれも70歳までの任意の時期

加入期間10年以上:60歳~
同8年以上:61歳~
同6年以上:62歳~
同4年以上:63歳~
同2年以上:64歳~
同1ヶ月以上:65歳~

もし60歳の時点で受け取るつもりだったとしても、そこでかつてのリーマンショック級の出来事が発生して、投資していた商品が暴落するようなことが起こらないとも限りません。受け取り開始年齢は70歳まで延ばすこともできますから、シミュレーションをしておきましょう。

なお、60歳以降は掛け金を拠出できませんが、分割で受け取る場合や、受給年齢を遅らせる場合(受給開始年齢が61歳以降になる場合)は引き続き運用を続けることになります。つまり、その後の運用の次第では、得をすることも損をすることもあり得るということです。また、口座手数料もかかります。さらに、確定拠出年金を受け取る際には、一時金でも年金でも1回受け取るごとに手数料として432円(税込)が必要です。年金の受け取り回数が多くなるほど手数料の負担が増すことには注意が必要です。

6.2 iDeCoの加入者本人が亡くなったり、重い障害を負った場合は?

もしiDeCoの加入者本人が死亡した場合は、受け取り前でも受け取り中でも、また加入期間に関わらず、残高がある場合には、請求すれば死亡一時金が遺族に支払われます(死亡時から5年以内の請求が必要)。死亡一時金は相続税の課税対象です。

また、加入者が生活に支障をきたすような重い障害を負った場合、条件を満たせば障害給付金が支払われます。障害給付金は所得税・住民税ともに非課税となります。

7  iDeCoとNISA、違いはある?どちらをすべき?

iDeCo と似た制度に、2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)があります。NISAは中長期の資産形成を応援する制度です。NISA口座を開設し、この口座で株や投資信託の取引をすると、その売却益や配当金、分配金が年間120万円まで、最長5年間非課税となります。現在のところ、新規口座開設は2023年までの期間限定となっています。

資産形成という側面から見れば、iDeCoとNISAの両方で運用するのが最も有効な手段であることは確かですが、あえてどちらかを選ぶとした場合、その違いはどこにあるのでしょうか。

7.1 iDeCoとNISA、最大の違いは税金面

投資をした際の運用益が非課税になるのは、iDeCoもNISAも同じです。ただし、掛け金の全額が所得控除の対象になるiDeCoと違い、NISAで非課税になるのはあくまでも運用益のみです。投資した金額は所得から控除されません。つまり、NISAの場合、所得税や住民税を節税できるメリットはないということです。

7.2 iDeCoとNISAでは選べる商品も違う

iDeCoとNISAでは、購入できる商品にも違いがあります。iDeCoの場合、購入できる商品は投資信託が中心となります。また、定期預金や保険など元本確保型の商品も選ぶことができますが、個別株式を購入することはできません。

一方NISAでは、個別株式に投資できることが最大の特徴です。その他にも、投資信託、REIT、ETFが投資の対象になりますが、iDeCoと違って定期預金や保険など元本確保型の商品を購入することはできません。

ただし、NISA口座を開設する金融機関によっては、選べる投信の数が少なかったり、個別株式を購入できなかったりしますので注意が必要です。幅広い商品から選べるという意味では、iDeCoの口座開設でも紹介したSBI証券と楽天証券が、個別株式はもちろん、投信の販売本数も2,000本超と多いのでおすすめです。

7.3 iDeCoとNISA、現金化しやすいのはどっち?

結婚や出産などのライフイベントにより、まとまったお金が必要になることもあります。

iDeCoでは、原則として60歳まで引き出すことができませんが、NISAで株式や投資信託などに投資したものについては、必要な時に売却して現金化することができます。流動性ではiDeCoよりもNISAに軍配が上がります。

8 ふるさと納税とiDeCoはどちらがお得?

返礼品のお得感から人気が高まっているふるさと納税ですが、資産形成という観点とは、少し性質が異なります。

8.1 ふるさと納税の仕組みと現在の状況

ふるさと納税は、自分で地方自治体を選んで寄付すると、2,000円の自己負担額を除く全額が所得税・住民税から控除される仕組みです(※2、3)。

最近では豪華な返礼品が注目を集め、人気が出てきています。2008年度の制度開始から2013年度まで80~150億円前後で推移していたふるさと納税の受け入れ総額は、2014年度には389億円、2015年度には1,653億円へと急増したのです。2015年度には、地方自治体の約9割が返礼品の送付を実施しています。

その一方で、総務省が2017年4月、商品券やプリペイドカードなどの換金性の高いもの、資産性の高い電気機器や貴金属を返礼品にしないことや、返礼品の仕入れ価格を寄付額の3割以下に抑えることなどを求める通知を全国の自治体に対して出すなど、その状況は変わりつつあります。

>> 出所:総務省自治税務局「ふるさと納税に関する現況調査結果」(2016年6月14日発表)

>> 出所:総務省「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」(2017年4月1日付)

※2 限度額の上限あり
※3 控除を受けるためには確定申告またはワンストップ特例制度の書類提出が必要

8.2 ふるさと納税でお金は貯まらない! 増えない!

返礼品が楽しいふるさと納税ですが、これは地方自治体への寄付、すなわちお金を払ってもらっているものです。もちろん所得税・住民税の控除はありますが、お金は貯まりませんし、増えません。返礼品が豪華だとつい見落としがちですが、お金を貯める、増やす、という視点で見たときには注意しておきたいポイントです。

ふるさと納税は地方の活性化を目的とした制度です。東日本大震災後は被災地支援に活用されてきた側面もあります。地方を応援する、という気持ちを持ちつつ、賢くお金を使うという視点でトライしてはいかがでしょうか。

お金を貯めるという観点ではiDeCoを活用する、と考えていただければよいでしょう。

9 iDeCoを学ぶ!おすすめの本

最後に、iDeCoに関する知識をしっかり定着させたいというときにおすすめの本をご紹介します。

マンガでわかる確定拠出年金

老後に向けた資産形成に興味を持ち始めた30代の男女が人気ファイナンシャル・プランナーからiDeCoについてさまざまな場面で解説してもらうという筋立てです。マンガで概要を説明し、図解と文章による解説が補われています。これからイデコを始めたいけれど、どこから入ったらいいのか、と悩んでおられる方が基礎を押さえるのに向いています。

確定拠出年金の教科書

経済評論家・山崎元氏による解説本です。制度の概要やメリットのみならず、制度が拡大した背景などもわかりやすくまとめられており、一冊で基本をすべておさえられる良書です。

10 まとめ

いかがでしたか?iDeCoは将来もらえる給付額が自分自身の運用成果に左右されるという点で不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、iDeCoはそうした不安やデメリット以上にスタートする価値のある、個人にとって非常にお得な制度です。迷っていても時間が過ぎるだけですし、積立を始めるときには時間が大いに味方になってくれます。まずはiDeCoで資産形成の第一歩を踏み出してみましょう。

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