株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年5月12日から5月18日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-軟調な相場展開の中、個別物色が継続した1週間

今週は、食料品株、水産・農林業株、その他製品株を始め、11業種が上昇した。

厚生労働省が推進してきた受動喫煙対策を強める「健康増進法改正案」について、自民党が結論を見送る中、JT(2914)が年初来高値を更新。5月9日に好決算を発表した日本ハム(2282)も買いが継続し堅調。また、据置型ゲーム機「Nintendo Switch」等の販売好調を受け、任天堂(7974)が値を上げた。

一方、鉱業株、石油・石炭製品株、保険株など21業種が下落、空運株のみ変わらず。

OPEC(石油輸出国機構)主導による協調減産の取り組みが伝わるものの、供給過剰が継続していることを背景に、国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)などの鉱業株や、昭和シェル石油(5002)、JXTGホールディングス(5020)などの石油・石炭製品株が軒並み安い。また、一部証券会社が目標株価を引き下げたかんぽ生命保険(7181)も軟調。

今後のマーケット見通しの注目点

今週も、個別物色の動きが継続する相場展開となった。特に週後半は、米トランプ大統領のFBI介入疑惑による政治的混乱懸念から、米株式市場を始め各国の主要株価指数が急落した。

外国為替市場においても、1ドル=110円台の円高・ドル安となり、リスクオフの動きが強まった。今後も、引き続き様子見姿勢が強まる相場展開と見ている。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎